京都の町衆の祭りといえば、八坂神社の祇園祭。
京都より出でた東海道の宿場町、大津の町衆も曳山が巡行する大津祭アリ。
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今年は、10月8日(日)が本祭、曳山巡行、
例年その1週間前の日曜日(今年は10月1日)が山建て。


天孫神社の祭礼である大津祭の曳山は、
祇園祭と同様に
見送り幕などの豪華絢爛な懸飾品、
きらり飾金具、
そして笛・金・太鼓の囃子が、祭り気分を一気に高める。

いわば大津版祇園祭り。

祇園祭りを模した大津祭りの相違点は、
それぞれの曳山にはカラクリが備わり、
ひと目それを見ようする見物客を魅了するのだ。


さて、大津祭の山建てに、参る。


午前8時頃より、各曳山町内では、
蔵にしまった部材を1年ぶりに取り出して、組み立てる。
「あっちの山に負けるな」
と町内総出で、オラオラ組み立てるから、
(もっとも町内家数の減少で、組み立てに大工さんの手を借りる町内が多い)
夜勤明けに大津に到着した11時には、
すでに車輪はつき骨組みが組みあがり、
あとは欄干や屋根をつけるだけで、ほぼ建てあがっている。

遅いところは組み立て完了に14時までかかっていた。


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(写真は、巡行でくじ取らず一番の「西行桜狸山」 11時現在)


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(西王母山の欄干飾り)


祇園祭の鉾と同様に、
部材を臍穴に填め、ロープでしばり、釘を一本も使わないで組み上げる。
家屋の二階から囃子方が乗り込むので、屋台の高さは鉾とそう変わらない。
重量は、鉾が最大12トンにも及び、
大津の曳山は3~5トン。
見た目鉾よりも2まわり小さい。
重量の関係からか、骨組みをぎっちり締め結ぶロープは鉾のと比べたら、
「えっ、これだけなの?」と思うほどにグルグル回数は少ない。


なによりも大きな違いは三輪車。
あとで視た曳き始めでは、街路の旋回路には、
祇園祭の辻まわしの、割り竹を敷き綱でいっせいにひく辻まわしではなく、
男たちが前輪付近を持ち上げて、ぐるりと方向を変えていた。


大津は東海道の宿場町だけあって、
国際観光都市と標榜しながらドンドン破壊していく京都より、
格子窓の町家が健在。
勝手な想像だが、バブル前の西陣はこんな感じだろう。
山建て中の曳山めぐりをしていると、
雨が傘をうちながらも気分が良かった。


殊更、アツイのは
写真の神功皇后山(後部を撮影)

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付近の駄菓子屋。
(店名不明)

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レトロショップで復元した駄菓子屋はよくあるが、
こちらはいまだ現役。
モノホン駄菓子屋である。(築100年以上)


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店内にはペコちゃん看板ばかりか、
「アハ、アハ」と笑っていた髪が豊かな若かりし田原俊彦や、
かわいこぶりっ子時代の松田聖子のポスターがご鎮座し、
ちびまるこちゃんに出てきそうな―アゝ、昭和―であ~る。


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大津市はぜひとも、この駄菓子屋を有形文化財に登録してもらいたい。