2021年の読書メーター
読んだ本の数:73
読んだページ数:19745
ナイス数:354

楽譜の風景 (岩波新書)楽譜の風景 (岩波新書)感想
岩城さんの苦労話が面白い。日本のオーケストラ、現代音楽の草分け的存在だからご苦労も多かったであろう。「春の祭典」を振り間違える話は大変だなぁと思う。そのあとのメルボルン響の慰め方がなかなか泣ける話である。確かに暗譜で振るとかっこいいけどねぇ。「作曲家の中には、自分が書いた複雑な音を聴き分けられない人が、少なからずいる。」「初演の練習の時に作曲家は病気になってはいけないのである。」「世の中には、いろいろな演奏者がいる。はっきり言えば、おそろしくバカなピアニストもたくさん存在するのだ」等草創期ならではの警句も
読了日:01月03日 著者:岩城 宏之
プレゼント (中公文庫)プレゼント (中公文庫)感想
葉村晶シリーズの記念すべき第一作である。文章の書き方そのものにトリックが仕掛けてある場合があるので、うかうか読んでいると最後にどんでん返しできれいに決められても、どういう意味かがすぐにわからずもう一度読み直すことになったりする。二度楽しめてお得といえばお得だろうか。
読了日:01月05日 著者:若竹 七海
依頼人は死んだ (文春文庫)依頼人は死んだ (文春文庫)感想
女性探偵でハードボイルドをやろうという趣旨は非常に面白い。最後にどんでん返しを食らって、もう一度読み直させられることがあるのは前作同様である。書き下ろしの最後の短編は超自然的な終わりになっていてあまり面白くない。強力な催眠術なんか導入したらせっかくの推理小説をスポイルしてしまう。
読了日:01月12日 著者:若竹七海
悪いうさぎ (文春文庫 わ 10-2)悪いうさぎ (文春文庫 わ 10-2)感想
葉村晶シリーズの長編なのだが、今一つ調子が出ていない感じはある。若竹さんの持ち味である「驚きのどんでん返し」は長編ではやりにくい面もあるだろう。結局、女ハードボイルドの葉村と警察の柴田や探偵会社の桜井らとのやりとりを楽しむことになり、それはそれで結構なのだが…大家の光浦がいいキャラでこれはクリス松村さんにぜひ演ってもらいたい。
読了日:01月20日 著者:若竹 七海
オリヴィエ・メシアンの教室 作曲家は何を教え、弟子たちは何を学んだのかオリヴィエ・メシアンの教室 作曲家は何を教え、弟子たちは何を学んだのか感想
思ったより実例を挙げての説明に乏しく、期待したものとは違っていて私としてはつまらなかった。一部春の祭典の分析などちょっと顔を出すのだが…楽譜の書ける音楽の話は譜例がなかったら始まらないと思うのだが。
読了日:01月25日 著者:ジャン・ボワヴァン
暗い越流 (光文社文庫)暗い越流 (光文社文庫)感想
葉村晶、いよいよ殺人熊書店員となる。シリーズではないけれど、「狂酔」が面白かった。南治彦シリーズも最後にもう一ひねりというのがしつこくもあり、サービス精神ともいえるだろうが微妙なところだ。
読了日:01月26日 著者:若竹 七海
ジャズからの出発 (1973年)ジャズからの出発 (1973年)感想
50年代には「ジャズを推し進めて世界革命が起きる」とまじめに考えていたのだろうか。とするとこれは赤軍派にも匹敵する妄想である。銀巴里のセッションというのがYouTubeに上がっていたので聞いてみたがお寒い限りで、日野皓正が光っているくらいで山下洋輔にしろ菊地雅章にしてもおぼつかない。高柳昌行に至っては…山下洋輔は「まともなジャズ」では勝負できないのがわかってフリーに「逃げ」、そこへまともな渡辺貞夫が帰ってきた。この本はむしろ演歌・歌謡曲論の方が面白い。結局ジャズの理解できなかった著者の本だという気がする。
読了日:01月31日 著者:相倉 久人
さよならの手口 (文春文庫)さよならの手口 (文春文庫)感想
面白かった。特に最後の一ひねりは洒脱である。ただ、長編をもたせるための骨格になる謎がすっきりしていない。なるほどこれですべての説明がつく、というカタルシスに欠けるのだな。ディテールはいつものハムラもので、楽しませてくれるが…しかしハードボイルドとはいいながら怪我の多い探偵である(笑)
読了日:02月04日 著者:若竹七海
現代音楽史-闘争しつづける芸術のゆくえ (中公新書, 2630)現代音楽史-闘争しつづける芸術のゆくえ (中公新書, 2630)感想
大変勉強になった。私の「現代音楽」の時間はせいぜい80年代で止まってしまっており、そのあとの40年近くを駆け足で取り戻すのに本書は大変よい助けであった。私自身の創作は80年代から細々と続いてはいたがそれは主にジャズやポップスの世界においてであり、その後の現代音楽の展開にはあまり興味を持てないでいた。この40年間が「現代音楽」にとって豊かな時代であったかというのは簡単には答え得ない質問であろうが今でも70年代的感性しか持ち合わせない私にとってある種の「開き直り」をさせてもらうのに、本書は大変助けになった。
読了日:02月12日 著者:沼野 雄司
錆びた滑車 葉村晶シリーズ (文春文庫)錆びた滑車 葉村晶シリーズ (文春文庫)感想
再読ですが、やっぱりなにかしっくりこない。話がだれてくると探偵を無茶な窮地に放り込む。サブストーリーの一つ二つはいいのですが、それがどうも有機的なつながりが感じられない。最後の謎解きも凝ってはいるがとってつけた感がどうしても残る。この小説に関しては微妙であります。
読了日:02月26日 著者:若竹 七海
不穏な眠り (文春文庫)不穏な眠り (文春文庫)感想
面白かった。掌編というのか、このくらいの長さが葉村モノには適しているのではないか。こちらが老齢化で長編を追いきれなくなっているだけかもしれないが。
読了日:03月01日 著者:若竹 七海
レキシントンの幽霊 (文春文庫)レキシントンの幽霊 (文春文庫)感想
再読である。村上春樹さんの短編・中編はどれも好きなのだが、「めくらやなぎと、眠る女」が、言葉の細かいディテイルまで彫琢されたことがよくわかり、読んでいて快い。
読了日:03月06日 著者:村上春樹
哀しい予感哀しい予感感想
この小説が書かれた1988年には、アメリカに居て、父の容体がよくないことを聞かされて夏には一時帰国、葬式をすませてまたもどったのだった。時代の空気感というものはありますね。初読だが、これについていくにはもう歳をくい過ぎた。
読了日:03月09日 著者:吉本ばなな
あすなろ物語(新潮文庫)あすなろ物語(新潮文庫)感想
いまさらという感もあるが再読である。主人公は一貫しているが掌編集といった方がいいだろう。最後の終戦後の物語が、結局自分の体験に一番近いこともあってか面白かった。
読了日:03月14日 著者:井上 靖
日本人とユダヤ人 (角川文庫 白 207-1)日本人とユダヤ人 (角川文庫 白 207-1)感想
70年代のヒット作を再読。批判本が出たくらいで、インパクトのある本であった。ユダヤ人という鏡(まったく平らではない鏡だが)に映してみて日本人はどう見えるのかという実にユニークな視点で、「日本教」という概念を提示した画期的な書物だったと思う。ユダヤ人とその歴史についての記述が不正確ということはあるかもしれないが、それを持って本書の日本人とその文化に対する発見が無になるものではないと思う。50年を経て日本人理解の切り口は古びてはいない。
読了日:03月19日 著者:イザヤ・ベンダサン,Isaiah Ben-Dasan
日本の詩歌 (9) 北原白秋 (中公文庫)日本の詩歌 (9) 北原白秋 (中公文庫)感想
本棚の奥で未読になっていたのを引っ張り出してきた。白秋でも意味の取れないところが結構あり、この本の注釈は大変参考になった。「若きロテイの物思い」のロテイがPierre Lotiとはこの本に教えられた。
読了日:03月25日 著者:北原 白秋
日本教について (文春文庫 155-1)日本教について (文春文庫 155-1)感想
再読である。本多勝一さんへの最初の手紙は確かに「失礼」かもしれないが、内容的には本質をついている。明らかに虚偽とわかる情報についてもそれが一旦「踏絵」になってしまうと是認する「証拠=証言」を山のように集めてくる。異なる証言の間を分析して真実にせまることができなくなる。日本教の日本教たる所以で、これは21世紀になっても令和になっても変わらない。実体語・空体語のモデルはモデルに過ぎないが実に秀逸なモデルである。昨今の事例に当てはめてベンダサンさんの説明が聞きたいところだ。
読了日:03月29日 著者:イザヤ・ベンダサン
「法華経」を読む (講談社現代新書)「法華経」を読む (講談社現代新書)感想
面白いが紀野さんの御説であって「法華経を読む」という題名が正しいかどうかは疑問である。「人間は、自分で自分にきめた生きざまというものがある。それを破りたくはない。…いつでも絵に描いたようにすっきりと生き、そして死にたいものである」なんてのは、いっちゃあなんだが、それがもっとも離れるべき「欲」ではなかろうか。一方、紀野さんが戦後に非道な命令を受けて上官を斬りに行こうとするエピソードなんかは面白い。人間を見る思いがする。いずれにせよ私なぞ「智なきもの」なので箸にも棒にも掛からぬようだ。これを縁なき衆生という。
