透明な風、猫の背中。

2006.6.25記事再掲載



おもしろかったです。号泣はありませんでした。が、色々思う所はありました。
邦画も捨てたものじゃない!と思える必見の映画だと思います。



ツボに入る人は入るんでしょうね。
途中でツボに入らないこの映画の一側面の正体がわかっちゃいました。
私に苦手な映画『シーズ・ソー・ラブリー』です。
そう。バイオレンスな恋愛がツボに入らず、それが純愛とも思えなく、アホらしくしか見えない…。そんな私との相性の悪さが原因です。


ですが、松子はやっぱり愛らしく、家族関係の部分はほろりとさせられました。


でも。松子が神様って、男性らしい感覚ですよね。
女性のばかばかしくも一途な所は男性の認める所だというのはわかるんですけど。
子供や知的障害者が神に選ばれた人間だとか、天使だみたいな認識に似ているのかも知れないと思いました。本人はそんな事思ってもいないと思うんです。対する相手がそう思うだけで。自分が持っていない尊いモノ(純粋さ?)への憧れみたいな感じでしょうか。



映像は素晴らしく、ミュージカル風に語られる松子の人生は簡潔ながらもわかりやすく、飽きずに見ていました。
下妻物語の方が好きですが、似通っているような小ネタも揃っていて、くすっと笑ってしまう部分も多いです。なぜ内海?



ちょっと違うかも知れませんが、ハマのメリーさんも思い出しました。彼女のドキュメンタリー映画も作られましたが、生きている時から知っている為、彼女の人生にもちょっと興味があったから。



あ、そうそう。主演の中谷美紀は凄くキレイです。ばかな演技もあるけれど、キレイさは崩れていません。本人がそれを意識すると演技が中途半端なものになると思うので、監督の愛情なんでしょう。
他のキャストも良かった。瑛太も好きなんです!



エンドロールには映像が使われている事もありますが、誰も席を立ちませんでした。最初から最後まであっという間、クギ付けで見ちゃいました。
年上の友人に言わせると、時代設定部分(時代の雰囲気・服装等)がちょっとずれているという事でした。時代が一緒でも生きている世界が違うならばそれもあるかもねーと思った程度でしたけど。


私的には、バイオレンス恋愛部分ちょっとマイナスですが、とても出来の良い映画だと思います。小説は読んでいませんが、昭和の雰囲気でシリアスに作ろうと 思ったら凄くこわい映画になりましたよね。想像しただけでも震えそうです。
コミカルに、シニカルに、ファンタジーっぽくて、バイオレンスで、それでいて ちゃんとまとまっている納得できる作品です。

…複雑w