朝早く出発して、こちらに来てくれた親戚。
面会可能な時間より早く着いたために、
待合可能な場所で、出迎えた。
この日、伯母夫婦も来て、
大勢で久々に集まった。
私や母は、父方の親戚とは
ずっと会えてなかったので、
数年ぶりに会うのは、少々緊張してた。
いったん話しだすと、ずっと懐かしい話題がでたり、
近況を話したりと、会話が途切れることはなかった。
面会時間になり、まず私と母で病室へ向かった。
偶然にも、その時は個室だったため、
周囲に気を配ることが必要なかったのは、
今思えば幸いだった。
「実は、親戚がみんなでお見舞いに来ている」
それを聞いた父は、不機嫌になりむくれた。
文句ばかり言い、仕舞いには会わないと言いだした。
何とかなだめて、親戚を病室へ迎える。
色々話しかけてくれたが、
父は終始ご機嫌斜め。
母や私が知らない話もたくさんあり、
良い時間だと思ったが、
父にとっては違った。
弱ってる自分を見られたくない気持ちからか、
話の腰を折ることばかり。
「また来るから・・」
の言葉に、
「次来るときは、棺桶の中にいる」
と憎まれ口を叩いていた。
父が好きな故郷のお土産を
たくさん持ってきてくれたが、
口の中が荒れ、味覚に敏感だった父は、
好物のお土産を口にすることはできなかった。