読了日:04月10日 著者:紀野 一義
福家警部補の挨拶 (創元推理文庫)福家警部補の挨拶 (創元推理文庫)感想
以前、檀れいさんの主演のテレビドラマを見て記憶にあった。刑事コロンボの舞台を現代日本に移し、主人公を風采の上がらない「女性」刑事にしたところが工夫である。倒叙であるから犯人はわかっている。それを地味な福家警部補がじわじわと捜査を進めていかに逮捕に持ち込むかが興味の中心である。「あと、もう一つ」というのもコロンボ風だ。おんぼろの車にのる代わりにいつも警察手帳をごそごそとカバンのなかで探していたりする。最初の出会いで実は犯人がわかっていた、というのもコロンボ流ですな。面白く読みました。
読了日:04月17日 著者:大倉 崇裕
社会人1年目からのとりあえず日経新聞が読める本 (「やるじゃん。」ブックス)社会人1年目からのとりあえず日経新聞が読める本 (「やるじゃん。」ブックス)感想
経済形ハウツー本の中ではまともなものでお勧めするにやぶさかではないが、株式投資をすすめておいて、でも自己責任で、というのは当然と言えば当然だがいかがなものか。定期預金を選ぶという戦略もあり得ると私は思います。この手の本の宿命としてどんどん古くなるのが難点。ツボは押さえているのでこれを片手に最新の日経新聞を読めということでしょうな。2016年時点の情報で構成されているが、この時はコロナのことなんか予想もつかなかったですよねぇ。
読了日:04月19日 著者:山本 博幸
とにかく散歩いたしましょうとにかく散歩いたしましょう感想
小川洋子さんは確かに岸本佐知子さんと通底するものがある。旅行の時など、大事に際してささいなことが気になるのはとてもよくわかる。そのささいなことに神経を集中して大事をやり過ごそうとしているとご本人も気が付いておられるがおそらくその通りだろう。外出嫌いも我が意を得たりと思うところである。めったやたらにアウトドアな人が理解できないが、まぁ人それぞれということでもあろう。
読了日:04月20日 著者:小川 洋子
さいはての彼女 (角川文庫)さいはての彼女 (角川文庫)感想
こういうのがライトノベルというのでしょうか?何か引っかかるものがまったくないのがいいようなつまらないような。
読了日:04月25日 著者:原田 マハ
ジョーカー・ゲーム (角川文庫)ジョーカー・ゲーム (角川文庫)
読了日:04月30日 著者:柳 広司
わたし、定時で帰ります。(新潮文庫)わたし、定時で帰ります。(新潮文庫)感想
仕事にどこまでエネルギーを注ぐかという問題を扱う。残業、サービス残業、有休取得しない、休日出勤、果ては何日も徹夜。インパール作戦まで持ち出して無茶な仕事ぶりが糾弾される。自分のことを想えば、時代もよかったし、会社にも余裕があったと思う。熱があればさっさと帰って医者に行けと言われたし、最高月間残業時間は60時間、サービス残業はもちろん、残業そのものはなるべくやめるようにという社風であった。さらに企画という仕事が決まった時間を消費するという性格のものではなかったことも大きい。あ、小説としては面白かったです。
読了日:05月07日 著者:朱野帰子
マーブルな女たちマーブルな女たち感想
また、小説のふりをしているが小説でないものを読んでしまった。最後まで読んだのだから特に苦情はないのだが、何か小説らしくない。そこがいいのだろう。「文学」を求める向きにはおススメしない。
読了日:05月09日 著者:きじまはるか
青の炎 (角川文庫)青の炎 (角川文庫)感想
よくできた倒叙ものなのだが、何より主人公が漱石「こころ」の登場人物の心理が理解できないという点に非常に共感するものである。ホントあの「先生」という人は理解を超えている。漱石は好きだが、「こころ」はよくわからないといわざるを得ない。
読了日:05月11日 著者:貴志 祐介
逆ソクラテス (集英社文芸単行本)逆ソクラテス (集英社文芸単行本)感想
何度も「歩」君の心理描写を繰り返してクライマックスに至る手法は面白かった。これが評価されるのも本屋大賞ならではというところか。
読了日:05月20日 著者:伊坂幸太郎
大統領の密使大統領の密使感想
何度読んだかわからないが、昭和46年の初版だから最初によんだのは中学生の時だろう。驚くことにほとんどのギャグ・くすぐりの類を覚えていることである。伝奇小説のパロディであるが、B級サスペンスの要所をきっちり押さえているところがさすが小林信彦である。アレン・スミスのプラクティカル・ジョークの話や、戦後の闇市の話など関係ない脱線が楽しい。小林信彦さん自身「落語の笑い」がベースにあると書かれているから、私の笑のセンスも結局そのあたりに基礎をおいたことになる。
読了日:05月20日 著者:小林信彦
日中戦争―和平か戦線拡大か (中公新書 133)日中戦争―和平か戦線拡大か (中公新書 133)感想
1931年の満州事変から1945年の日本の敗戦に至るまで、日中間の戦争の動向を淡々と記している。日本が中国大陸に侵攻することで中国の人々の生活にどのような影響を与えたかといったミクロな話はひとまず置かれているきらいはあるが、死者数、傷病者数、そして日本に連行された中国人の話など読み進むにつれ、日本が何をしたのかが明確なイメージをもって立ち上がってくる恐ろしさがある。日本が韓国、満州、蒙古、そして中国にどれだけの被害を与えたのかを今一度確認するのに便利な小史である。
読了日:05月21日 著者:臼井 勝美
大統領の晩餐 (角川文庫)大統領の晩餐 (角川文庫)感想
本作のテーマは求道小説と中華料理。猫探しもテーマのひとつであるが、この点はあまり掘り下げられていない。東映映画・日活映画に関する蘊蓄も語られている。1972年作品だが、1972年というのは私にとっては沖縄返還と六文銭の年であり、ある種のターニングポイントであった。オリジナルの表紙はおなじ絵柄だがもっと淡い色遣いである。
読了日:05月22日 著者:小林 信彦
合言葉はオヨヨ (角川文庫 緑 382-6)合言葉はオヨヨ (角川文庫 緑 382-6)感想
再々読くらいだ。これに先立つ「大統領の密使」「大統領の晩餐」にくらべて脱線が少ないのがややさみしいのと、プロットに凝りすぎてわかりにくいのが難点だが、多少は残っている脱線部分はとても楽しい。週刊朝日にこのような遊びの多い小説が連載されていたというのも不思議だ。時はこれもまさに1972年、沖縄返還と六文銭の年である。
読了日:05月27日 著者:小林 信彦
秘密指命オヨヨ (角川文庫 緑 382-7)秘密指命オヨヨ (角川文庫 緑 382-7)感想
これも再々読くらいだと思う。サスペンスであり観光小説であるので、テンポが今一つだが、ところどころにある脱線が面白いのでそこを楽しみに読むことになる。作者はヨーロッパ各地、南はモロッコまで取材旅行をされたようだが、それが1972年。作中にすでに日本からのパックツアーが描かれているので、そろそろエコノミックアニマルの本領発揮といった時期だったのであろう。
読了日:05月30日 著者:小林 信彦
ノルウェイの森 上 (講談社文庫)ノルウェイの森 上 (講談社文庫)感想
再読だが、ほとんど忘れていた。要は、一にセックス、二にセックス、三にセックス、4に自殺、自殺、自殺、5に二股、という小説である。くだらないとは言わないし、洒落た会話や名言もちりばめられているが、要するにそういうことだ。
読了日:06月03日 著者:村上 春樹
38万人の仰天 (中公文庫)38万人の仰天 (中公文庫)感想
1982年作品。私が初めて大阪という魔界の地に足を踏み入れたのが1981年。当時の風俗・気分が活写されていて、その興味で読み直した。思えば大阪へ行って(1年間ではなかったが)配偶者をつれて東京に戻ったのは主人公の草薙と同じであるな。
読了日:06月07日 著者:かんべ むさし
ムーン・リヴァーの向こう側 (新潮文庫)ムーン・リヴァーの向こう側 (新潮文庫)感想
平成7年作品。ラブ・ストーリーはともかくとして、丹下健三=鈴木俊一による「町殺し」という小林信彦さんの持論がはっきり展開されている小説である。「深川」とか「川向う」とかのキーワードから東京の成り立ちも語られる。江戸の北の郊外に育った私には遠い世界だが、東京を多少知るにつけ興味深い。
読了日:06月09日 著者:小林 信彦
イーストサイド・ワルツ (新潮文庫)イーストサイド・ワルツ (新潮文庫)感想
再読。平成7年の「ムーンリヴァーの向こう側」に先立つこと2年、1993年作品だが、どちらも中年男が年下の女性といい仲になるというおとぎ話めいた設定であり(いや、世の中にはそういうこともあるらしいが)、女が深川生まれで「川向う」と川の西側の物語であるという点も同じで、この二作は双子のようによく似ている。本来の東京の「下町」「山の手」を記録しておきたいという作者の意図がよく表れており、また成功していると思う。
読了日:06月10日 著者:小林 信彦

