夏に観るはずだった舞台をwowowで観ました。

 

あらすじ

殺人犯の少女の妊娠判定に集まった女性陪審員12人の裏に隠された真実を、サスペンスタッチで描く衝撃作!予測不能のラストが待つ、英国演劇界の俊英が放つ傑作舞台。

コロナ禍直前の2020年1月に英国ナショナルシアターで開幕し、ロックダウンまでのわずかな上演にもかかわらず大喝采を浴びた舞台「ザ・ウェルキン」。WOWOWでは、吉田羊、大原櫻子ら実力派女優の集結により日本初上演した同作をいち早く放送・配信する。
脚本は、「チャイメリカ」で英国演劇界最高の栄誉ローレンス・オリヴィエ賞最優秀作品賞に輝き、「チルドレン」でトニー賞にノミネートされた英国演劇界の期待の劇作家ルーシー・カークウッド。演出は、ドラマ「俺のスカート、どこ行った?」の脚本が話題を集め、自身が主宰する「劇団た組」でも評価が高まる気鋭の加藤拓也が務める。
“妊婦は死刑を免れる”という法の下、殺人犯の少女の妊娠判定のために集められた12人の女性陪審員の思惑と、その審議の行方をサスペンスタッチで描く。猥雑で力強いエネルギーとユーモアに彩られながらも男性中心の社会を生きる女性たちの姿は、今なおジェンダー問題が問われる現代にも重なる部分が多い。そして、予測不能のラストはまさに衝撃!傑作の名にふさわしいステージをお見逃しなく!

wowowより

 

1759年のイギリス

ハリー彗星のやって来る夜に起こった事件。血みどろな少女は、殺人者として裁かれるが、唯一、妊娠していると言ったことで、12人の陪審員が集められる。

集められた女性たちは、そのほとんどが裁判の行方を見守っていた人たちで、裁判所に取り残された人たちなのだ。

少女の有罪か否かを決めるのではなくて、妊娠しているかいないかを判定するための12人。自らの妊娠体験を元に少女の妊娠を判定していく。

男性がいないと言う事で、赤裸々に語られて行く女性たちの本音のような話。

妊娠の症状、更年期障害らしい演者もいましたが、幸いにも更年期を気がつかなかったので、よく解らない。

そう、女性の身体なんて、女性たちだってよく解らない。共有できるようで、共有出来ない。キリスト教が根底にあるのでしょうか。妊娠したら、産まなければならない女性たち。

少なくともそういう点では、現代でさえ、思ってもみなかった妊娠とか聞くので

中々、そういうことに積極的に対処しなければならないのは、女性ということには、変わりないのかもしれず、不変の問題として考えていかなければならないことかと思います。

母乳が出れば、妊娠をしているのではないかと母乳を出させようとしますが、

母乳を出せば、子宮が収縮するわけで、妊娠中にそんなことをさせる。しかもまだわかるかわからないくらいの妊娠初期にするというのも恐ろしい世界だと思う。

妊娠を通して男性の在り方などを考えるというが、女性一人一人の妊娠に対する考え方が違うのも恐ろしい。

今は、妊娠する機会が少ないので、生理痛が以前よりきつくなっているとも聞くし、

40代くらいまでは、充分に妊娠期間なので、女性の苦しむ時間はかなり長い。

大して辛くないという人もいるかもしれないが、それでも体調は変化するので、色々大変なことはあるはずだ。

こんな大切な話をしているのに、12人の陪審員があまりにそれぞれなので、観ているのが辛くなってくる。

実際に舞台を観ていれば、その緊張感の中で集中できるのだろうが、テレビを通してだといささか長いし、明るい中で観ているのは、辛い。

今より男性に依存している時代。

白馬の王子様なんて夢に描いていた時代なのだろうな。

 

演者たちは、ほとんど同じ場面で長セリフの応酬。

セリフに気を取られていて、どんな行動をしていたのかと思うが

ほとんどの人が立ちっぱなしだったような舞台でした。

 

そして彼女たちを監視する男性もほとんど同じ姿勢で話すことも許されず

立ちっぱなし。

気を抜いたら大変なことになっていたというお芝居でした。