こんな記事をみつけました。ダウン

 知的障害を伴わない脳の機能障害と推定されている。LDやADHDの他、アスペルガー症候群や高機能自閉症などがある。見た目では障害が分かり にくいため、誤解や偏見を受けやすい。エジソンやアインシュタイン、漫画「ドラえもん」の登場人物の「のび太」が当てはまるという説もある。医学的な診断 基準があるが、実際の診断は「かなりあいまい」との声が医療現場にもある。

毎日新聞 2008年3月4日 東京朝刊この記事は興味深い情報を色々と伝えています。記事中に出てきた「軽度発達障害の可能性のある児童を把握するチェックリスト」とは、このブログで何度も取り上げている例のチェックリストのことでしょう。
http://blogs.yahoo.co.jp/kebichan55/3842682.html

今の教育現場では、このチェックリストを基にして実態調査や選別などが行われているようです。

発 達障害という概念は、ここ数年で突然教育現場に導入されるようになり、現場の教師は混乱しています。そもそも専門家ですら発達障害について正確に定義する ことができず、統一された正確な見解もないため、現場の教師にとって発達障害とは混乱以外の何者でもありません。混乱している人は、通常拠り所になる情報 を求めます。それが見つかれば少し混乱から解放されるからです。

恐ろしいことに、現場の教師にとって拠り所となっているのが、このチェックリストなのです。

このチェックリストが文部科学省から各教育委員会を通じて現場の教師に配布されています。権威からの情報を鵜呑みにする教師や、自分の授業がうまくいかないことの正当化の理由を見つけている教師にとっては便利なチェックリストです。

「発 達障害?そんなのよくわからないしー。でも、そういえば教育委員会から配られたチェックリストがあったな。へー、これにあてはまるような子が発達障害とい うのか。そしたらA君は学習障害って奴だね。そうか、生まれつきの脳の障害なら仕方ないね。私の教え方が悪いんじゃなかったのね。」 このように思う教師 が出てきてもおかしくありません。

皆さんも、このチェックリストがどんなものであるか、もう一度ご自身の目で確かめて下さい。そして、そのようなものさしで子どもたちが評価されているという恐ろしい現実を理解して下さい。
http://www.mext.go.jp/b_menu/public/2002/021004c.htm

上記記事は、とても重要な情報で締めくくられています。
医学的な診断基準があるが、実際の診断は「かなりあいまい」との声が医療現場にもある。発達障害の判定や診断はその子の一生を左右します。しかし、教育現場のみならず、医療の現場でも子どもたちがあいまいな基準でいい加減に評価されているのが現状なのです。

繰り返し述べていますが、このような試みでも、本当にその子の支援となるのであれば私は批判しません。結果を出しているのであれば、多少のあいまい さなどには目をつぶることができるでしょう。しかし、この問題は別です。発達障害と安易に診断されることで、その子は「自分は先天的な脳の障害で、一生治 らないんだ」「普通の子とは違う、異常な子なんだ」とする自己否定と絶望感に苛まれる危険性があります。何よりも、危険な投薬治療に対する正当化を周囲 (親や教師ら)に与えてしまうでしょう。

支援は別にレッテルがなくてもできるはずです。レッテルは観察能力を低下させます。ある人のこ とを「駄目な奴」と一度決めてしまったら、それ以降はその人そのものではなく、「駄目な奴」という評価を見てしまいがちです。適切な支援をするために、対 象者の特性を分析、分類するのは有効なことですが、あいまいな基準に則った発達障害のレッテルは、むしろ対象者の本当の姿を観察する妨げとなるでしょう。

今の日本社会は、他人と同じでなければならないという強迫観念に満ちています。天才的な能力や魅力的な個性、他人と違った特性は、本来あるべきでないものとして取り扱われ、教育や医療の領域で「障害」として排除されてしまう危険性があります。

本 来、特別支援教育も発達障害者支援も、色々な特性を持った子どもたちが適切に支援を受け、学び、成長できるよう環境を整えることを意図したものでした。今 の動きを見ていると、精神医学的支援に偏った結果、本来の理念とは全く逆の方向に歩んでいるとしか言わざるを得ないでしょう。


この記事だけではなんとも言えませんが、
実際のところ、どうなんでしょうね~?(?_?)