営団08系入線~Sマークを掲げる最後の「0」~ | みなかん~南千住車両管区~

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鉄道模型を中心に、ゆる~くのんびり・まったり語るブログ。
取り扱う車両は、営団地下鉄と乗り入れ先の関東私鉄たちが主成分です。

 

こんばんは、ななせです♪

 

今回紹介するのは私の(準)地元路線に乗り入れる地下鉄についてですが

世代が一気に進んでいるため当区の毛色に合わないイマドキの車両になります。

 

 

 

新たに仲間入りしたのは、マイクロエース製

「営団 半蔵門線 08系」です。

*当区9例目のVVVF車

*当区2例目の「21世紀製の車両」

 

「懐かしの車両も(ry」を謳い文句にしている当区がこんな車両を入線してしまっているので

驚いた方も多くいるかもしれません。

 

初めて見たのは幼少期からよく電車を眺めていた鐘ヶ淵駅前の踏切で、Sマークの付いた

「08系」という聞いたことも無い新型車両は下町の風景に対してミスマッチに映っていました。

 

さらに、当時は水天宮前~押上開業と東武乗り入れというのも知らなかったので、

区間準急なのに鐘ヶ淵を通過したり、そもそもどこから東武線に入ってくるのかと疑問は尽きず夜も眠れませんでした

上手いこと言ったつもりか

 

 

そんな経緯もあって、イマドキの車両ながら当時の私にとって沢山の「?」が浮かんだ車両という事で

この度は入線と相成りました。

単に私が情弱なだけなのですけどね

 

 

 

箱の中身です。

かの有名な「白ウレタン」の製品は、千代田線(本線)の5000系以来になります。

 

定価より安く手に入れる事は出来たものの、お財布に大打撃なのは変わりないので

今後の入線計画にも大きく影響してしまいます…

 

編成はトップナンバーの08-101編成(第51編成)で、車両番号は下記の通りです。

*◆は増結セット

 

←押上・南栗橋

 

(CT1)  08-101

(M1)  08-201

(M2)  08-301

(T)   08-401

(Mc1)  08-501

(Tc)   08-601

(T')   08-701

(M1)   08-801

(M2)   08-901

(CT2)  08-001

 

→渋谷・中央林間

 

 

 

営団08系は、2003年3月に半蔵門線の水天宮前駅~押上駅間の開業及び東武伊勢崎・日光線との乗り入れによる

運転本数の増備を目的に、開業に先立ち2003年1月より運転を開始しました。

*製造自体は2002年11月から

 

全6編成が日本車輌で製造され、日車製は有楽町線07系第106編成(1994年10月)以来となり

営団地下鉄が命名した最後の新形式車両になります。

*03系第02編成の事故代替車(2001年)も日車製ですが、ここでは割愛

 

 

1983年に登場した銀座線01系から始まった「0シリーズ」の集大成ともいえる車両で、

新機軸を盛り込みながらも他形式との標準化や機器類の信頼性向上を図りました。

 

1999年から前面デザインの変わった東西線05系8次車(第25編成~;以下05N系)をベースにしながらも

8000系を意識した縦曲線や均等に揃えられた側面窓配置など細部に変更が加えられています。

 

 

運用は8000系と共通で、中央林間~(半蔵門線)~南栗橋の98.5キロの運転区間は営団地下鉄最長であり、

1都3県にまたがる取手~(千代田線)~本厚木の93.5キロ(2003年現在設定なし)を更新しました。

*東京の地下鉄で見れば、某まぐろの港町~空の玄関口(本線経由)を結ぶ「あの路線」が141キロです

 

 

 

では、前面から見ていきます。

 

前面帯については、写真右のようにT〇MIXをリスペクトした残念塗装になっており、

どうやら全ての個体がはみ出ているみたいです。

 

 

そこで水性シンナーを染み込ませ、竹串で大まかに剥がしてから

細かな部分はまさかのケガキ針でそっと撫でるように慎重に掻き出しました。

 

もちろんケガキ針はそういった使い方をするのもではありませんから、

力加減を間違えれば車体が傷付くリスクを伴うため非推奨です。

スーパー自己責任でお願いします

 

また、帯下の窪みの部分には黒色を差すとより実感的になりますが、

理屈はわかっても綺麗に色差しするスキルがないので目を瞑ってしまいました…

 

 

06・07系から前面にはスカートが取り付けられており、08系は縦曲線を強調したデザインに加えて

スカートが厳つく、面長な印象です。

 

 

 

前面を斜めから見てみます。
 
パッと見では05N系を意識しつつも前面の曲線形状が異なり、
球形というよりは「くの字型」になっていて8000系や他の0シリーズの流れを汲んでいます。

当区の本業の一つに営団地下鉄があるものの、0シリーズは「花の88年組(?)」が
メインなので、乗務員室扉横の団章は新鮮ですね。

*丸ノ内線02系・日比谷線03系・東西線05系
 
この位置に団章が付くのは他に05N系や南北線9000系4次車などが挙げられる事から、
恐らく99年製の車両から付くようになったのだと思います。
 
またSマークではないものの、06系には「EIDAN」と「TRTA」のロゴが
それぞれのエンドに付いてましたが、早々に撤去してしまいましたね…
*たとえば、『営団地下鉄車両写真集』 p. 174/175
*TRTA:Teito Rapid Transit Authority;帝都高速度交通営団
 