別にWordでなくてもいいのだが、デジタルで(ワープロで)作られた文書をわざわざ印刷して、その上に手書きで朱を入れるという行為のむなしさを強調したい。それをやると、その手書きの修正を、まただれかが元のデジタルファイル(ワープロにしろDTPソフトにしろ)に打ち込みなおさなければいけない。

 

最初から朱を入れる人がデジタルな修正を直接かければこの二度手間は省ける。確かに印刷された紙に手書きで直すということのメリットもあるとは思うが、Wordをはじめとして校閲記録が残せるソフトウェアがある以上、それを使った方がいいのではないか。文章が固まったら、InDesignでもLatexでも、Wordよりはるかに優れたDTPソフトに流し込んだらいいだろう。

 

直接関係ない話だが、マイノリティに気配りのない無神経なワード族(Windows)が相手の都合も考えずにワードファイルを送りつけてくる問題については、相手がそのフォーマットに対応しているかを確認してから送るのが礼儀だろうし、その方が結局早いだろう。ただ、ビジネス界ではWindows=MS-Wordが非常に普及しているので、MacはPagesがワードを読めるようにしているそうだ。


読了日:01月15日 著者:能町 みね子
アメリカ紀行アメリカ紀行感想
面白かった。時代は違うがアメリカに留学していた時のことを思い出す。異文化との出会いと多くの発見。そして帰国した時の逆違和感。東京はこんなにもギスギスしていたっけ、みたいな。「日本においてサービスは祭祀である」そうかも知れない。予め失われたおもてなし。
読了日:01月08日 著者:千葉 雅也
結婚の奴結婚の奴感想
21世紀の私小説はこうなりますか。うーむ。久保・ヒャダインとの鼎談「こじらせナイト」が面白いので注目しておりました。「こじらせた」人たちももういいトシになっちゃんてるんだよなぁと改めて感慨深いです。
読了日:01月05日 著者:能町 みね子

