家が広くて綺麗だったのは吉永さんのお陰。



身なりが小綺麗だったのも吉永さんのお陰。



体型が維持できてたのも吉永さんのお陰。



そして


林さんが仕事が出来る人だと思って貰えてたのも吉永さんのお陰だった。



ホントはなーんにも出来ない人なんだけど、裏で吉永さんに事細かにアドバイスしてもらっていた。


それを、あたかも自分のアイデアみたいに発表し、今日まできた。


大阪に栄転出来たのも吉永さんあってのことだった。



きっと吉永さんがいなくなったらパッとしない仕事ぶりなのだろう。


斬新なアイデアを出せる人だと思われていたのに、今ではさっぱりのはず。



馬鹿だな、林。


このまま坂道を転がって行く人生だよ。


いい気味だ。



後は荒んだ生活だったのだろう。


同業他社の私の耳にも入ってきた。




女性にだらしなく、身なりはヨレヨレ。


仕事もできない、情けないおじさんに成り下がった。




お気の毒‥‥



なんて



これっぽっちも思ってないよ。