ショートスティ先では、持ち物の説明があって、

前開きの服を用意して下さいと言われたが、

上着はともかく、下着は、前に骨折した時に購入した半袖の下着しかない。

 

今日やっておかないと明日は大変だぞと思いながらも

実家に着いたら

母がやはり映画が観たいと言うので

この日は

人生はマラソンだ」という映画を観ることにした。

 

コメディかと思ったら、しばらく観ていたら、

一人の人が血を吐いて

いやはやどうなることか母に見せておいて大丈夫かと思ったが

私は、いくつかのメールの返信をしなければならなかった。

 

そばで母が、あらあらとか、まあまあと言うのを聞きながら

最後の方は一緒に観た。

母にとって謎が残った映画だったようだ。

 

これが終わると、母が

もう遅いから寝なさいと言う。

母はベッドに入ったが、まだ九時

 

これは、朝までに三回は起きるなと思いながら

一応、布団の中に入り、その近くを片付けながら、

他のビデオを見ていたら、

「トイレ。痛い」

との母の声

「大丈夫?」

と声を掛けると

「誰? いつ来たの?」

「みんな家に帰っているんじゃないの? 

  ご飯作らなくていいの?」

「なんで、ここが痛いんだろう?」

「ベッドから落ちたの?」

次々に疑問が芽生えるらしい。

 

これが朝になると

「ねえ、大変、歯がなくなっちゃってる」

「なんで、ないんだろう?

  あ、痛い。脇腹が痛い」

「ちょっと起こして」

と痛い方の手でつかもうとする。

そちらも痛くてパニック

 

もうこんなことをしていたら、持ち物の準備なんて出来ないじゃない。

そう思いながらも

パジャマが二枚

下着が三枚

と揃えながら、夫々に名前をつけて準備した。