決戦のあと、母には新たに2人の敵が現れました。

ひとりは長男、もうひとりは孫娘であり、妹の娘であるナツです。

 

先にナツの話を、少し書きたいと思います。

 

最初に「敵」と書いたものの、ナツについては、正確には「被害者」と言うほうが正しいのかもしれません。

以前にも触れた通り、弟に2人、妹に2人、それぞれ子どもがいます。

弟の子どもたちは、父と母と同じ敷地内に住んではいたものの、今回の件については(弟は話に加わっていなかったため)何も知りませんでした。

 

ある日突然大好きなおばあちゃんがいなくなった。

なぜか、別のアパートでひとり暮らしをするようになった。

青天の霹靂状態だったはずです。

 

一方で、妹の子どもたちはといえば、私たちが集まって話をするたびにそこにいました。

下の子はまだ0歳で何もわかりません。

でも、ナツはもう5歳。

彼女はなんとなく“嫌な空気”を察しながら、これまで何も言わず何も聞こえないふりをしてきたのです。

 

たぶん、彼女自身、パニックだったと思います。

母が妹の家に避難した翌日、泣き続けるおばあちゃんを見て、ついに爆発しました。

 

ナツ「ねえ、おばあちゃんいつまで泣いてるの? もうおうちに帰って! みんなでおじいちゃんいじめてかわいそう!

 

あとでこの話を聞いた時、ハッとしました。

その頃の私たちの会話には、いつも父が「敵」として登場していました。

「クソジジイ」だの「嫌な女(優子のこと)」だの「裏切り者」だの、5歳児の前で堂々と言ってはダメなワードを、それこそ「本気」で口にしまくっていました。

 

妹は慌てて、「おばあちゃんをいじめてるのはおじいちゃんのほうなんだよ」と説明したようですが、理解できるはずもなく。

ナツは「おじいちゃんがかわいそうだ」と言って泣き始めたそうです。

 

本当にごめん。

「不倫」なんてわかんないのに。

寄ってたかって悪口言ってるようにしか見えなかったよね。

 

おそらく、母も胸が痛んだはずです。

ただ、この時ばかりは母も母で、それどころではなかった。

妹に申し訳なさそうに、「ナツにいろいろ言われるのがつらい」とメールをしてきました。

 

本当なら、子供のいない私たちの家に連れてきてあげられるのが一番よかったのでしょうが、いろんなことが一気に起きて、何も間に合いませんでした。

この時、母は本当に、どこにも所在ないような、苦しい気持ちでいたのかもしれません。

 

それからしばらくして、ナツと散歩をしながら話をしていた時のことです。

 

私「ナツは、保育園で誰と仲良しなの?」

ナツ「ユズちゃん。でもね、ユズちゃん、最近意地悪するの。嫌な女っ!」

 

滝汗滝汗滝汗滝汗滝汗滝汗

 

子どもをあなどってはダメですね、、、。

特に女の子はすごい。

本当に、反省しました。