透明な風、猫の背中。

再掲載




ティム・バートン監督の『ビッグフィッシュ』を見てきました。
うーん。最近のシネコンで人気作と言うと『字幕2館+吹き替え1館=合計3館上映』ってのが私の中の常識だったんだけど、これは比較的小さい所で1館のみ。
そっかぁ。世間的にはトロイに行っちゃうのかな。。(もちろんトロイは良いですよ)


どうも、私は人気作に踊らされる傾向があるから、ちょっとびっくりです。そんなものかしらね?



えっと、ビッグフィッシュはダニエル・ウォレスのベストセラー小説の映画化作品です。
ティム・バートンのシザーハンズが好きな人には良いかな。ほろっと来る感じ。



いんちき話(良く言えば、想像力豊かな作り話)を得意とする父親と、その父親に反抗心を抱きしばらくつきあいをしていなかった息子(性格は正反対。現実的なタイプかな)の、最後の交流までのお話。
父親は想像力豊かで、どこまでうそなのか、ほんとなのかわからないお話をします。周りにはとても好かれてるみたい。こういう人って年をとるにつれ魅力的になりますよね。


物語は、『現実の父親が病気に倒れ、彼を取り巻く家族とのシーン』と、『彼の若い頃の、うそのようなほんとのような話を映像化したシーン』で構成されています。
そのギャップも大きいので、彼のおとぎ話のような話の内容がすごく楽しく光ってました。
ティム・バートンの腕の見せ所ってとこかしら。


息子は、父の話をうそだと感じ、本当の父を見せて欲しいと言いますが、きっとそんないんちき話も含めて、本当の父なんだと思います。『溢れる想像力で人々を煙に巻き、楽しませ、自らも人生を楽しんでしまう』
多分それが本当の姿です。


同行した友人は、亡くなったお父さんにイメージを重ねてたと言ってました。
私は父は健在なので、亡くなった叔父かな。私は叔父が大大大好きだったから。



そう。そんなお父さんは亡くなってしまうのですが、最後に息子が父親を理解し(多分)
初めて語った夢のある話で送り出します。私も感動し、一緒にお父さんを送り出しました。
うそでもほんとでもいい。ほんとだと思えば、それがほんとになるでしょう。
そんな魅力的なお父さんの息子に生まれて、幸せだと息子は改めて思ったでしょうね。
派手なシーンはありませんが、ちょっと不思議で夢のあるお話です。
幼い頃に見聞きした、あれはほんとなのか、夢なのか、大人のいんちきなのか今考えてもはっきりとはわからない、不思議で大事な思い出のような感じ。

暖かい気分になりたいなら、オススメですよ。