外国が好きすぎて、
英語、スペイン語、インドネシア語、
アラビア語を勉強している

七海
です。

 

ただの日常エッセイ(こちら)、

外国での旅行エピソード(こちら)、
外国人の親友とのエピソード(こちら

外国語習得ドタバタエピソード
を書くよ。
 

 

 

 

小学校から高校まで

思い返せば

年間予定表には載らないものの

 

 

 

すっかり恒例行事のようになっている

イベントがあった

 

 

 

ワックスがけである。

 

 

 

床にワックスをかけるということで

その日は授業を潰してだったか

掃除の時間を長くしてだったか

 

 

 

みんなで必死に床の汚れをとっていたのを

覚えている。

 

 

 

そのときだけどこからか出てくる

小さくて平べったくて硬い

タワシのようなもので

 

 

床にへばりついた黒い汚れを

地道に取っていくのが好きだった。

 

 

 

 

ワックスをかけたあとは

1年で一番床が滑りやすくなる。

 

 

 

高校生の頃、

机を端に寄せていつもより広く見える

ワックスをかけたあとの教室で

テンションが上がっている男の子がいた

 

 

 

その子はツルツルの床を味わいながら、

「今ならトリプルアクセルができそう!!」

と宣言し始めた。

 

 

 

 

うちの高校の上履きはスリッパだったが、

それを脱いで靴下で教室に立った。

 

 

 

 

本気でトリプルアクセルに挑もうという

気合を感じた。

 

 

 

 

確かに

靴下とワックスがけ直後の床は

滑り度という観点から考えると

 

 

 

なかなか理想的な

組み合わせであると思う。

 

 

 

 

ただし、

トリプルアクセルは難易度が高い。

 

 

 

 

整備された環境で、

それ専用の靴を履いても

回転半するのは大変なことなのだ。

 

 

 

でも彼は本気だった

 

 

 

本物のフィギュアスケートの

選手のように踏み切り、

ジャンプをし、

 

 

 

1回転半くらいしたところで

すごい音を立ててこけた。

 

 

 

彼は決して背は低い方ではなく、

むしろ高い方と言っていいくらいだった。

 

 

 

おまけに体格も悪くはない。

 

 

 

だから、

巨体がすごい勢いで

地面に叩きつけられていた。

 

 

 

衝撃なシーンだった。

 

 

 

周りはみんなめちゃくちゃ笑っていた。

 

 

 

彼も笑っていた。

 

 

 

高校生なんて多感な時期なのに、

みんなの前でこけても

恥ずかしがらない彼は

すごく肝が座っていた。

 

 

 

ワックスがけは

定期的にやっていたものの

普通だったら

もう存在すら忘れていそうなイベントだ。

 

 

 

それにも関わらず

今でも覚えているのは

紛れもなく、

 

 

 

トリプルアクセルに挑んだ

彼のせいである。

 

 

 

 

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