コメディかと思ったら、ドキュメンタリーみたいです。
初めは、リアル番組のようなおかしさを
狙っていたのでは?

<あらすじ>
妻を亡くして新たな生きがいを探していた83歳のセルヒオは、80~90歳の男性が条件という探偵事務所の求人に応募する。その業務内容はある老人ホームの内定調査で、依頼人はホームに入居している母が虐待されているのではないかという疑念を抱いていた。スパイとしてホームに入居したセルヒオは、調査を行うかたわら、いつしか入居者たちの良き相談相手となっていく。
この映画は、応募してきた80~90歳の人たちの面談場面から、始まる。
スパイなので、スマホが使えないとダメなんですね。本物のスパイみたいにカメラがメガネとかペンに仕組まれている?
もう、それだけで無理でしょ。
そしてターゲットの顔を覚えろって、無理でしょ。って、思ってしまった。
年を取るとみんな似たりよったり。ヘアスタイルもおんなじにされてしまうのですよ。(母の施設の場合は、そうだった)
それに名前も、入居するまで覚えてられるかしら
と、思っていたら、このオジイチャマ。
素晴らしいわ。女性が40人で、男性が4人って、ちゃんと調べあげて、なおかつ情報通そうな人に聞き込みしてる。
門のところで脱走を試みている人とか、家族が会いに来ない人にスタッフが家族のふりをして電話するとか、ターゲットのソニア以外も調べてしまう。
会いたい家族が、お母さんという人が何人かいるみたいだけれど、認知症の人がよく実家を求めて、出掛けて行くというのは、よく聞く話。
母親は、無償の愛に答えてくれると思っているからなのかな。
一駅でも二駅でも歩いて行ったとか、夫の義妹のお母さんは、よくバス停で見つかるらしい。
足を怪我していてもお構い無しと言う。
とはいえ、私の母は、お父さん子だったらしくお父さん、お父さんと言っていた。
25年も、この施設にいると言うペルタ。このスパイとして潜入したセルヒオに夢中。
女学生のように心ときめかすが、25年もいると言うのが本当ならば、今85歳と言うのが間違いなのか、25年と言うのが間違いなのか、はてなである。
家族に会えないで体調を壊すルピアには、越権行為をする。めまいがすると言うのに、介護士さんのところに行こうとか、余程焦ったのかな。
ところで、3ヶ月と言うことで潜入したのだが、
その間に、施設の周年記念日のようなものがあって、パレードまである。
母のところも、周年行事は外出だったが、夏祭りは、地域の人と交流したり、舞台で歌を歌ったりしていた。
利用者さんが亡くなり、みんなで見送るシーンは、母の時を思い出した。
母は、火葬場が中々空かず、施設でしばらく安置させて貰っていたのだが、部屋の前に祭壇を作って貰えたせいか、利用者さんや、スタッフさんが、次々にお別れを言いに来てくれたし、何度も来てくれる利用者さんもいて、手厚く見送って貰えたのを、思い出した。
セルヒオさんの出した結論に、厚い思いがした。
彼のやっていた事は、傾聴活動であり、カウンセラーとして、お金を貰っても良いような行為だったと思う。
彼は、入居する時も複数の家族が付き添い、
退出する時も子、孫が迎えに来て、良かったなあと思った。

父も施設に出掛ける時に、セルヒオさんのように、お洒落していたし、人の名前や住んでいるところやエピソードをよく覚えて来るので、もう少し若ければ、スパイに成れたかも。
あ、でも耳が遠いから、スマホの会話は大声で、筒抜けてしまう。
介護施設に親を預けっぱなしで面会にこないで、文句ばかり言っているいわゆるカリフォルニアの娘さんに観て貰いたい映画でした。
