１６才 日本猫 男の子
この子は
半年以上前に、
近所の動物病院で
末期の腎臓病と診断されました
腎臓病は
治らないと説明を受け
飼い主さんは、
この子をこのまま
お家で見守ろうと決めました
その後、
体調は低空飛行ながらも、
食物を少しずつ口にしていました
年が明けると
食欲がだんだん無くなってきて
1日にちゅーるを１本と、
ペーストをひと舐めするだけでした
便秘気味にもなって来たので、
飼主さんは、
何か良い方法は無いかと探していたところ
ホモトキシコロジーの存在を知りました
ホモトキシコロジーが
腎臓病に効果的な治療と知り、
すぐ当院に連絡を入れたそうです
初めての来院時、
食べ物は少しずつ
口にしていましたが
身体はかなり痩せて
脱水症状も重度でした
血液検査をしてみると
腎臓病が進行し、
命の危険が迫っている
数値でした
（血液検査）
BUN １６１（標準値１４～３８）
クレアチニン ７．３（標準値０.４～２.３）
リン ２０＜ （標準値１.６～８.１）
ヘマトクリット値 ２１．５％（標準値３０～４５％）
飼い主さんに、
この子がとても深刻な状態で
いつ亡くなっても不思議ではないことをお伝えしました
そして
今１番大切な事は、
この子が腎臓病で苦しまないように
努力することだと説明しました
飼い主さんと相談の結果、
集中治療をはじめました
【集中治療を始める】
ホモトキシコロジー、点滴、医薬品、鍼灸
そして食べ物を少し口に出来ていたので
サプリメントを使用しました
フードの内容も見直しました
帰宅後、すごい勢いで
与えたフードをすべて完食したそうです
【３日後】
ほとんどを寝て過ごしていますが、
フードは与えたものをだいたい食べています
お家では、飼い主さんの後を
付いていくようになったそうです
通院の負担を減らす目的で
今後は、お家でも皮下補液を
して頂くことになりました
【１週間後】
食欲はムラがありますが
口にしています
お家での皮下補液も出来ています
ホモトキシコロジーも使用しています
来院時は、排便の補助や鍼灸を行います
【１０日後】
水をよく飲んでいますが
食欲は少ないです
それでも、小さな缶詰1/2や、スープ、ちゅーるなどを口にしています
歩くのも大変そうですが、
尿毒症の辛い症状は
今のところ見当たりません
【２週間後】
後ろ足が立たず、
ほとんど横になっています
スープやちゅーるを
１袋ずつ口にしています
来院時にはよく鳴く子でしたが、
この日はかすかに鳴いていました
温かい場所で、
静かに穏やかに過ごしています
【３週間後】
午前中の時間に、亡くなりました
ゆうべから頭を上げ、
声は出ませんが
何か言いたそうなそぶりをしていたそうです
撫でると大人しくなるので、
飼主さんは「甘えているのかな？」
と思い、出来るだけそばにいました
当日は
飼主さんのご家族が
仕事を休んでそばに付いていました
呼吸がだんだん早くなり、
走るような仕草をしたあと、
息が止まっているのに気づいたそうです
飼主さんは、
「病気が重いと分かっていても、”もしかすると治るんじゃないか？”と、
期待してしまうほど
鳴いたりフードも口にしたりしてくれました。
生きる力が本当に強かったのだと思います。
自分たちも、集中治療が始まってから
出来るかぎりのことをしましたが、
もしこれが長く続いたら
私たちの身体が持たなかったかもしれません。
穏やかに見送ることができて
今は、なんだかホッとしました。
家には、他にもシニア猫がいるので、
病気があるならば 早く発見できるよう
健康診断に連れてきます」
とおっしゃいました
後日、同居猫ちゃんの
健康診断にご来院され、
病気を早く発見することが出来ました