科学的社会主義を構築したカール・マルクスとフリードリヒ・エンゲルスの若き日の活躍を描いた人間ドラマ。1840年代のヨーロッパ。産業革命が社会構造のひずみから経済格差を生み出していた。貧困の嵐が吹き荒れ、不当な労働条件がはびこる社会にいらだちを覚えていた26歳のカール・マルクスは独自の経済論を展開するが、その過激な言動により妻とともにドイツ政府から国を追われる。フランスへとたどりついたマルクスは、パリでフリードリヒ・エンゲルスと出会う。それはのちに、これまでになかった新しい労働運動を牽引していく2人の運命的とも言える出会いだった。監督は「ルムンバの叫び」のラウル・ペック
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「共産党宣言」1848年が誕生するまでの日々を描いている。
冒頭、森で木を拾う人々、枯れ木だったらいいのか、生木を取ったら盗みになるのか、窃盗と所有は、どう違うのかそんな提案がなされていると、この土地の所有者であろう馬に乗った人々が現れ人々を狩りつめて行く。
そんな時代だったのだ。
カールマルクスは、ドイツでジャーナリストとして政府を批判していたが、ドイツを追われ、フランスへと流れ着く。
一方のエンゲルスは、父親の会社で父親の代理人として会社に従事、父親の工場で、労働者が人件費を抑えるために、過酷な労働を強いられている様子を目の当たりにして、富裕層の立場と労働者の立場を比較しながら経済論を発表する。
フランスで二人は出会い、お互い足りないものを相手が持っていると友情を深めて行く。
二人の周りを支える女性に
マルクスには、妻のイエィニーがいるが、彼女は貴族の出でいながら、裕福な生活に幸福が見いだせず、マルクスの非凡さを買って応援していることに生きがいを感じている。マルクスの手堅い同志である。
そんな女性を演じているのが、「ファントムスレッド」であの主人公を振り回した元ウエートレスの奥様役をやった
ヴィッキー・クリーブスだ。「ファントム・スレッド」の時には好きになれなかったのに、この映画では、なかなか魅力的に映る。
そしてもう一人、エンゲルスの憧れの彼女には、エンゲルスの工場で働いて、労働者を先導したとして、辞めざるを得なくなったアイルランド出身の女性であるメアリー、彼女はあくまでも貧困層として闘う姿勢をつらぬくのだが、
すごいなとしか言えない。
いつもガツガツしているマルクス、いい意味でおぼっちゃまなので寛容なエンゲルス
相容れない感じなのに、お互いの才能を認めているので、彼らの思想はどんどん完成に近づく。
 
こういう映画は観てもわからにかなと思っていましたが、役者たちの好演で楽しめました。