世界最古の木造建築物の法隆寺もいいが、
西門を出た西里は、
法隆寺をはじめ南都奈良の寺々を修復する宮大工の里で、
秀吉の大阪城、家康の江戸城などの建築に携わった中井家もあり
(現在、中井家は大工を継承せず、と観光ボランティアの説明)
町なみ愛好家の拙者には喜ばしい、いい感じの家と土塀が残っていた。


大和棟の傾斜のきつい家は少ないが、
漆喰壁の家を護る立派な門構えは法隆寺を支えた宮大工の心意気が現れている。


nisizato


神様を祀る祠を穿った土塀もあり、
この細い路地を歩くだけで、
己の技術に頼り神を敬う職人気質を知り、すがすがしい気分になった。


nosizato


斑鳩町はもっと西里をPRしてもいい。


西里の西に、柿の木が茂る円墳、金銅製飾履が出土した藤木古墳がある。


藤木


以下は、観光ボランティアの説明に依る。


被葬者は、当初、蘇我馬子に暗殺された崇峻天皇との見方だったが、

その兄弟の穴穂部皇子ではないか?が主流になりつつある。
これが古墳と認識される前は近所の方は柿の実をとっていたそうだ。
ここら辺は古墳が多く、向こうに見えるナントカ古墳(失念)は聖徳太子の息子、

山背大兄王子が埋葬されていると目されている。


ふむ、斑鳩は古代史の舞台だけあって、盛り上がった丘をチョイと掘れば、そこは古墳、ってことがあるのだ。

発掘をなおざりに宅地開発を重視した高度経済成長のツケで、
どれだけの古墳の上に家屋が建っていることか!


(コレがスゴイ)
第五次発掘調査で藤木古墳に隣接する民家の立ち退き料が●億円だった…


ナニ?! 

現在は都会ではなく、むしろ田園地帯の斑鳩で、
発掘するからどいてくださいよ~
と当局は地主に首を縦に振らすために億単位の金を払ったとは!!


高速道路やらの公共工事でも、立ち退きを強いられても適切な地価相当額で、
せいぜい、新しい土地で前と変わらぬ規模の新築を建てるのが精一杯の金額であろう。

どれだけの土地が立ち退き対象であったか知らないが、
さして地価が高いとは思えない斑鳩で、
いくら地主がゴネようとも●億円は立ち退き料は破格!!!であろう。


(あくまでも観光ボランティアからのチョイ話であって、ウラをとっていません)



よし、拙者も斑鳩で古墳かもしれない小丘を買って、立ち退き料で長者になろう