 
 
台車です。
日車製のND730/ND730Tを使用しています。
 
営団の車両と言えば、長らく住友製の台車なのでFSかSS台車を使用しているのに対して
08系は製造メーカーである日車製のND台車を採用したのが特徴です。
*05N系11次車以降(第34編成~)が履く住友製SS161/SS061と同一設計
 
日車製の台車は銀座線の1000形(1001-1010;NSK-D18)以来、
75年振りの「本格採用」となります。
*02・05系の第07編成(一部)が比較用に使用してます
 

従来の0シリーズ同様にボルスタレス台車を使用している一方で、03系の脱線事故を考慮して
曲線走行性能の向上を主眼において設計されました。
 
マイクロ製の私鉄台車は基本的に造形とスケールは出来が良く、
その中でも08系の台車は結構良い部類に入るのではないでしょうか?
 
 
 
側面のSマークです。
初期の0シリーズと比べると、08系と05N系11次車以降は団章のサイズが大きめです。
 
03系を購入した時はちょっぴり不自然に思えたSマークの大きさも、こうして08系と並べると
あながち不自然でもないのかなと思えてきます。
 
 
 
冷房装置です。
東芝製RPU15003を使用しており、従来の48.9kWから58.0kWへと冷房能力が上がっています。
 
クーラーの両端に車外スピーカーを設置していて、0シリーズと言えばスピーカーキセが
丸みを帯びているのに対して、この世代の車両からは角ばった外観が主流になります。
 
 
 
 
パンタグラフを2つ装備するM1車。
第2エンド側に引き通し線を持ち、渋谷方にヒューズ箱を設置しています。
 
パンタグラフはシングルアーム式を使用しており、営団では08系が初めて
Sアーム式を採用しました。
*当区4例目のSアーム車
 
また、06系登場辺りから無くなっていた妻面窓は08系から再び復活することになり、
さらに屋根へのぼるためのステップが梯子式になっています。
 
 
 
M1車の床下機器です。
写真上が第1エンド、下が第2エンド側になります。
 
06/07系世代では1モーター当たり200kW前後で4M6T編成だったのを
乗り入れ先での高速運転に対応して08系からは165kWでMT比を5M5Tに変更しました。
 
 
制御装置は三菱製のMAP-178-15V108で、M1車は隣り合うM2車の制御装置も搭載した
1C4M2群制御になっています。
 
M車2両で1ユニットを形成する1C8M1群制御とは違い、片方のM車が故障した時も
ユニットカットする必要が無く、M車1両で走行可能なのが利点の一つです。
 
 
 
 
編成の中間に位置するMc1車。
パンタグラフを1つ装備し、可搬式の簡易運転台を持ちます。
 
こちらの車両はM車1両で完結している1C4M1群制御であり、
制御装置の他にCPを装備しています。
*Mc1の制御装置はMAP-174-15V109
 
(模型的な意味で)動力ユニットのある車両で、特に第1エンド側(上写真手前)の
床下機器の造形が微妙です…
 
 
 
ちなみにパンタグラフですが、デフォルトの状態だとこんなにも歪んでいます。
 
「どうしてこうなった」と言いたくなる歪みっぷりで、単にパーツが歪んでいるというだけでなく
どうやら構造上の欠陥もあるようです。
 
流石にこれはいただけないので、どうにかしたいですね…
 
 
 
こちらはパンタグラフを装備しないM2車。
 
制御装置は先述のとおりM1車に設置しており、M2車ではCPと
電源装置であるSIVを搭載しています。
 
大容量の冷房装置を使用しているため、排熱量を抑える目的から
冷房の使用状況をSIVが監視できるようになっています。
 
また、M2車には車端部に車いすスペースがあります。
 
 
 
 
付随車であるT/T'/Tc車です。
床下機器に関しては全車共通になっています。
 
T車の中でも4号車には営団用の誘導無線アンテナがモールドで再現されています。
 
もともとマイクロの営団車はIRアンテナをパーツにしていたのですが、
何故か08系ではモールドに加えディテールも雑になっています。
 
 
 
最後にステッカーの話。
 
基本的に東急~営団内で表示するラインナップであり、水天宮前行きといったピンポイントな行先がある一方で
東武線内で使えるものが全くありません。
 
 
上から2段目が何となくそれっぽいものの、この種別は区間準急ではなくただの準急です。
 
もちろん東武での準急は赤色ですし、そもそも半蔵門線乗り入れ車に
準急の運用は存在しません。
 
さらに一番上の久喜行きといった臨時列車ですら設定のない行先まで入っており
東武サイドの人間から見ると「??」なものばかりです。
 

…なんてことを本人はいたって大まじめに話していますが、
今回ばかりはそれほど間違ったことは言ってないと思いますよ?
 