読書メーター
2020年の読書メーター
読んだ本の数:67
読んだページ数:19758
ナイス数:454

日本‐呪縛の構図:この国の過去、現在、そして未来 上 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)日本‐呪縛の構図:この国の過去、現在、そして未来 上 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)感想
再読なのだが、なぜかハードカバーの方が読書メーターに補足されない。二度目にしても後半のブレトンウッズ体制からの日米の経済史の部分がわかりにくい。もう少しわかりやすい概説書はないだろうか。
読了日:12月20日 著者:R.ターガート マーフィー
ピアノと平均律の謎―調律師が見た音の世界ピアノと平均律の謎―調律師が見た音の世界感想
題名通り「謎」の本である。平均律の説明が論理的になされているわけではない。調律の仕方を説明しているわけでもない。音楽の話でもない。ポエムなのか?といわれるとその辺があいまいである。少なくとも私はあまりこの本にポエジーを感じないが。作者の意図はまったく謎だが、某ピアノ演奏家の作曲した通俗軽薄な「鎮魂の曲」に滂沱の涙を流す人も世の中には存在するわけで、結局私はお呼びでないというだけだろう。1986年のウェスタン・ステイツ図書賞なるものを受賞しているらしいから、これを評価する少なからぬ人が存在するのだろう。
読了日:12月07日 著者:アニタ・T.サリヴァン
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルーぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー感想
英国の現状が垣間見えて大変面白かった。小さな政府を突き詰め過ぎて、福祉まで自助になってしまっている。もう日本もそうなっているのだろう。ポリティカリーコレクトであることの問題など、何重にも折り返されたような問題の難しさが克明に綴られるが、「グリーン」な若者たちはそれを軽々と乗り越えていく、希望の余韻を残してくれる佳著である。
読了日:12月04日 著者:ブレイディ みかこ
音楽史の休日―見落されたエピソード (1972年)音楽史の休日―見落されたエピソード (1972年)感想
さまざまなエピソード・逸話は面白い。どれも典拠のない話は書いていないと武川先生はおっしゃるが、典拠一覧がないのでなんとも言えないのが残念である。クルシェネックが、聴くことも、演奏することもできない、ただ書くことだけできる音楽という話はこの本が出典であった。Lamentatio Jeremia Prophetaなのだが、今ではYouTubeに立派な演奏が公開されている。合唱ということもあるが、特に難解とも思わない、普通の現代合唱曲である。むしろ手法は古典的と言ってよい。
読了日:11月29日 著者:武川 寛海
日本の政治日本の政治感想
著者・京極純一先生ご本人が「文武両道」といっていた「文」にあたるのだろうか、あまり数値的解析を伴わない日本の政治に関する概論である。1983年の出版であるから55年体制までしかカバーしていないが、ここで論じられる政治過程の力学は現在の日本の政治にも十分通用すると思う。「権力の運用」「正論の政治」「権勢の政治」など思わずにやにやしてしまう「まじめな」記述が続く。日本の政治の原風景が裸にされているといっていい。表紙絵は例の大作を東大の事務屋にゴミに出されてしまった宇佐美圭司によるものである。
読了日:11月29日 著者:京極純一
彼女のかけら 下 (ハーパーBOOKS)彼女のかけら 下 (ハーパーBOOKS)感想
二度目に読んで思うのだが、ローラが最初に首を掻ききったのは誰だったのか。アレックスのことをいっているのか?ヘルシンガーではなかったのか。そもそも証人保護プログラム下でベケットが付け入るスキがあったというのが考えにくいが、プログラムといってもそれほど完全なものではないのか。ローラによる最後のポーラ殺害は正当防衛となったようだが。ローラが隠していた車はそもそも証人保護プログラムには知られていなかったのか。マイクは間抜け過ぎないか。
読了日:11月24日 著者:カリン スローター
彼女のかけら 上 (ハーパーBOOKS)彼女のかけら 上 (ハーパーBOOKS)感想
ローラはヘルシンガー以前に誰の喉を掻ききった経験があったのだろうか?
読了日:11月24日 著者:カリン・スローター
彼女のかけら 下 (ハーパーBOOKS)彼女のかけら 下 (ハーパーBOOKS)感想
まさにサスペンス。これ以上ないという長さまで引き延ばされた掛留音。前半のサスペンスが強力なだけに後半ややだれてしまうのは、読者側が疲れてしまうからだろうか。後日譚が長すぎるような気もする。そこでいろいろ伏線を回収しなければならないのはわかるのだが…
読了日:11月16日 著者:カリン スローター
彼女のかけら 上 (ハーパーBOOKS)彼女のかけら 上 (ハーパーBOOKS)感想
米国の証人保護プログラム下にある人物が、殺人を目撃し、いかに協力者がいたとはいえ、遺体を隠匿・遺棄して、それを隠し通すことができるものだろうか。
読了日:11月16日 著者:カリン・スローター
気ンなるやつら (石ノ森章太郎デジタル大全)気ンなるやつら (石ノ森章太郎デジタル大全)感想
今読み返しても傑作だと思う。ちょっと高橋留美子さんの作風を先取りしたようなところがある。「雨の中の二人」のエピソードは同作者の「ジュン」のスタイルだし、実験精神に満ちている。
読了日:11月16日 著者:石ノ森章太郎
白夜行 (集英社文庫)白夜行 (集英社文庫)感想
大長編である。登場人物40人以上。事件は1973年からバブルすぎまで。事件の構造は半ばまで読めばだいたい推測は着くのでサスペンスが目的ではないのだろう。ところどころ時代背景を示す記号がさしはさまれるのだが、これが記号にとどまり、その時代を身近に思い起こさせることがない。もし時代を感じさせたかったのだとすれば失敗だといえるだろう。トリックというほどのトリックもないから推理小説としても凡庸である。これだけ大規模なものを破綻なくまとめあげているのはさすがだと思うが、これは失敗作じゃないか。
読了日:11月09日 著者:東野圭吾
ドンナ ビアンカ(新潮文庫)ドンナ ビアンカ(新潮文庫)感想
なんと!人死にが出ませんでした!誉田作品なのに!ほのぼの終わったりしてます!どうしちゃったんでしょうか。
読了日:10月30日 著者:誉田 哲也
ドルチェ(新潮文庫)ドルチェ(新潮文庫)感想
魚住久江はドラマ(観てない)では檀れいさんが演じたそうだ。尾野真千子でもよかったかもしれないな。誉田さんの安定した筆致のエンターテインメントといえよう。
読了日:10月22日 著者:誉田哲也
法廷遊戯法廷遊戯感想
面白かった。非常に精緻に組み立てられた推理小説だと思う。しかし、何かすっきりしないものが残るので再読してみた。すべての伏線はきちんと回収されているように思える。おそらく違和感の源は無辜ゲームというアイデアそのものと、馨という人物の内心、さらには清義が自ら罪を認める原因が証拠捏造から障害罪に途中ですり替わっているように思える点のような気がする。きちんとしたことをいうには小説をピンセットで腑分けするような作業が必要だろう。
読了日:10月18日 著者:五十嵐律人
歌舞伎町ダムド (中公文庫)歌舞伎町ダムド (中公文庫)感想
もともとの「新世界秩序」というのが極めて中二病的アイデアだっただけに、これを矛盾なく収めるのは大変でしたな。やっとここで大体の伏線には無理はあるものの始末をつけたというところでしょうか。
読了日:09月16日 著者:誉田哲也
歌舞伎町セブン (中公文庫)歌舞伎町セブン (中公文庫)
読了日:09月08日 著者:誉田 哲也
ハング (中公文庫)ハング (中公文庫)感想
陰惨な話だが後味はそれほど悪くない。ジウから始まって、誉田さんもペースを掴んだということだろう。物語にもそれほど無理はない。消費税が輸出企業に巨大な利益をもたらすという議論には異論があるが、エンターテインメントだからね。
読了日:08月30日 著者:誉田哲也
共犯マジック (徳間文庫)共犯マジック (徳間文庫)感想
複雑なプロットで、それを破綻なくつなげたのはお見事だが、推理小説としてもサスペンスとしても物足りない。1960年代から70年代への実在の事件を背景に置いているのは興味深いのだが、それが物語の力になっていないような気がする。
読了日:08月26日 著者:北森鴻
薄闇シルエット (角川文庫)薄闇シルエット (角川文庫)感想
ゲロゲロのリアリズム。人物描写は見事というしかない。これも一種のビルドゥングス・ロマンなのだろうが、こう現実の精密なレプリカみたいなものを鼻先につきつけられると、うんざりもします。さすがだとは思うが、敬して遠ざけたい(といいながら最後まで読んでしまったが)
読了日:08月25日 著者:角田 光代
おいしいおしゃべり (幻冬舎文庫)おいしいおしゃべり (幻冬舎文庫)感想
