ドラマ「降り積もれ孤独な死よ」を毎週見ています。

 

以前からサスペンス、ミステリーが好きで、そういうジャンルのようなので何となく見始めましたが、児童虐待を扱った内容であったので、考察しながらエンタメとして楽しむというより、かなり感情移入しながら見てしまっています。

 

7年前に起きた、13人の子供の白骨死体が発見された、灰川邸事件。

その容疑者として浮かび上がったのは、屋敷の主、灰川十三。

灰川は当時、虐待を受けた子供たちを共同生活を送っていた。

 

灰川邸で生活していた子供たちが実の親から受けていた虐待は、DV、性的虐待、教育虐待、ネグレクトと、様々。

 

ドラマの子供たちは皆、身体に虐待の傷が残っています。

そして心にも、大きな負の遺産を残しています。

 

父親からDVを受けていた主人公とその弟は、自身の中に暴力性を抱え、母親に暴力を振るってしまったり、警察官でありながら傷害事件を起こしてしまったりと悩み苦しんでいます。

 

他にも自傷行為、社会不適合、吃音になり、精神の不安定さを抱え、薬を服用しながらも自身に「大丈夫だ」と言い聞かせながら生きていたり(これはドラマでは描かれていません)それぞれが大人になっても苦しみながら生きています。

 

これらの子供と共同生活を送っていた灰川自身も、親から虐待を受けていました。

外見を理由に閉じ込められた生活を強いられ、自分が悪いと自己否定の感情を抱く灰川に希望の言葉を投げかけ、心を通わせた青年を、灰川の親は自殺に追い込んだことから、灰川は親を殺害してしまいました。

 

私の家は、これらを少しづつ合わせたような虐待でしたので、それぞれの登場人物に、つい気持ちが入ってしまいます。

 

登場人物の虐待の背景を知り、そして、私が当時、心の内に感じながらも言葉にできずに押し込めてきた感情が、セリフとなって言葉で耳にすると、ハッと目が覚めるような、心を貫かれたような感覚と、胸が締め付けられるような苦しさに襲われます。

 

こんな気持ちでこのドラマを見ている人は、私の他にもいるのだろうか、とも考えたりもします。