こんにちは、咳がなかなか止まらないむーんです。

 

さて、連続でお送りしているアリオン特集ですが、アリオンと言えばギリシャ神話。その世界は複雑で奥深く、劇中の設定に酷似している部分もあれば、オリジナルの設定もあります。

そこで今回は天文好きでご多分に漏れずギリシャ神話もソコソコ囓ったむーんがギリシャ神話の世界について解説しようと思います。

あくまで劇中の設定ではなく、ギリシャ神話に基づくお話をしようと思いますので劇中との違いも楽しんで頂ければと思います。

 

 

ティタン神族とオリンポス神族…ザックリ言うとクロノスの世代の神々はティタン神族。ティタン神族を滅ぼし、その後継として繁栄したゼウスとその一族はオリンポス神族。ギリシャ神話は主にオリンポス神族繁栄のお話。ティタンは強い・大きいなどの意により金属チタンやタイタニック(TITANIC)の語源となっている。

 

ゼウス…オリンポス神族の最高神。天空を司る。雷霆を武器にし、世界をも滅ぼす力を持つ絶対的な存在。英語名はジュピター。木星の名にもなっている。

 

ポセイドン…ゼウスの兄。7つの海を支配する。その武器は三叉の鉾「トリアイナ」。その鉾を突くことで大波や嵐を引き起こし、大地震をも起こすことができる。英語名ネプチューン。海王星の名。

 

ハデス…ゼウス、ポセイドンの長兄。冥界タルタロスを支配する。古代ギリシャ人はハデスの名を呼ぶことすら恐れ、プルトン(富めるものの意)と呼んだ。英語名プルート。冥王星の名。父親クロノスの腹の中から救出された際、最後に出てきた(飲み込まれた逆順のため)ため、3兄弟の中で一番地位が低くなった。ディズニーのプルートの名は冥王星の発見年(1930)に誕生したことにちなんでいる。

 

クロノス…ティタン神族の長。ゼウスたちの父。英語名サタン。土星の名。父であるウラヌスを殺し、世界を支配する最高神として君臨した。預言者に「お前がかつてしたように、お前も息子達に殺されるであろう」と言われ恐れたクロノスはハデスたちが産まれると自ら飲み込んだ。ゼウスが産まれたとき母レアは石とすり替え、クロノスは気付かずに石を飲み込む。やがて成長したゼウスはクロノスの腹の中から兄たちを救いだしタルタロスの怪物たちと共にクロノスを倒す。劇中の世界はこの内容と酷似しているが、ウィキによると違うらしい。

 

ガイア…クロノスの母。大地を表す。

 

 

 

ペルセポネ…レスフィーナのモデル。デメテルの娘。ハデスに見初められ冥界に攫われ、妻となる。ウィキによるとレスフィーナのモデルはアリオンの双子の兄弟、デスポイナであるとの事だがデスポイナはペルセポネと同一視されている。

 

デメテル…豊穣の神。ゼウスの姉。ペルセポネの母。娘デメテルがハデスに攫われた際、嘆き悲しみ仕事を放棄し娘を探し回ったため、地上が荒れ果て作物が実らなくなる。困り果てたゼウスがペルセポネを返すようハデスに命じるがザクロの実を食べてしまったペルセポネは契約により冥界を離れる事が出来なくなった。デメテルの悲しみとともに益々荒れ果てる地上を見て、ゼウスは1年の2/3をデメテルの元で、1/3を冥界で過ごすよう案を出した。それ以来ペルセポネが冥界に行く期間、デメテルの悲しみと共に木々が枯れ、冬が来るようになった(四季の始まり)。おとめ座はデメテルの姿を表したものであり、その1等星スピカはデメテルの持つ稲穂を表す。

 

アリオン…ポセイドンとデメテルの子。ペルセポネを探し回った際にポセイドンに見初められ言い寄られたデメテルは馬に身を変えた逃げた。ポセイドンも馬に身を変え追いかけデメテルと交わった。その際に馬の姿で産まれたのがアリオンである。

 

 

 

アテネ…ゼウスの子。知恵と勝利の女神。アレスに比べて理性があり軍神と言えども守護神のイメージ。ギリシャの首都アテネの語源。

 

アレス…ゼウスの子。軍神。暴力と破壊の象徴。英語名マルス。火星の名。アテナに比べて良い話が余りない。さそり座の1等星アンタレスは火星とその赤さを競うように輝くためアンチアレス→アンタレスとなった。

 

アポロン…ゼウスの子。太陽神。芸術と予言の神。恋愛の話が多いが悲劇も多い。愛の神エロス(英語名キューピッド)のイタズラにより「恋い焦がれる」矢を打たれたアポロンと、「恋が去る」矢を打たれたダプネは永遠に追いかけ逃げる関係にあった。疲れ果てたダプネはアポロンに捕まる瞬間、月桂樹に身を変えた。悲しんだアポロンは「せめて自分の聖樹になってほしい」と月桂樹を冠にして身につけた(月桂冠)。

 

 

プロメテウス…ティタン神族でありながらティタンとオリンポスの戦いではオリンポスに味方した。その後は人類に味方しゼウスから火を盗み出し人間に与えた。怒ったゼウスによりプロメテウスは磔にされ毎日ワシに肝臓をついばまれるという刑に処せられた。刑期は三万年だったが、途中でヘラクレスにより助け出される。

 

パンドラ…人類最初の女性。プロメテウスの一件で怒ったゼウスが人類に災いをもたらすため遣わした。絶対に開けてはならないという箱(壺)を誘惑に負けて開けてしまい、中からありとあらゆる災厄が世の中に散らばった。そのため人類は災厄に苦しむ事になった。箱の中には希望だけが残った。

 

テュポーン…ギリシャ神話最大最強の怪物。その頭は天に届くほど大きく、左右の腕を伸ばせば西と東の端に届くという。ゼウスと戦い敗れタルタロスに押し込められた。

 

セネカ…ローマ帝国時代の哲人。ギリシャ神話の登場人物ではない。

 

 

 

*画像はイメージ、サントラ、交響組曲、ハイティック、の各アルバムのライナーノーツより拝借。

*2022/12/27現在、AmazonPrimeVideoにて配信中。

 

 

如何でしたか?皆さんの知っている名前やお話も出てきたのでは無いでしょうか。

劇中との違いや共通点を楽しむもよし、これをきっかけに星を眺めるもよし。

皆さんの、星とギリシャ神話に対する興味を引き出すお手伝いが少しでもできたなら幸いです。

いやぁ、映画って本当に良いものですよね。

では。