少しずつ荷物を運び出し


健一の部屋で同居を開始した。



私の提案で、健一のご家族を招待することにした。


ここだけの話


佳苗の義父母を垣間見た時


ウチはどんな人達なのか今一度確認したかった。




当日。


両親と一番下の妹、康代ちゃんだけが来てくれた。



3人とも健太にデレデレだった。


これだけでもう、私の中でいい人達認定。


しかも


私が作った料理を美味しい美味しいと食べてくれた。


それだけならお世辞だと思えたけど


康代ちゃんがモジモジしながらレシピを教えて欲しいと言ってくれた。


もしかしたら彼氏に作ろうと思ったのかな。



両親も嬉しそうに言った。




「若い人が作る料理は斬新で見た目も綺麗だね。」




「お母さんがお料理上手なんだろうね。私も頑張ろう。」




嬉しい。



楽しい時間はあっという間に過ぎた。



私が少し席を外して戻ったら


なんと3人で、先生の写真に手を合わせてくれていた。



それを見て涙が溢れた。




「え?え?どうしたの?樹里さん?」




「こんな私で‥‥いいんですか?」




「何言ってるの!健一はあなたじゃなきゃダメなの。これからも宜しくね!」




「はい。有難うございます。」




うん、


この人達となら大丈夫だ。



私ももっともっと頑張ろう!