転校する前の私は、
学級委員や学年委員を務める存在だった。
それだけではなく、
何かの班決めをすれば班長を。
グループ決めをすればリーダーを。
副やサブではなく、長でいることが多かった。
そんな私の周りには、
幼馴染やクラスの目立つメンバーがいつも一緒にいて、
放課後はたくさん遊び回っていた。
みんなで一緒に下校して、
最後は私の家に集まる。
クラスや年齢関係なく、
公園や家の周りで走り回る。
親たちはお菓子や飲み物を用意してくれていた。
外見も中身も個性溢れる友達は、
幼稚園からの付き合い。
そして、私は転校生とはすぐに打ち解けるほど、
人見知りしない性格だった。
一歩間違えれば馴れ馴れしいやつになってただろうけど、
誰とでも仲良くできるのが、私の長所だったと思う。
けれど、転校先の学校ではそうはいかなかった。
自分で言うのもなんだが、
成績はけっこう優秀で、スポーツもそつなくこなす。
今まで自分達が1位をキープしていた場所を、
転校生に取られてしまうという屈辱感だったと思う。
そして、それが、容姿端麗ではなく、
正直・・・
決して美人でも可愛くもない。
愛嬌だけが取り柄。
一部の男子達は、
”こいつやるなぁ!”という感じで見てたが、
それを良く思わないのが女の性。
自分が気になる男子から、そう思われるなら尚更だろう。
私は、転校して初めて、
目立つ存在というのが、嫌われる存在と知ることになった。