軽妙なるエッセイ集である。全面的に賛成もできないが、まずまず共感できる。なにせ昭和の世代である。ちょっと上だが世代感は共通するものがある。今や結婚もされて「サワコの朝」も絶好調。黒柳徹子さんの後継として期待している。
読了日:08月24日 著者:阿川 佐和子
硝子のハンマー 「防犯探偵・榎本」シリーズ (角川文庫)硝子のハンマー 「防犯探偵・榎本」シリーズ (角川文庫)感想
うーん、悪くはないのだけれど、どうでもいい枝葉のアイデアが多すぎるのと、前半とくに冗長に感じますね。
読了日:08月21日 著者:貴志 祐介
配達あかずきん 成風堂書店事件メモ (創元推理文庫)配達あかずきん 成風堂書店事件メモ (創元推理文庫)感想
本屋さんのこまごまとした作業の描写がリアルである。あたしゃ到底無理。本屋に就職しなくて本当によかった。
読了日:08月20日 著者:大崎 梢
純喫茶トルンカ しあわせの香り (徳間文庫)純喫茶トルンカ しあわせの香り (徳間文庫)感想
ちょっと偶然の再会が多すぎませんか?まぁ、フィクションだからいいんですけど。
読了日:08月19日 著者:八木沢里志
純喫茶トルンカ (徳間文庫)純喫茶トルンカ (徳間文庫)感想
久しぶりに人死にの少ない本を読んだ気がする。まぁ、死んだ人と死にそうな人は出てくるけど。
読了日:08月18日 著者:八木沢里志
辞書を編む (光文社新書)辞書を編む (光文社新書)感想
三浦しをんさんの「舟を編む」にも感銘を受けたが、こちらは現役の辞書編纂者の語りだけに面白いし、迫力がある。インターネット時代の辞書の在り方というのは難しい問題だな。
読了日:08月15日 著者:飯間 浩明
死のある風景 Last Edition (中経出版)死のある風景 Last Edition (中経出版)感想
淡々とした叙述の中に思わず引用したくなる言葉が光る。
読了日:08月14日 著者:久世 光彦
ななつのこ 駒子シリーズ (創元推理文庫)ななつのこ 駒子シリーズ (創元推理文庫)感想
再読です。居心地のよい時間を提供してくれる作品。推理小説としても秀逸ですが、全体をとりまとめている世界がもう一つ外側に立ち現れるという複雑な構造を自然に構築されています。
読了日:08月12日 著者:加納 朋子
国境事変 (中公文庫)国境事変 (中公文庫)感想
シリーズの一本なので読んだが、誉田さんにしてはテンポが悪い。もちろんフィクションだろうが警察内部でこんなセクショナリズムがあるのは大変だねぇ。日本も国家だから諜報・防諜活動があるのは当然だろうが、警察との連携が取れないのは具合悪いよねぇ。
読了日:08月12日 著者:誉田 哲也
ジウⅢ 新世界秩序 (中公文庫)ジウⅢ 新世界秩序 (中公文庫)感想
姫川シリーズと比べるとheavy handedな感じは否めない。特に竹内による雨宮の殺害については、何度も言及され、ページ数を割いて「種明かし」がされているが、不自然である。「雨宮がNWO一味」という発言をミヤジにさせてしまったためにそのつじつま合わせに汲々としているという感をまぬかれない。欲を言えばどうせなら総理は死亡する筋書きの方がカタルシスがあったのではないか。
読了日:08月01日 著者:誉田哲也
ジウ〈2〉―警視庁特殊急襲部隊 (中公文庫)ジウ〈2〉―警視庁特殊急襲部隊 (中公文庫)感想
同じ新世界秩序の仲間同士の竹内亮一がなぜ雨宮崇史を殺すのか?
読了日:07月28日 著者:誉田 哲也
ジパング(1) (モーニングコミックス)ジパング(1) (モーニングコミックス)感想
コミックBANGでメダルだけを頼りにちょびちょび読んでついに通読。もちろん面白かったのだが、ないものねだりだろうが、もう少し講和交渉の部分とか戦後の新しい日本の状況とかを読んでみたかった気もする。講和条約後に日本に民主憲法が制定できたとは到底思えないのだが…
読了日:07月23日 著者:かわぐちかいじ
ジウ〈2〉―警視庁特殊急襲部隊 (中公文庫)ジウ〈2〉―警視庁特殊急襲部隊 (中公文庫)
読了日:07月20日 著者:誉田 哲也
ジウ〈1〉―警視庁特殊犯捜査係 (中公文庫)ジウ〈1〉―警視庁特殊犯捜査係 (中公文庫)
読了日:07月20日 著者:誉田 哲也
ノーマンズランドノーマンズランド感想
「北」という大きなテーマを取り上げたのは多とするが、拉致問題が解決しないのは自衛隊がとか憲法がという問題だろうか。ひとえに外交の失敗ではなかろうか。そういう意味であまりストーリーにも結末にも共感できない。いつもの誉田調は十分愉しませてもらったが。
読了日:07月04日 著者:誉田哲也
グラスホッパー (角川文庫)グラスホッパー (角川文庫)感想
よくできたサスペンスだが、ちょっとずつオカルト方面にずれる感じが村上春樹臭がしてあまり好きじゃない。幻影が見えるのは構わないが、科学的説明内に留めておいてほしい。Kindle Unlimitedに唯一読みたい小説があったのがこれだった。それ以外は…
読了日:07月01日 著者:伊坂 幸太郎
よい戦争よい戦争感想
Studs Terkelの労作"The Good War"の全訳。米国留学中に米国人の友人に勧められて原文は読んだが英語力の問題もあって理解できない部分が多かった。改めて翻訳と原文を対照しながら読んだ。最初コンセントレーション・キャンプに送られた日系の話、最後が原爆にまつわる話と戦後世代のおしゃべりという構成から筆者のスタンスはよくわかる。また、WWIIから利益を得た人々もいる。GI特例法の話がよく出てくる。戦争を語るにはわかりにくくても一次証言にあたらなくてはいけないということを如実に示す一冊である。
読了日:06月08日 著者:スタッズ・ターケル
音楽の現場音楽の現場感想
昭和37年発行の本である。副題に「わが犯罪的音楽論」とある。吉田雅夫、大町陽一郎、安川加寿子、園田高弘他、懐かしい名前がならぶが、後々残るような本ではなかろう。文庫にもなっていないようだ。一か所だけ引用しておこう。「近頃はやりの、…サイコロを転がしただけで出来上る音楽などは、たとえそのアイディアがいかに優れていようとも、それをもっともらしく裏づけようとするどれほど面白い理論が展開されようとも、私にはほとんど興味がありません」
読了日:06月03日 著者:芥川也寸志
仲野教授の そろそろ大阪の話をしよう (ちいさいミシマ社)仲野教授の そろそろ大阪の話をしよう (ちいさいミシマ社)感想
東京人三代目としては、これを読んでも大阪のイメージは拡散するばかり…面白いのは間違いないのですが。土地勘がないので大大阪の話はいまひとつよくわかりませんでした。
読了日:05月05日 著者:仲野 徹
新装版 パン屋再襲撃 (文春文庫)新装版 パン屋再襲撃 (文春文庫)感想
再読であるが、村上春樹さんの短編集はどれも文句なく面白い。この本の中では「ねじまき鳥と火曜日の女たち」が長編の始まりと重なっている。この作品だけ少々異色で、他の短編のようにそれなりの完結を見ていないように感じる。そのせいで長編が生まれたのかもしれない。「ねじまき鳥」の女の子は長編では「笠原メイ」で同名の女性がこの短編集の「双子と沈んだ大陸」に出てくる。村上作品は重層的になっているので、いろいろな深読みが可能なのであろう。私としては「パン屋」の爽快な気分を愛するものであるが…
読了日:04月18日 著者:村上 春樹
女のいない男たち (文春文庫 む 5-14)女のいない男たち (文春文庫 む 5-14)感想
村上春樹さんの短編が好きだ、と前にも書いたような気がする。特にオカルト味のないもの。
読了日:04月15日 著者:村上 春樹
希望荘 (文春文庫)希望荘 (文春文庫)感想
もちろん事件は起きるのだが、全体に静かな印象を与える。主人公がそういう性格設定なのもあるが。淡々と語られる人生の真実、そして優良なるエンターテインメント。
読了日:04月06日 著者:宮部 みゆき
フーガ書法: パリ音楽院の方式によるフーガ書法: パリ音楽院の方式による感想
いろいろなタイプのフーガを取り入れたところ、学習フーガの書法の解説は評価できる。しかし、最初の2声フーガ作例からして音楽的に不安である。特に34小節目。53頁からの学習フーガ作例2も力作なのだが、なにか引っかかるものがある。20小節目1拍目四六、3拍目の頭空虚。22小節目対斜。33小節目1拍目の裏の空虚5度。35小節目2拍目。以下、 40、41、42、47、51。57小節目冒頭四六。65、81、 85小節目など、いずれも間違いではないのだろうが、あまり音楽的に響かないと思うのは私だけか。
読了日:04月02日 著者:山口 博史
マスカレード・イブ (集英社文庫)マスカレード・イブ (集英社文庫)感想
「マスカレード・ホテル」の方は映画を見たが、その前日談とでもいえばいいのか。後から書かれたようだが。よくできたエンターテインメントです。
読了日:03月31日 著者:東野 圭吾
あの頃の誰か (光文社文庫)あの頃の誰か (光文社文庫)感想
