お孫ちゃんがシェイクスピアの「マクベス」のお芝居をすると聞いて

一も二もなく行くと決めた夫

 

映画だって時々居眠りするのですから、中世の人が書いたお芝居に耐えられるかと

心配になり、原作を読ませようと思いました。

図書館に言ったら原作本が貸し出し中だったので

児童書の「物語で読むシェイクスピア」を借りて来ました。

家にもシェイクスピアの本があったはずですが、こういう時に見つからないのは

整理が悪い証拠ですね。近く本棚を整理しよう!

 

先ずは、自分で読んでみようと思いましたら、最初地名で手こずりましたが、ほとんど半日で読めてしまいましたので、夫に勧めました。

 

マクベスというのは、スコットランド王のお話です。

スコットランドというのは、この時期、ヴァイキングなどの外からの侵略に苦しめられていて、いくつかの部族に分かれていたのですが、外敵から身を守るため、このマクベスがグラームズの領主だった時に王だったダンカン王の時にまとめられていたのです。

 

このお話の時はノルウェーから攻められていた時の話です。

真実を元にしたお話ですが、魔女とか亡霊とか出てくるので面白いです。

 

そして学生だけのお芝居なら子供向きにしてしまうのかもしれませんが、プロの役者さんがマクベスなど、難しい役どころを演じてくれますし、演劇の専門の方を外部に依頼しておりますので、役者さんたちの胸を借りてどこまで演出されるのか

かなり舞台としても完成度の高いものをみせてくれるようなので楽しみにして行きました。

 

学生は、高校一年生ということで、まだ可愛らしい学生たちがどう演じていくのかなと思いましたら、最初から仮面をかぶった魔女役たち、仮面をかぶせたのは正解だと思います。なんか思いっきり吹っ切れて演技をしています。

なんかわけのわからない事を言っていますが、呪文なのかなにかを暗示しているのか

次に会う時の約束だけでなくなにか企んでいるのですね。

 

解り易いようにダンカン王の家来たちは、ノルウェー軍を破ったのは、マクベスのお手柄だと言っています。

ところがマクベスは、そんなことは知らずに盟友のバンコォーとただ戦が終わったと帰路についています。

 

そこに再び魔女が登場

得体のしれないものにも屈しないマクベス

強気に迫るマクベス、フラフラとつかみどころのない魔女たちが

マクベスに向かって「グラームズの領主」と今の地位を指摘し

他の二人が次々に、「コーダーの領主」、「いずれは王となる」と言います。

 

良い事ばかり言われたマクベスに対してバンコォーも予言を求めると

最後の魔女が「自らは王になれないが、その子孫が王になる」と言います。

 

言われたことがあまりに尊大なので半分疑問を持ちながら馬を走らせて行くと

王の家来が、コーダーの領主がノルウェーに寝返って処刑されるので、マクベスを

コーダーの領主にするとダンカン王が言っていて、すぐにも祝宴をするとのことを伝えます。

 

最初の予言があたったもので、マクベスは、それを妻に伝えるべく伝令に手紙を託します。

 

ほぼ学生たちは、学生服のままですが、王は王らしくバンコォーも背が高いせいか

マクベスとほぼ対等な感じに見えます。

多少、上着を脱いでいたり、学校で着て大丈夫なもので変化をつけていますが、

学年も一緒なのに、よく役を演じ分けているものです。

 

マクベスから手紙を受け取った妻、この方も役者さんですが、祝宴のためにやってくるダンカン王はじめ、みんなをもてなすために用意をすると共に、夫が王になるための謀略を巡らします。

 

マクベス夫人はダンカン王一行をこれ以上はないというくらいもてなすと共に

夫をそそのかします。

手筈を整えて、夫の後押しをするのですが、ここらは役者同士のやり取りなので

すごいですが、あくまでも授業の一貫らしいので普通の学生がやるとなるときついものがあるし、凄みにかけてしまうかもしれません。

この配役でホッとしました。

 

ダンカン王が寝ているうちに襲う訳ですが、二人の息子が次の間にいて、護衛も付いています。

この辺りはマクベス夫人がしっかりと準備を進めていて、マクベスが実行するのですが、この辺りはセリフで行われ、その演出も良かったなと思います。

 

朝になると貴族の二人が王に起こすように頼まれたとやって来たのでマクベスは、そのうちの一人を見に行かせます。

王が亡くなっているというのを聞いて、マクベスは、すぐさま王の元に駆け付けて、下手人は王を暗殺を依頼された護衛だと言います。

屈強なので、つい二人とも殺してしまったと言います。

 

