こんばんは、むーんです。

気がつけば激動の2022年(当社比)も残りわずかになりました。

皆さんは新年を迎える準備はもうお済みですか?

私はクリスマス前から体調を崩し、例の感染症検査では陰性になったものの念のため症状が緩和するまでは自宅に籠もり大人しくダウンしていました。

ですので、年末年始の支度は全くやっていません!!(言い訳)

 

おかげさまで体調はほぼ回復したので、のんびり年始を迎えたいと思います。

そんなわけでこんな気分屋の私ではございますが、皆様には今年も色々お世話になりました。

来年もゆるゆるとよろしくお願いいたします!

さて、今年の締めくくりはアリオン特集の第4弾で締めくくりたいと思います!

アリオン イメージアルバム




 

レーベル:徳間ジャパン
品番:32ATC-105
発売日:85/10/25

曲目:
1:前奏曲(プレリュード)
2:風・荒野(メイン・テーマ)
3:セネカ
4:海の軍団
5:運命の糸
6:魔宮
7:レスフィーナ
8:輝く大地~土と祭り~
9:輝く大地~オリンポスへ~
10:風・荒野(エンディング・テーマ)


オススメ度:★★★★☆
マニアック度:★★★★☆
難易度(ききやすさ):難★★★☆☆易


アリオンのイメージアルバム。ジブリシリーズではおなじみのイメージアルバムですが、本来の役割としてはデモテープ。

ジブリの場合は監督・宮崎駿に聴かせるためだけに作成された音源という事でサウンドラックとは異なったイメージの曲が多く、特に初期の頃ではその乖離が目立ちました。

よって「映画の音楽を聴きたい」ということであればサントラなどをオススメするのですが、映画のテーマ性などを久石さんがイメージし、時間や映像に縛られない形で表現したという意味で私はイメージアルバムも好きです。

このアルバムもサントラの曲とは異なったアレンジになっている曲も多くあり違和感を抱く方もいるかと思いますが、曲としての完成度は非常に高く、このアルバムだけを聴けば久石さんの表現する「アリオン」という世界を堪能することができます。

曲調としてはこの時期の久石さんの特徴であるシンセサイザーの音を多用した形になるのでオーケストラをイメージする方は少し違和感があるかもしれません。ですが、それを補って余りある曲のすばらしさがあると思います。オーケストラの迫力を満喫したいなら交響組曲、本来のアリオンの形を味わいたいならイメージアルバムといった感じでしょうか。また当時流行っていた?極端に前後左右に音を振る手法が幾つかの曲に現れるのでイヤホンやステレオの効いたスピーカーで聴くと立体感のある動きも楽しめます。

 

私が特に気に入っているのは
4:海の軍団

です。久石さんお得意のミニマルテイストのリズムにのせて不協和音が繰り返されたり、合成音声による機械的な音でメロディやリズムが演奏されたりと最近のオーケストラ主体の久石さんを聞き慣れている人にとっては疑問が残るかもしれませんが、ノリのよいテンポ感がなかなかどうして面白いです。イメージとしては「INFORMATION」や「PRETENDER」などに近いイメージでしょうか。

初めて聴くときの注意ですが、この曲の最初でスピーカーやパソコンが壊れたかのような「ブ・ブツッ・ジ・ジジッ…」というような機械音が数秒間流れますが、スピーカーや音楽プレーヤー(PC)は壊れていないのでそのまま続けて聴いて下さいね(笑)

 

また、アリオンと言えばこの曲である

7:レスフィーナ

では、サントラでは聴くことのできなかったピアノ主体によるおなじみのメロディを聴くことができます。また、後半がピアノストーリーズなどに代表される後の「レスフィーナ」と異なっていて(というかこちらがオリジナルですけど)、ムーディなジャズバラードという感じのアレンジになっています。ウィスキーグラスを傾けながら聴くにはちょうど良い感じです。このアレンジが聴けるのもこのアルバムだけなので「レスフィーナ」が好きな方はこのアレンジを聴くだけでもこのアルバムを手に取る価値はあるかもしれませんね。

 

 

そしてなんと言っても感心するのは全体の曲構成。

これから始まる壮大な物語を不気味に表現する「前奏曲」。

風・荒野と命名された、荒涼とした雰囲気を醸し出す「メインテーマ」と「エンディングテーマ」。

印象的なメロディが心に残る、中間部のサブメインテーマである「レスフィーナ」。

アルバム自体が1つの物語を構成するかのように作られています。

このような曲構成の仕方は初期の久石さんのアルバムの特徴ですよね。

代表作「MY LOST CITY」でも、前奏曲である「Prologue」で静かにアルバムが始まり、メインテーマである「My Lost City」が最初と最後に現れる。

曲だけで無く、アルバム全体構成を通してもその「意味」を深く考える。

久石さんの音楽に対するこだわりがこのアルバムからも読み取れます。

 

 

初期の名作「アリオン」の原点が楽しめるアルバム。
よろしければ皆さんもぜひ一度お聞きになってみてください。
久石さんって本当にすばらしいですね。
では。みなさん、よいお年をお迎えください!

 

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