残り物には福がある、かどうかはわからないが、他の短編集にもれた作品を集めたものだそうだ。残り物だからスタイルもテーマもまちまちだが、さすが東野作品でどれも水準をキープしていると感じる。最初の「シャレードがいっぱい」がバブリーな香りをふんぷんとさせていて、そういう意味で面白かった。
読了日:03月27日 著者:東野 圭吾
ヴェネツィア便りヴェネツィア便り感想
ついつい最後まで(短編集だけど)読んだのだから面白かったといっていいのだろうが、つかみどころがない感じです。そこがいい、ということだろうな。
読了日:03月24日 著者:北村 薫
災厄の町〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)災厄の町〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
推理小説はけっこう好きなのだが、エラリー・クイーンはほとんど読んでいなかった。共作ではあるものの、自分の名前の名探偵が出てくるというのに違和感があったというつまらない理由である。ということで、これからゆっくり読ませていただきます。本作は最高傑作の名に恥じない名品ですね。新訳もいい。
読了日:03月23日 著者:エラリイ・クイーン
ギブミー・チョコレートギブミー・チョコレート感想
著者の飯島さんは1932年生まれだから敗戦時(飯島さんは終戦と書く)13歳。戦中の東京の「少国民」の生活が見事に描かれている貴重な記録である。「自分の声で鳴くことを許されなかった九官鳥は、自分の声を忘れ去ってしまうのです」という一文が胸を刺す。
読了日:03月20日 著者:飯島 敏宏
宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃感想
当然のようにわからない。が、ABC予想の概略を知ることができたという意味では無駄ではなかった。
読了日:03月17日 著者:加藤 文元
ゲーム理論入門の入門 (岩波新書)ゲーム理論入門の入門 (岩波新書)感想
易しくは書いてあるのだろうが、結構難しいのである。特に確率が登場するナッシュ均衡非存在の「選挙戦」のゲームはわからなかった。収穫は囚人のジレンマの「どちらも吐く」がナッシュ均衡になるということがわかったことと、ナッシュ均衡の論文はたった1ページだということ。そこに不動点定理が使われていること。著者も注意を促しているが、ゲーム理論を実際の経営、経済、政治に適用するのは難しい。ひとことでいえば現実はそれほど単純ではないからだろう。
読了日:03月11日 著者:鎌田 雄一郎
「YES」と言わせる日本(小学館新書)「YES」と言わせる日本(小学館新書)感想
お二人の天皇論・靖国論には首肯できないが、まずまず納得のできる話である。石原が「金正恩を暗殺すればいい」とかいうのはエクセントリックだと思うし(やっと落ち着いているところなのに、殺してもどうせ次が出てくる)そういう点では亀井の方が常識的だといえるだろう。トランプについて、中国についての見方は中らずと雖も遠からずではなかろうか。我々庶民にはうかがい知れない世界をご存じのお二人であるが、いかんせんもうお歳ですなぁ…
読了日:03月10日 著者:石原慎太郎,亀井静香
ウルトラセブンが「音楽」を教えてくれたウルトラセブンが「音楽」を教えてくれた感想
そうとうマニアックなシューマンのピアノ協奏曲の演奏者別聴き比べになっている。私はここまでひとつひとつの演奏に執着することはない。確かに演奏によって曲が別の様相を見せることはあるし、明らかに解釈の間違った演奏というもののもあり得るが、名声の確立した演奏家の演奏でそれほどの違和感を感じたことはない、というか、差がわからない。
読了日:03月08日 著者:青山 通
ニッポン硬貨の謎 エラリー・クイーン最後の事件 (創元推理文庫 (Mき3-6))ニッポン硬貨の謎 エラリー・クイーン最後の事件 (創元推理文庫 (Mき3-6))感想
北村薫ファンの期待を裏切らない傑作である。ただ、私はあまりクイーンを知らないので「シャム双子の謎」に関わる考察はさっぱりわからなかったが。犯人は妄想に取りつかれていて独自の発想で殺人を繰り返す。これを読むと、「獄門島」(だったっけ)の俳句のこじつけもありかなと思ってしまう。そういえば、この小説にも読者への挑戦が欠けている。
読了日:03月07日 著者:北村 薫
小説 天気の子 (角川文庫)小説 天気の子 (角川文庫)感想
これが今の若い人のリアルなのでありましょう。映画は観てないので純粋に小説としての感想であります。
読了日:03月04日 著者:新海 誠
オーケストラ解体新書オーケストラ解体新書感想
芸談ってたいてい面白いのだがなぁ。
読了日:03月02日 著者:飯田 政之,松本 良一
ゴクミゴクミ感想
結論から申し上げますと、ひとは見た目が9割。で、金が9割、それに才能が9割、運が9割です。計算が合わない?いや400%も500%も持った人がいるのですよ。
読了日:02月24日 著者:後藤 久美子
中野のお父さんは謎を解くか中野のお父さんは謎を解くか感想
蘊蓄推理とでもいいたい作品群であるが、あまりに蘊蓄にどっぷりになってしまってもつまらない。ここは聞き手の「美希」の日常の軽い話題とのバランスが大事なところだ。鏡花の話などはややくどい気がする。謎解きもそれほど鮮やかではない。きゅうりは私も古い人間だからすぐわかったが、ネクタイに関しては蒙を開かれましたです。「時の娘」は読んだことがあるが、リチャードIII世と言われてもピンとこない西洋史音痴だからあまり面白くはなかった。
読了日:02月23日 著者:北村 薫
双子座ピアニストは二重人格?―音をつづり、言葉を奏でる双子座ピアニストは二重人格?―音をつづり、言葉を奏でる感想
素人にも楽しめる軽い語り口の好著である。面白かった。
読了日:02月20日 著者:青柳 いづみこ
ゴクミ語録 (角川文庫)ゴクミ語録 (角川文庫)感想
中森明夫さんの本に出てきた(文中では「ノクミ語録」になっているが)ので読んでみた。篠山紀信さんのぶれた写真とともに時代がよみがえる。昭和62年、1987年ですか。つい最近のように思うが。頭のイイ子だね。いろいろ名言があるが、一つだけ。地下鉄の中でじろじろ見ているおばさんの髪形について「ベートーベンを女形にして近代的にしたような髪型をしてたな。わりと多い髪型でしょ、ソレ」
読了日:02月18日 著者:後藤 久美子
久保ミツロウと能町みね子がオールナイトニッポンやってみた久保ミツロウと能町みね子がオールナイトニッポンやってみた感想
名言・迷言集が出色。「一戦も錬磨してないわ」とか「非が打ちたかった」とかね(笑)
読了日:02月16日 著者:久保 ミツロウ,能町 みね子
史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち (河出文庫 や 33-2)史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち (河出文庫 や 33-2)感想
入門書として大変優れたものだと思う。なんでもガンダムに喩える話とつぼの中のガチョウの話がツボでした。
読了日:02月06日 著者:飲茶
遠い唇 (角川文庫)遠い唇 (角川文庫)感想
再読なのだが、やっぱり北村先生3150!
読了日:01月29日 著者:北村 薫
青い秋青い秋感想
ほぼ同世代の中森明夫さんのかなり自伝的な小説、というよりこれ実録ですよね(笑)。出版の話になると、強烈なデジャヴュが…小林信彦さんが、ヒッチコックマガジン時代を振り返って書くやや自虐の混じった回顧録トーンに似ている(と私は感じる)のだ。
読了日:01月27日 著者:中森 明夫
女子をこじらせて (幻冬舎文庫)女子をこじらせて (幻冬舎文庫)感想
早世された雨宮まみさんの「赤裸々な」こじらせ本。何かというと「●●する資格は私にはないと思う」という表現が出てくるのだが、これが不思議だ。ブスにもブサイクにも基本的人権はあるのだ。結局、自尊心が何事も邪魔しているような気がするが、違います?
読了日:01月21日 著者:雨宮 まみ
日本人に知ってほしいイスラムのこと(祥伝社新書) (フィフィ)日本人に知ってほしいイスラムのこと(祥伝社新書) (フィフィ)感想
傲慢。これからどんどん人口が増えるムスリムを理解しないと日本は衰退しますよ、とおっしゃっているのだが、余計なお世話である。異文化の理解のためにキリスト教にせよヒンズー教にせよ、ゾロアスター教にせよ、教義の概略を知ることは大変意味があり、その点ではよいご本だと思うが、一方で「郷に入っては郷に従え」という言葉もある(本書でも一回だけ言及されている)。ここのバランスである。日本に帰化されたムスリムが日本国民としての権利を主張されるのは当然であるが、それが他の日本国民の人権を不当に侵すことは許されないはずである。
読了日:01月21日 著者:フィフィ
お家賃ですけどお家賃ですけど感想
まぁよくぞここまで昭和な本を2010年に作ったものですよ。装丁といい写真と良い内容といい。能町さんも遅れて生まれてきてしまった人なのでしょう。昭和なものが大好き。加寿子荘とであったのも運命のように感じられます。

