GQ KOREA 9月号 カバーの主人公
「カン・ドンウォン」
8月のインタビューですが、写真も内容もいいので
GQ LAで撮影する時、私は済州にいました。シンバカレでドンウォンさんが作ったという長いテーブルにしばらく座っていました。
DW その テーブル、 約 15年 経っていると思います。もっとできたかな?
GQ 私はある物を見ると、それを作った人を想像してみるのが好きです。カン・ドンウォンが作ったという事実を外して見たとしても、私はそのテーブルに座ってこう推測したと思います。このテーブルを作った人は本当にきちんとした人だ。
DW 一度大工にそのテーブルの修理を預けたことがあります。ところが、その大工が私が知っている方にそうしたそうです。カン・ドンウォンさん、性格がすごく良くないみたい。あははは。
GQ どこに見ますか?
DW 下のジョイントを見ています。とても几帳面で精巧に作ったそうです。大工さん、 木の 人たちには 褒め言葉です。
GQ 私がどうしても言い出せなかった言葉を・・・。緻密さと整然さが隠されませんでした。
DW デザインは自分の性格通りに行くんだから。
GQ きちんとした 人 みたいだけど、 自分はいつも 歪んだ 人と 定義しました。
DW 人たちがいつもそうでした。私に反骨気質があるそうです。考えてみると、とても幼い頃からそうでした。他の人たちが全部するのは嫌でした。それでいつも違う選択をしました。みんながロッテを応援する時、私一人でぴんぴん応援して。笑)お父さんが「一体、なんでビングレなの?」聞くのに私がそうでした。みんなロッテだけ応援するから嫌です。学生時代に先生ともよくぶつかりました。最近も時々高校の友達が集まると冗談で言います。その時そこまでしなければならなかったのか?
GQ どんな時、特に半骨気質が頭をもたきますか?
DW これは なんか 理不尽だ、 って 思う時です。私が一番嫌いな言葉の一つが「いいのがいいんだよね」という言葉です。何がいいってこと?私が嫌いだって?
GQ それに比べて問題なくよく育った感じです。
DW 問題を起こしたりはしません。あの心は優しい人ですよ。(笑顔)ただ理不尽だと思ったらぶつけて喧嘩します。
GQ 俳優生活しながら感じた不合理も確かにあったはずですが。
DW 幼い頃に有名な監督が「一緒に作品しよう」と言ったらいつも「シナリオを見せてください」と答えました。「見せてあげられない、シナリオ見たら絶対やらなきゃ」だったら私はこう反応しました。しません。シナリオを見ない俳優とやってください。
GQ そのような選択がカン・ドンウォンを連れてきたところは・・・。
DW そうですね。それが私の色になったのでしょう。
GQ いわゆる「級」になると製作会社を経てシナリオが濾過されるものですが、新人監督たちには「とりあえずカン・ドンウォンには送ってみよう」という業界定説のようなものがあるんです。
DW 私が新人監督の登竜門でもなったのか···。あはは。私が新人監督たちと作業をたくさんしました。幸いに全て結果も良かったです。私はシナリオを偏見なく見ます。これを誰が書いたのか、誰が演出するのかを外して話そのものだけ見ましょう。俳優によっては監督のネームバリューを重要に問う俳優もいますが、これは各自の選択です。私はリスクがあってもいつも新鮮なことをしたかったです。それで自然に若い監督たちとたくさんするようになったようです。もちろん、良い監督には年齢に関係なくいつも新鮮なアイデアがあるから、例外。新鮮だったり、 あるいは <1987>みたいに 話す 価値があるかが 私には 大事です。
GQ どんな話を見る時、心が動きますか?
DW 作品を選ぶ時はシナリオがしっかりしていて良いものを選びます。私は主にストラクチャーを見ます。構造がしっかりしているのか、起承転結が素晴らしいのか。私が直接シノプシスを使う時は、あるエンディングが浮かばなければ話を始めます。こうやって 終わると 呆れるんですけど、 と思ったら 構造を 立てて みましょう。一歩離れてその構造がいいと判断されたら、知っているプロデューサーたちに送ってください。モニタリングしてみて、 反応が よければ 一緒に 肉を 付けながら ディベロップする 感じです。
GQ エンディングから話が始まるということがとても新しく感じられます。
DW 新しいものですか?知りませんでした。どこかで文章を書くことをちゃんと習ったことがないですから。私はいつもこう思います。エンディングがないのに文章を書いたら何するの?いい結末なしに広げておいて、収拾しなければ意味がないんです。上手く展開されて変に終わる映画を見ると・・・。怒ってるじゃないですか。
GQ 良い話にはいつも良いエンディングがあるべきだと思うんですね。
DW そうですね。それが まるで 楽しい エンディングでも、 意味のある エンディングでも。
GQ それで思い浮かんだエンディングから始まった話には命が宿りましたか?
