金曜日の朝

毎朝のルーティンである

朝刊を取りに行った父が

リビングに戻って来て、

 

「新聞がないんだけれど、見なかった。」

 

これ、いつもよく言うセリフ

 

この日は何故か、私がリビングでラジオ体操をしていたので、

リビングの入り口で、そういったのだが、

どうせ、そこにつくまでの間、どこかにおいてきてしまったのだろうと

ラジオ体操が終わってから一緒に探してあげた。

でも、どこを探しても見当たらない。

リビングの入り口でそういったのだから、入り口までの間と思って、

玄関、洗面所、トイレ、父の事務室とくまなく探した。

 

すると父がいきなり新聞屋に電話した。

「なんか新聞を取ったのか取らなかったのかわからないのですが、

新聞がないのですよ。持って来てください

〇〇番地ののらくろパパの家です」

って

気弱な応対

しかも、留守電だったと心配そう。

 

持ってくるまでにともう一度探したけれど、

どこにもない。

一時間くらい経っても来ないので

父は

「もう(持ってこられる)人がいないのかな。新聞読めないのかな

ぼけたのかな」

って、かなりしょげ返っている。

 

そこで私が電話をしてみると、新聞屋のおばさんが出て

「先ほど電話した・・・」と言うか言わないうちに

「あ、のらくろさんですね。今持って行きます」

 

すみませんでしたと

持って来た新聞を父にわたすとだって

 

「あ、僕の勝ちだ。この重さの新聞を取った記憶はないよ」

 

 

だって

確かに最近では、めずらしくチラシが多かった。

 

でも、それよりも何も、年を取ると自分の記憶に自信がなくなる

なんかいい方法がないでしょうか。