菅義偉首相の「国民皆保険見直し」発言の真意って、日本の健康保険をアメリカの保険会社に解放するという意味以外何が?(反語)

 

入院先もないのに「入院拒否」もないだろうと思うが、入院する先がないのに入院拒否には懲役とかいったら刑務所がコロナ患者で一杯になりますぜ。

 

「感染蔓延で経路調査に意味なし」というのはすなわち「クラスター管理」の事実上の敗北宣言ではないのか。

 

日本の医療態勢が感染症に弱いのはわかった。行動自粛を求めるのもいいが、目の前にいる入院も隔離もできないコロナ患者5000人(東京都)をどうにかしないといけない。受け入れ先の病院を作るなり既存の病院で受けいるようにするなり受け入れ病院に医師・看護師を他の病院から派遣するなりしないと。
まさに小池知事はじめ、首長のリーダーシップの発揮し所でしょう。予算がないというが、国に出させるのもいいが、この緊急事態なんだから東京都債を発行したらどうなんだ。非常な低金利で金はあつまるはず。
 

保健所も人を5倍に増やして一日二回自宅待機の人に体調確認電話をしているというがどう考えても無駄。保健所内で座ってできる仕事では限界がある。おそらく保健所長の権限ではそれくらいのことしかできないのだろうが、その人員がいるなら各民間病院を訪ねあるいてコロナ患者の受け入れおよび医師派遣を依頼して回るべき。しかるべき補償をつけて。

 

民間病院にコロナ対応をインセンティブ付きで割り当てていくしかないでしょう。病床があって医師不足のところへも同様に手すきの医師に来てもらう。その差配を首長が音頭取ってやるんだね。それがリーダーシップというものでしょう。

 

日本は新型コロナウィルス患者を受け入れる病院が少ない。民間病院は4割が赤字、苦しい経営状況で新型コロナウィルス患者の受け入れが難しい。厚労省が打ち出した、一床15百万円のインセンティブがついても、医師がたりない。一方、欧米を見ると、英仏は公的病院が多い、米国では州政府がリーダーシップをとって医療リソースの配分をしている。あれだけの新型コロナウィルス患者を出していながら欧米で医療崩壊には至っていないとすれば、結局、日本の窮状の原因は、つまるところ政府のリーダーシップの欠如か。

 

(メモ)日経新聞2021年1月6日
日本における新型コロナウィルスに関わる病床数と患者数の推移
以下、第一波(5月中旬)第二波(8月中旬)第三波(12月末)それぞれでの数値。
病床数は減っている。36,390床、27,298床、27,624床
内重症者病床は、4,232床   3,644床  3,668床
一方で患者数は増加している。
入院者数 3,423人  6,009人  10,470人
内 重症者 251人   192人   1,017人
月間の死者数  441人  287人  1340人
(考察=記事の要約ではありませんが)
患者数が増えているのにコロナ対応病床が増えないのは、政府が重症者は増えないだろう(若年層は重症化しない)と事態を甘く見たから。民間一般病院はコロナ患者を受け入れると広い病室を安く提供しなければならず、経営を圧迫するのでコロナ患者を多く受け入れることができない。ここに補助金などの対応をしなかったのは失政と言わざるを得ない。
 

「緊急事態宣言」なのに国会を1月18日(2週間後)に開会するのは早めない。特措法が決まるとしても早くて2月。全然「緊急」じゃない。措置の内容も飲食店狙い撃ちだが、今や感染経路不明が6-7割で、飲食店が「急所」なのかどうかは説明されていない。

 

今、株価が上がっているのは、要するに戦時高騰なのだろう。人は死んでも景気がよくなり株価が上がることはある。
 

 

石破茂

http://www.ishiba.com/sousaisen/wp-content/uploads/2020/09/200905_pamphlet-A4

菅義偉

https://www.sugayoshihide.gr.jp/sousaisen/index.html

岸田文雄

https://kishida.gr.jp/sousaisen/

 

石破公約中「・政府が主体的に拉致問題に取り組む体制をつくるため、東京と平壌に連絡所を開設して拉致問題の解決を目指します。」当然だと思うが、なぜ今までこの程度のことすらできなかったのかがむしろ不思議。

 

菅公約(自慢話?)中

 

