ギュスターヴ強烈差しで逆襲だ
皐月賞トライアル弥生賞(G2、芝2000メートル、中山=6日、3着までに優先出走権)でギュスターヴクライ(牡3、栗東・荒川)がハーツクライ産駒初の重賞制覇を狙う。同じ新種牡馬のライバル、ディープインパクトに差を広げられている父に初タイトルを届け、自身も3連勝でクラシックの出走権を手に入れたいところだ。
2月5日、東京競馬場で行われた芝2400メートルの3歳500万戦で、新種牡馬ハーツクライ産駒が1~3着を独占した。ギュスターヴクライも、2200メートルの未勝利、2400メートルの500万を連勝。距離が延びて真価を発揮した1頭だ。母は96年に秋華賞を勝ち、ジャパンCで2着に健闘した名牝ファビラスラフイン。デビュー3戦で6、10、6着となかなか勝ち上がれなかったが「新馬戦で乗った蛯名騎手が『この馬、これから走ってくるよ』って言ってくれたからね。期待していたんだ」と斉藤厩務員は素質を確信する。
ここ2戦はともにメンバー最速の上がり34秒6で差し切りV。見事な決め手を発揮した。「前走も余裕のある勝ち方だったね。いつもしまい脚を使っていたけど、ゴールを過ぎてから伸びている感じだったんだ。ここに来て集中して上手に競馬できている」と同厩務員。今回は距離短縮、中山と課題は多いが「年明けから馬体もたくましくなったし、こなせるはず」と自信を見せる。
父ハーツクライは中山で3戦1勝。3歳時は皐月賞14着、有馬記念9着と大敗したが、翌年の有馬で1歳下の3冠馬ディープインパクトに初めて土をつけた。ダービーで2着になりながら管理した橋口師が「4歳になって変わった」と評した馬。産駒が成長力を秘めている可能性は大いにある。ライバルのディープ産駒は重賞2勝でクラシックへ意気軒高。後れは取ったが、ギュスターヴクライの3連勝、弥生賞制覇がハーツクライ産駒反撃開始ののろしになる。
バリアシオン陣営トーン上がらず
ギュスターヴクライと同じハーツクライ産駒ウインバリアシオン(牡3、栗東・松永昌)は陣営のトーンが低い。新馬、野路菊Sを連勝したが、ラジオNIKKEI杯2歳S、きさらぎ賞がともに4着。「負け方がなあ。前走はいくらか掛かったので、中間はずっと(福永)祐一が乗っている。上積みがなかったら勝負にならんよ」と松永昌師。1週前は坂路で4ハロン51秒3、ラスト12秒5の好時計をマークしており、状態は申し分ない。
ターゲット坂路2本 太め感なし
ディープインパクト産駒のターゲットマシン(牡3、宗像)は、朝1番で2本登坂した。年明けの寒竹賞から少し間隔はあいたが、太め感はなさそうだ。宗像師も「今日も元気いっぱいだったね」と笑顔。2連勝は東京、中山と異なる競馬場で挙げたもの。「前走は乗り役さんの指示を聞いてうまく走れていた。中山であの競馬ができたのは収穫があった」と無傷での重賞Vを狙う。
プレイ2勝目へ意欲の中2週参戦
2勝目が遠いプレイ(牡3、斎藤)が中2週で意欲の参戦だ。1日朝は角馬場で体をほぐした後、坂路でキャンター。鈴木助手は「まだ幼い面はあるが、前走後もすぐに息が入っていたくらい。持久力を生かした競馬をしたい」と語った。セレクトセールで1億4500万円で取引された馬。クラシックへの切符が欲しい。