いきなりお店に行って大丈夫かな。
店内を外から見つめる私。
あ、あの子だ。目が合った。
「樹里さん?」
え?なんで分かったの???
「どうぞ入って下さい。今、私だけなんで。」
「はい。」
「いつかお見えになると思ってましたから。」
「その‥‥大丈夫ですか?」
「え?あ、大丈夫ですよ。もう普通の生活に戻っていますから。」
‥‥そうなんだ。メンタル強っ!
「樹里さんの方こそ大丈夫ですか?河野さんがあんなことになってしまって。なんてお詫びしたらいいか。」
「別にあなたが謝ることでは無いですよ。先生‥‥河野さんは最期にあなたといられて幸せだったんじゃないですか?」
「それは‥‥どうなんでしょうね。河野さんはいつも樹里さんのことを思ってましたから。」
「え?そうなんですか?」
「私っていったい何なんだろうと常に思ってました。河野さんが喜ぶことをしたら振り向いてもらえるのかなと思って色々頑張ったつもりなんですが、あなたには敵いませんでした。」
「そんなこと。じゃあ、彼は何故出て行ったんですか?あなたを選んだのでしょう?」
「あー、何から話せばいいのかな。では、少し長くなりますが、私達の出会いからお話しても良いですか?」
「はい。」
聞きたいような‥‥
そうでないような‥‥
でも、やっぱり知りたい。