ちなみに私は東武が本業と公言していても、鋼製車体以外の形式と
2006年3月のダイヤ改正以降の東武にはあまり関心がありません。
 
 
 
そこで、東武線内でも使える行先ステッカーを自作することにしました。
 
ちょうど学生時代の部活の後輩くんの一人にLED表示を再現している人がいるので、
彼の作った画像データを譲っていただきました。
 
その画像データを基に、お絵かきソフトでリサイズ・レタッチをして
ラベルシール用紙に印刷するといったオーソドックスな方法です。
 

さすが再現を専門にしているだけあってクオリティは高いですが、
やはり印刷後のサイズが小さ過ぎるためリサイズすると画質が劣化してしまいます。
 
そこで完全に直すのではなく、色が薄くなっている部分に「スポイト」で取得した色を
「べた塗りペン」で加筆していきます。
 
 
 
加筆した部分を視覚化しました。
 
明朝体ならではの横線やはらいの部分と英字ルビが薄くなっているため、
そこを重点的に加筆していきます。
 
元データのようにくっきりさせることも考えたのですが、印刷すると黒い背景とは相性が悪いみたいで
結局は黒潰れしてしまうため今回はこのような手法を取りました。
 
 
 
リサイズと加筆が終わったら、はがきサイズのキャンバスを新規に作成し
そこに画像を必要なだけ量産していきます。
クジラの手も借りたくなります
 
ちなみに画像のキャンバスサイズは以下のとおりです。
*解像度は1200dpi
 
行先:5.75×1.75ミリ
側面:3.25×1.25ミリ
列番:2.75×2.25ミリ *文字は2.0×0.85ミリ
 
このサイズはあくまでも模型用であり、縦横比は実車と違うため
余白は黒で塗りつぶすなどの方法で調整しました。
 
 
 
印刷が完了しました。
やはりおうちプリントの限界なのか、このままでは黒潰れ感が否めません…
 
全てを網羅することは出来ませんでしたが、気になるものをピックアップしました
*列番はNo.11-37/38ダイヤ(2003.03.19改正)などを参考
 
区間準急  東武動物公園 63S 67S 75S ほか多数
区間準急 鷺沼  77S 81S
区間準急 押上  63S(平日) 65S(土休)
通勤準急 南栗橋 61S 63S 73S 85S 91S
通勤準急 東武動物公園 75S
試運転 77S 83S 96S 25T 51T

*営団運用の通勤準急は夕方~夜時間帯(下り)のみ、
上り(朝時間帯)は全て東武運用
 
これもこれで無難なもの…と思いきや、結構ピンポイントなチョイスだなと
改めて見るとそう感じます。
 
ちなみに試運転については、押上開業前の水天宮前~押上/東武線内での
試運転を指し、入場/出場系ではありません。
 
 
 
 
車体に貼り付けて点灯してみました。
この時点で列番サイズ修正前なので、文字が少し大きめになっています。
 
印刷後の状態では黒潰れしているように見えても、いざ点灯してみると
意外と文字が読める…といった印象です。
 
 
ステッカーを貼り付ける際に、ステッカーの厚みなのか粘着力の弱さなのか取り付け時にズレやすいため
ガラスパーツにある導光プリズム押さえの突起を切り落としました。
 
 
 
文字数が多い東武動物公園行きも試してみました。
 
多少の粗さは残るものの、意外と隣に並べた南栗橋行きよりも
文字が読みやすいのではと思います。
 
 
 
色んな行先があって悩んだ挙句、最終的に91S通準南栗橋行きに決定しました。
*列番サイズ修正済み
 
運用自体は区間準急と比べるとメジャー度が低いものの、営団車の優等列車で
赤地に黒抜き文字の種別は珍しいというのが決め手でした。
 
 
 
そして、側面については黒潰れしてしまって
あまりいい結果にはなりませんでした。
 
とは言え通勤準急は夕方~夜の運用ですから、室内灯を入れたら改善するのかな…と。
 
 
とまあこんな感じで若干締まらない感もありますが、自作ステッカーの話でした。
 
私の急なオファーにもかかわらず快諾してくださった後輩くんには、
この場を借りてお礼申し上げます。
 
 

という事で、以上がマイクロ製営団半蔵門線08系のレビューでした。
 
当区の車両として紹介するには少々似つかわしくない世代の車両でしたが、
一時期は何かと見たり乗ったりする機会があった事もあり、思い切って入線した次第です。
 
地下鉄車両を入線すると他の乗り入れ車両についても考えなければならず、
東急8500系なら東武乗り入れ当初はスカート無しの編成もいたので、検討してみようと思います。
 
それでは今回はこの辺で。
ご観覧ありがとうございました♪