父が部屋を掃除していて、一つのメモを見つけた。

「私は具合が悪いので、朝食の用意は
  申し訳ないが自分でして下さい」

と言うような走り書きだった。

父は
「これを書いたのは誰だ?」

母だと解ると、
「字が上手だ。こんなに字が上手だったんだ」
と、どうしても、その時の状況が
思い出せないようだ。

この年の夏、母は10キロ体重を落としてしまった。
電話口では、
「大丈夫、来てもやることないから」
と言っていた頃だ。

見た目、元気そうな親子なのかな?
動けないが理解されなくて

実家に着いた時一番に父から
「何で電話に出ないのよ」
と叱られ
「具合が悪かったので出られなかった」
と言ったら
「電話壊れているの?」
電話に気付かないくらい
具合が悪くて爆睡中が、解らないらしい。

母が父を頼っていたのも、解らなかったのかな?