クソジジイ
「優子
おはようございます(土下座絵文字、否、もはや礼拝絵文字)
躰に痛いところは、ないですか?(まんは…平気? 尻の穴は?
仕事、頑張って
エロ可愛い優子
愛してる」
ダダ
「浩一郎(やっぱり花嫁絵文字)
おはよう
どこも痛くないです♫
あそこがウズウズしてます」
エロ可愛いダダからセックス宣言があった翌々日の朝、2人はこんなやり取りで盛り上がっていました。
その前の日は、朝9時前には仕事に出かけたというクソジジイ。
夜、クソジジイの帰宅後に母が財布の中身をチェックしたところ、職場とは真逆の方向にあるスーパーで午前10時からノンアルコールビールとチュウハイを数本買ったレシートが出てきていました。
母「朝からだったわ」
私「真っ黒ですやん」
妹「朝から仕事って嘘ついてラブホかよ…」
クソジジイは車で出て行ったため、もちろん飲めません。
ガガが飲む分のお酒と自分にはノンアルコールビールを買って、ホテルでフリータイムを過ごしたようでした。
で、やり取りはこう続いていました。
ダダ
「浩一郎(謎の花嫁絵文字)
すごく眠いです。
浩一郎に抱かれて寝たいです(こちらとしてはそのまま目覚めないでほしいです)。」
クソジジイ
「ごめんなさいね
毎日抱いてあげられなくて(礼拝絵文字)
早く二人きりに、なれますように」
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妹「2人きりになんてなれるわけないじゃんね。おばあちゃんも同伴ですよ」
私「間違いない。そもそも優子も両親生きてるでしょ。なに勘違いしてんだろうね。母、ねえ、もういいでしょ。こりゃあ完全な有罪判決ですよ」
妹「ここまでやられてまだ優子が悪いと思うわけ? 完全にクソジジイがクソだよ」
私「離婚だな」
妹「離婚ですね」
母「……」
人は、これだけは!と信じたものに裏切られた時、どん底にまで落とされないとその目隠しをとることができないのかもしれません。
私たちからしたら、もう十分見たくないもの見たし、写真はなくてもリアルタイムで不貞行為があった証拠を確保した。
これだけあれば、すでに勝てるだけの武器は手に入れていました。
でも母は、金縛りにでもあったかのように、こういうメールを見つけた時、証拠写真は送ってくるけど、私たちの会話には入ってこない。
ただただ既読マークがつくのみです。
返す言葉もないほど傷ついているのか、考えないよう思考が停止してしまっているのか…どちらにしても、もうこれ以上クソジジイの携帯を見続けるのは、危険だろうなと感じはじめていました。
私「今何も考えられないのなら、話をしたら一旦別居して、それから考えるのでもいいと思うよ。選択肢として私は微妙な気がするけど、卒婚みたいなのも最近はあるみたいだし」
「気分転換してから考えたほうがいいかも」と誘導し、私たちはなんとか家探しをスタートさせました。
ただ、この時もうちょっと強く「もう携帯は見なくていい」と言うべきだったのかもしれないと、今になって思います。
結局母も、どん底に落とされるまで目隠しを外すことができませんでした。
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