会社員はすべからく全社の得失を考えるべきだ、と思うのは、おそらく手塚治虫さんの鉄腕アトム、なかんずく「ロボット宇宙艇の巻」を読んで感銘を受けたせいだと思う。
少々語らせていただくと、ロボット宇宙艇というのは、宇宙船のパーツひとつひとつをロボットにして独立行動を可能にし、バラバラに移動して、敵の面前で突如巨大宇宙船を組み立ててしまおうというアイデア一発のストーリーである。
設計はちゃんとできているのだが、どうしても上手く組みあがらず、ブクツギキュのようになってしまうが、アトムが号令をかけると…という展開である。
手塚さんは、細胞のひとつひとつに遺伝子が組み込まれていて、とかそのあたりから発想されたのかもしれないが、末端までそれぞれのパーツが人間そのもの、というのが会社などの人間の組織にもあてはまる話だと思うわけですね。
もうひとつはE・E・スミスの「レンズマン」シリーズですね。ネガスフィアという負のエネルギー爆弾が出てきて、こいつを遠ざけるには、「牽引ビーム」を照射しないといけない。「民主主義的」な銀河パトロールは戦闘員ひとりひとりがそのことを理解していたので、即座に対応できたが、敵の方は単に牽引ビームを照射しろと命令されただけなので、一瞬ひるんだ、これが勝敗を分けたという話で、割と好き。