DW 私が書いたシノプシスで進行中のプロジェクトが2つあります。二人ともファンタジーに近いです。コロナが盛んだ時、かなり長い間シンガポールに泊まりました。完全なロックダウンを経験しました。誰かと一緒に 道を歩くことも できないし、 食堂は 全部 閉まって、 スーパーも 一人で 行かなきゃ いけなかったんです。道の上に人が誰もいませんでした。映画の準備をしながらリハーサルするのが日常の全てでした。憂鬱でした。その時、部屋に閉じ込められて趣味で古代史のドキュメンタリーを手当たり次第に見ました。歴史、 特に 古代史が 好きなんですよ。当時は 趣味でしたが、 結局 それを基に あらすじが 一つ 出ました。幸いに反応がよくて現在進行中です。
GQ 俳優から製作者への拡張は、なんとなく分かり切った選択も避けられないことを意味するのではないでしょうか?いつも違う選択をするカン・ドンウォンだったから。
DW 計画が必要です。映画を作る時、B.E.P(損益分岐点)を問いただして、それに合う計画を立てなければなりません。例えば100億を入れてB.E.Pが3百万だ。それなら3百万が見る価値のある映画を作らなければなりません。あまり不慣れでも、あまり慣れてもなく、バランスを合わせて。もし損益分岐点は合わないと思うけど、本当に話したい話がある、必ずやるべきだという気持ちになったら予算、ギャランティーを最大限減らして。新人時代から私の目標はいつも「損益分岐点は越える」でした。私を信じてお金を入れてくださった方に、少なくとも銀行の利息は返さなければならないじゃないですか。信頼に報いなければならないから。
GQ さっきから 感じてるんですけど、 建築家みたいな 姿が しきりに 見えます。いつもマクロでしっかりした計画が土台になっている感じというか。
DW 工大生だからかな?あははは。イ・ドンジン記者さんも似たような話をしたことがあります。ところで、すべてのことがこのような過程を経るのではないでしょうか?
GQ そして無駄がありません。ドンウォンさんの好きなデザインのように。
DW ミニマルなものが好きです。デザイナーもディーター・ラムズみたいな人が好きですし。
GQ 人の身なり、その人の物で「ぴったり」と判断したりもしますか?
DW 服を着ることだけ見ても「この人は私とちょっと合う」と思うことがあります。とりあえず「この人は絶対私と合わない」ことは確かです。男でも 女でも、 服が セクシーすぎたり、 「ショーオフ」する 人は 合わないです。派手でもセンスがよければ例外だが。
GQ 年を取るにつれて変わったものもありますか?
DW 最近は あまりにも いろんな 人に 会うから、 基準が 少しずつ 薄めたりは します。心だけ直せばいいと思います。言行が 気になったり、 見た目は 荒くても 思いやりのある 人たちも いるでしょう。そして私は欲張りな人たちが嫌いです。お金が集まるのはいつも欲も集まるものだから。私が今言っているのは、悪い欲望。
GQ いい欲と悪い欲はどうやって区別しますか?
DW 欲の結果が個人で帰属するか、作品全体に向けたかによって違います。実はそれも区別できない時もあるし、区別するのも容易ではないけど。プロジェクト全体と関係なく、私の欲張りだけする人を見ていると疲れます。
GQ 映画のメイキング映像でいつも「もう一回やります」と叫ぶのは、いい欲のほう?
DW 幼い頃に演技する時は欲張りでした。ずっともう一回、もう一回。オッケーが出たのに叫びました。今は20年の経験が溜まっているので、新しいテイクを試してみたい時でなければ止まります。同じことをもっと上手くしようとすると、いくらやってもだめでした。うふふふ。もうちょっとベテランになったと感じるところです。演技を計算する時、台本全体を見ると「これをどうやって全部やるか」怖くなります。多くの俳優がそこでストレスを受けます。(一尺を測るように)それで私はカットバイカットで見ます。ここではこれだけうまくやればいい。そうだね、もう緊張もできないし、欲もあまりありません。
GQ それでも今カン・ドンウォンが諦められない欲は?
DW いいプロジェクトを作ろう。それだけです。
GQ もし どこでも 住めるなら、 どこに 住みたいです?
DW 一箇所で住みたくはありません。いつか 定着したいかも しれませんが、 今 私に 合う サイクルは たった 二、 3ヶ月です。二、三ヶ月になったら他の所に行きたくなります。韓国に ベースを 置いて、 アメリカにも、 ヨーロッパにも 家があると いいですね。しかし、実は要りません。エアービーアンドビーを利用すればいいから。
GQ 意外です。どこかに ぴったりの ぴったりの 家を建てて、 それに ぴったりの 家具を 作って 定着する 姿を 想像したんですよ。
DW 私は自分を新しい環境に置かないと不安です。とどまっているようで、渋滞しているような気がします。それが安定感ではなくて不安です。私には。
GQ プルーストの質問の中でこれを聞きたいですね。カン・ドンウォンにとって完璧な幸せとは?
DW そうですね。20代には「30代になれば安定するだろう···」、30代には「40代になれば楽になるだろう...」といつもその時になれば思い通りにならなかったんですよ。すべて私がやったことなのが罠。笑)私が私を安定させないのです。いい人たちと美味しいものを食べること、それが一番幸せです。その間には熾烈さが存在します。ところで、完璧な幸せというものはあるのか?
あいかわらず正直にたくさん語ってくれてます
『新感染半島ファイナルステージ』の日本公開時の頃はシンガポールにいましたよね🇸🇬
どうしてるのかと思っていたら、そんな生活だったんですねー
「新人監督はまずカンドンウォン にシナリオを送ってみる」というのも面白いです
それだけ業界で、ドンウォン君が信頼されてるということで、今まで貫いてきた実績だと思う
これからのドンウォン君も楽しみです