今回は、細菌学と薬理学において、覚えることが多くつまづきがちな、「抗菌薬」の範囲についての記事です。

 テスト勉強で困っている現役医学生や薬学生はもちろん、将来医学について学びたい方や、全く医学のついての知識がない方でも、理解しやすいようにまとめています。


↓以下本文です。


 私達が細菌に感染してしまった時は、なるべく人体に害を与えずに、速やかに細菌を倒す必要があります。よって、治療に使う薬は、細菌特異的に(細菌だけを狙い撃ちして)効果を示すものが必要です。


抗菌剤は、主に以下のとおり5種類存在します。


① 細胞壁合成阻害剤

 細菌の細胞壁は、ペプチドグリカンという構造で構成されます。これはヒトにはみられない構造なので、ペプチドグリカンの合成を阻害する薬剤を投与すると、ヒトの身体を傷付けずに細菌だけをやっつけることができます。


② タンパク質合成阻害剤

 これは、細菌を構成するタンパク質の合成を阻害することで細菌をやっつける薬です。タンパク質というと人間のタンパク質も犠牲になってしまいそうです。しかし、この薬は原核生物(細菌)と真核生物(人間)のリボソームの構造の違いを利用するため、その心配はありません!


③ 核酸合成阻害剤

 細菌はRNA ポリメラーゼという構造を使って、遺伝子を複製します。このポリメラーゼの機能を阻害することで、細菌の増殖を妨げる薬です。


④ 代謝合成阻害剤

 細菌は、葉酸を合成することで代謝を行います。この葉酸合成を妨げることで、細菌を倒すことができます。


⑤ 膜障害剤

 細胞膜を破壊することで、細菌をやっつける薬です。効果が強い反面、副作用が大きいこともあり、最後の切り札として使われる場面が多々あります。




これからの投稿では、それぞれの抗菌薬について深掘りをしていこうと思っております。