「ここ最近体調悪そうだったけど大丈夫?今からそちらへ向かうけど構わないかな?欲しいものがあれは言って欲しい。」



田中くん‥‥


こんな風に気にかけてくれてるなんて。


申し訳ないな。




「有難う。ではポカリをお願いします。」



「了解。」




しばらくしてインターホンが鳴った。




玄関を開けると田中くんと



なんと



サキちゃんがいた。





「お邪魔しまーす。」




サキちゃんがニコニコしながら入ってきた。



バツの悪そうな顔の田中くん。




「何となく田中さん、沖本さんちに行くんじゃないかなーって思ったから着いてきちゃった。」




「ごめんね、自己管理が出来なくて。」




「気にするな。困った時はお互い様だよ。キッチン借りるね。」




手際良くおかゆを作ってくれた。




「有難う。いただきます。美味しい、温まる。」




健太がぐずり出したら抱っこしてあやしてくれた。



「ミルクの時間?」




「ううん、さっきあげたばかりだから。」




「そっか。」




オムツを変えてもらい、気持ち良くなったらまたスヤスヤと眠った健太。




「田中さん、よくオムツなんか変えられますね。私なら絶対無理だ。気持ち悪い。」




「なら帰れよ。」




「それはダメですよ。あなた達を二人きりなんかできないから。」




「もう帰ってくれていいよ?有難う、助かった。」




「じゃあ田中さん、二人でご飯でも行きましょうか。」




「いや、俺今から出かけなきゃならないから。」




「そうなんだ。なら尚更帰らなきゃね。ホントに有難う。」




「えー田中さん、どこに行くんですかー?」




「彼女とデートだよ。邪魔すんなよ。」




「え?彼女いるんですか?」




「いるよ。じゃ、帰るな。お大事に。」




「有難う。」




‥‥やっぱり彼女いるんだ。


ごめんね、彼女さん。




もうこれ以上、彼氏に迷惑かけないから安心してね。