検査画像は、異様だった。
様々な説明のあと、担当医から言われたのは、
”悪性のリンパ腫”の可能性があること。
思わず私は、
「それって血液の癌ですか?」
と聞いていた。
反射的に、自然に口が動いていたと思う。
その病院では、これ以上の検査はできず、
治療もできない。
その為、別の病院を紹介された。
この時に、ここで撮った画像や、紹介状など、
別の病院で必要になるもの一式にまとめて、
ファイルに入れてもらった。
全部が終わった時は夜遅く、
紹介された病院の予約は取れない。
3人ではトラックに乗れないため、
私が1人で帰ることにした。
父は痛みに耐えながら、自分で運転して帰った。
その車の後ろ姿を見送りながら、
私は精算の合間に、
職場へ連絡した時の会話を思い出していた。
”父はもう、長くないかもしれない・・”