二人の王子は、マクベス夫人に馬小屋に案内されてイングランドとアイルランドに逃げてしまいます。この時の二人は頼りなげで、舞台に出ているだけのようでしたが、

二幕目では、しっかり演じていたので、そこも演技だったのでしょうか。

 

ダンカン王は、次の王を息子のマルカムと指名していましたが、逃走してしまっていたので、次の王を誰にするか会議が行われましたが、バンクォーが押してくれたこともありマクベスが王になることになり、戴冠式が行われ、祝賀会が開かれることになりますが、

ここまで魔女の言う通りになっていたので、次なる疑惑が湧きだします。

戴冠式に来なかったファイフの領主マグダフも気になりますし、

バンクォーが魔女から言われたバンクォーの子孫から王が生まれるということ。

マクベスに息子はいないがバンクォーには息子がいる。気高く頭もいいバンクォーが

目の上のたんこぶとなっているマクベスは、なんとかして、自分が得た地位を守ろうと

バンクォー殺害を計画する。

 

するとバンクォーが祝賀会を前に馬で、城の回りを回ってくると申し出る。

息子も一緒と言う事で、逃げられるのではないかとますます疑惑を大きくして行って

暗殺者にバンクォーの暗殺を依頼する。逃げると思っているので、出来るだけ城から遠いところで殺すようにと依頼する。しかもこの暗殺者たちには、今まで辛く当たっていたのは、すべてバンクォーの指示だったので、暗殺すればそういう辛いこともなくなるぞと吹き込む。息子のフリーアンスも一緒に殺すように言うが、バンクォーが一身に敵に抵抗して息子を逃がす。ちゃんと立ち回りシーンもあり、生徒たちは、セリフだけでなく殺陣の指導も受けていたのでしょうか?上手でした。

 

マクベスがその報告を受けたあと一幕が終了

 

ここから第二幕では、祝賀会が行われ、貴族たちが大勢出席していますが、

マクベスが座るべき席には、殺したはずのバンクォーが座っています。

見せ場ですね。

バンクォーの亡霊が見えるマクベスは、また魔女に会いに行きます。

ここで、マクベスはまた3つの大事なことを言われます。

・マグダフに気をつけろということ

・女から生まれ落ちたものにマクベスは殺せないとのこと

・バーナムの森がダンシネンに向かって動かない限りマクベスはほろびないこと

 

マクベスのお話では、一気に話が進みますが、実際にはマクベスは、

中々うまく統治していたらしく17年も王座にいます。

 

ダンカン王の息子マルカムは、イングランドでイングランド王を味方につけ、マクベスを攻めることを狙っています。

そこにいよいよバンコォーが殺されたことで、マグダフがイングランドに逃げて、マルカムを加勢をして、攻め上ります。

 

マクベス夫人もマクベスが亡霊に悩まされていたりするので、夢遊病のようになっています。夜中に歩き回り、起きていたら口にしないことを次々に口にします。

もう手を洗っても洗ってもぬぐえない血のり、バンクォーらの亡霊

 

それなのに、魔女から無敵のようなまじないを貰ったとマクベスは過信しています。

攻めていれば安泰とばかりにフォレスのマグダフの城に追手を行かせ、子供までも手にかけてしまいます。

 

あと、二つの呪いも裏があったと言う事で、マクベスは、殺される時に

フリーアンスに、バンクォーの子孫から王が生まれると言われたが、魔女の言葉を

そのままに聞いても裏があるぞと言い残します。

 

歴史を調べますと、バンクォーの息子フリーアンスは王にはなりませんでしたが、

何代かあとのジェームズが王になるようです。

そして、このジェームズの血脈が代々続くようです。

 

 

マクベスを観る前に海外ドラマ「アウトランダー」

をかつて観ていました。

このドラマでスコットランドに興味を持ったものですが、

この「アウトランダー」の中で1945年と1743年にタイムスリップするのです。

この主人公クレアは二度目の新婚旅行でアイルランドのインヴァネスを訪れ、

そこで18世紀に行ってしまいます。

インヴァネスの領主の保護を受けて、20世紀に帰ることを狙っている話です。

インヴァネスは、魔女がいるとクリアも教えられますが、なんかハムレットと共通点がありそうです。

18世紀のスコットランドは、未だにイングランドと戦っています。

イングランドの支配からスコットランドを独立させようとジャコバイトを結成して

1746年のカロデンの戦いに向かっていきます。

また観直してみようかと思っています。