「総務大臣時代には、官僚に大反対されながらも「ふるさと納税」を立ち上げて、いまでは年間約五千億円まで拡大しました。
官房長官としては、外国人観光客を約四倍の年間三千二百万人、消費額 年間五兆円まで拡大し、農産品の輸出を倍増して九千億円にしました。昨年地方の地価が27年ぶりに上昇に転じました。
鳥獣被害対策と所得向上のため、ジビエの活用を支援しました。今後も最低賃金の全国的な引き上げを行い、農業改革や観光をはじめ頑張る地方を政治主導でサポートします」


ろくでもないことしかやっとらんでわないか(笑)

 

岸田さんの10の約束も非常に総論的・総花的で具体的なことはほとんど言っていないに等しい。「少子化対策」で二つあがっているのが「不妊治療の支援」と「育児休業の拡充」というのも(やらないよりいいけれど)いかにも視野の狭さを感じさせますな。現在の少子化の原因は女性がそれまでの理不尽な扱いについにキレた結果だということがわかっていない。

 

石破さんのPDFに「東京一極集中是正担当大臣(仮称)を設置して地域分散を妨げている要因の徹底的な検証を行い対策を講じます。」とあるけれど、東京にほとんどの省庁が集まっているからに決まってんじゃん。検証するまでもなし。

日本はCovid-19の第二波を招いてしまった。どこで失敗したのか?

Resurgence of covid-19 in Japan
British Medical Journal 2020; 370 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.m3221 (Published 18 August 2020)
Cite this as: BMJ 2020;370:m3221

(試訳)

「日本ではcovid-19の再度の流行が見られ、2か月間で有効再生産数は1を超えています。毎日確認された症例は、8月上旬に2000近くに達しました。

パンデミックが始まって以来、国は5つ以上のcovid-19ケースのクラスターの制御と「3密」での環境伝播の防止に焦点を当ててきました:閉鎖空間、混雑した場所、および密な接触の設定。最初に、クラスターの早期検出とクラスター間の連鎖の調査は、感染の拡大を減らすのに役立ちました。しかし、3月中旬頃に始まった発生の急増を防ぐことはできませんでした。 4月の緊急事態宣言は、パンデミックの軌道を制御するのに役立ちましたが、法的権限がなく、市民の自制心に依存していました。 5月下旬に非常事態が解除されました。

政府による危機への早期対応に失敗すると、パンデミックの全体的な影響が悪化し、人口100万人あたり8.22のcovid-19による死亡が発生しました。これは、西太平洋地域でフィリピンとオーストラリアに次いで3番目に高い割合です。

covid-19の最初の波に対する日本の対応から明らかな教訓が得られました。第一に、日本は検査拡大のための努力が不十分でした。これにより、診断されていない症例の数が増加し、コミュニティ感染と病院感染の両方が増加しました。保健衛生システムの能力は、他の不可欠なサービスから転用されるという形にならざるを得ませんでした。

また、患者の情報を報告するための非効率的な紙ベースのシステムに依存していたため、公衆衛生センターは3月中旬までに機能マヒに陥りました。手動のデータシステムを使用すると、記録が不正確になったり重複したりします。

市民は自発的に3密を回避するように求められましたが、自粛キャンペーンはパンデミックの初期段階では効果がありませんでした。日本の当局は、公衆の支持を奨励するための明確なインセンティブを導入できなかったため、ほとんどの人は行動をすぐに変更しませんでした。これに密接に関連して、政府のコミュニケーション戦略は、緊急事態の間でも不十分でした。 3密を回避するためのメッセージは明確でしたが、物理的な距離を離し、頻繁に手を洗うこと、家にいること、健康システムを保護することの重要性は、人々の行動を変えるほどの説得力がありませんでした。

日本の対応は、パンデミックの政治と科学の間の関係にも影響されました。内閣の諮問機関として設立された専門家委員会は、真に公平な助言を提供するには独立性が不十分でした。委員会には、経済学、行動科学、コミュニケーションなどの重要な分野の代表が不足しており、意思決定プロセスの説明が不十分でした。たとえば、社会的接触を80%削減すべきであるという委員会の勧告は、政府によって後でさらに明確化されずに「最低70%、理想的には80%」に弱められました。

最後に、政府は説明責任を果たさずまた政策の透明性を欠いていました。たとえば、東京2020オリンピックとパラリンピックの延期の決定は、どのようにして決定が下されたかを説明せずに突然行われました。さらに、首相が緊急事態下で導入したのは職場と公共交通機関のハブの封鎖ではなく、自粛にとどまり、結果としてそれぞれ23%と46%しか減少していませんでした。

日本の医療制度は、4月下旬に不十分な人的資源と個人用保護具(PPE)によって崩壊寸前に追いやられました。医療従事者は混乱のせいで非難され、その結果、多くがいじめや嫌がらせを受けました。

政府によるパンデミック対策の詳細な調査は、以前の過ちから学ぶために不可欠です。しかし、政府は6月10に専門委員会を廃止し、精査度と透明性をさらに低下させました。さらに悪いことに、covid-19が7月下旬に急増したにも関わらず、政府は国内観光キャンペーンを開始し、残っている多くの公衆衛生上の問題に取り組むことができずに人々が国中を自由に旅行できるように促しました。PCR検査の数は現在、 1日あたり40,000であり、また病院と隔離施設の両方の能力がこの第二波に対処するには不十分です。テストを拡張する方法についてはほとんど議論されておらず、デジタル化についてはまだ作業が進行中です。

中央で調整された指示および制御と明確なコミュニケーションは、その行動を変えるように国民を説得するために不可欠です。検査能力の拡大、無症状の人々に対する広範囲にわたる検査の実施、効果的な接触追跡、隔離、および検疫は、再生数の変化を監視し、効果的な対応をとるための完全なデジタル化された疫学的調査・研究とともに重要です。最前線の労働者と患者を保護するために不可欠な、PPEの調達をより迅速かつ応答性の高いものにするために、ロジスティクスを強化する必要もあります。

日本政府がクラスター・ベースの対策から上記の原則に基づく対応に移行し、以前の間違いを調査してそこから学び、遺伝子配列決定やビッグデータ分析などの最先端の科学を展開しない限り、日本の医療サービスは再び逼迫し、より多くの生命が今後数ヶ月で不必要に失われることが明らかです。」

Resurgence of covid-19 in Japan
BMJ 2020; 370 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.m3221 (Published 18 August 2020)
Cite this as: BMJ 2020;370:m3221

「前乗り中降りバス理論」を提唱したい。前から乗って車の中ほどに出口のあるワンマンバスの場合、どうしても車の前半分が混みあい、後ろ半分は比較的空いているという事象が起きる。世の中うまくいかないことのかなりの部分がこの「前乗り中降り」効果によるのではないかと思っている。

例えば若い人が選挙に行かないという問題。目の前に困った問題はあるのだが、それを解決する方法がわからない。本来なら政治が悪いのでそこから正さなければならず、自分の頭で考えて望ましき候補に一票投じるのが結局早道であろうが、バスの前の方でぎゅうぎゅうになっている人にはわからない。

世界のあちこちで難民問題が起きていても、とりあえず目の前にそういう人がいなければ、日々はそのようなことは気にせずにすぎてしまう。あるいは過ぎることが可能である。これもバスの後ろの空いているところにいる人には前半分のぎゅうぎゅうに思いがいたらないのと一般である。

この問題を解決するには、全体像の見える運転手なりが「後ろの方の方、詰めてください」としつこく言い続けるしかない。たまには前半分の元気のいい乗客が「うしろ空いてるんだからつめろや!」と大声を上げることもあるだろうし、それも有効な場合もあるのだが。