恋人と別離した無聊にかこつけ、ガンプラ作りと読書に猛進せり。
もっとも仕事と家事に忙殺され、その従事時間は少ない。

で、第37回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した本作は、
沖縄と同じく本土決戦の捨石にされた硫黄島の戦闘シーンではなく、
守将、栗林中将の温かい人柄を基軸に描いたものである。

留学してアメリカを知る栗林中将は、必負を判りながらも、自ら死地たる硫黄島に赴任、
一日でもアメリカ軍の占領を遅らせるために兵力が消耗する水際迎撃ではなくゲリラ戦を実施、
圧倒的兵力・物量差にかかわらず、海兵隊に流血を強いた。

映画「アポロ13号」で、なんとか地球に帰還した宇宙船を回収した空母が、
IOUJIMAだったように、それほど硫黄島の激戦は米人に記憶された。
栗林中将は大本営の戦術を批判する電文を何度も発したが、
これを黙殺どころか改竄。


戦争は三宅坂(参謀本部)ではない、戦場で起きているのだ!
と踊る大捜査線の決め台詞ではないが、
汗を流さなければ本質は掴めない。