二件目の病院の緩和ケア外来の初めての診療日。

朝から体調が悪い。
起きていられない。

私は結局、行くのをやめた。

母が私の胸のCT写真を持って、その病院に行った。

寝床で思った。

ホスピスに入ることを切望している人は重症な人達じゃないか。
なのになぜ、外来に来いって言うんだ。
タクシーでもなんでも、歩いて病院に来れる元気があるわけ無いじゃないか。

どこの病院でも言われるが、緩和ケア外来を受けないと、ホスピスの順番待ちの列に入れないという。

動けない人に動いて来ないと順番待ちにも入れてあげないよというこのシステム、かなり矛盾してる。
がんの末期の中でも、まだ動ける元気な人が有利だ。

私のように動けない人は家族が動いてくれないと、どうなってしまうのだろうか?

がんになってしまったら、最初の病院選びで、信頼できる先生とか、がんに対するサポートとかも条件にする必要があるが、ホスピス、緩和ケアがある病院かというのも、考慮に入れた方がいい。

そうでないと私のように、ホスピスを探すハメになったとき、外来に行かなきゃ話が進まないのに、体が動かないというどうしようもない状態に陥る。
いろいろ気がついたときは、すべて後の祭りだ。

私は、最初はこんな目に合うとは思っていなかった。
手術して、退院して治ると思っていた。
1番最初、卵巣が膨れあがっていたとき、最初は開業医に「近所だからここがいいだろ」と紹介状を書いてもらった病院に行き、そしてその病院で「がんの疑いがあるのでうちでは扱えないので」と言われた。
そして、どこの病院がいいのか全くわからず「どこの病院がよいですか?」と先生に聞いて、「うちではTJ大学病院しか紹介できませんから」と言われた。

ここが、運命の分かれ道だったのに、何も考えていなかった。

大きな大学病院だし、テレビで見たこともある、大丈夫だろう。
と思ってしまったのが地獄の始まりだった。

まさか、緩和ケアも決まらないまま放り出される最後を迎えることになるとは思わなかった。

どうかこんな私の失敗を、こんな人もいると参考にしてもらって悔やむ事のなきようにしてほしい。



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