表題の「海の見える理髪店」は
主人公が男性ですが、
他に集録されている作品の一つ「いつか来た道」は
女性が主人公で、しかも女性が書いたのではないかと
思うほど、女性目線で描かれている。
認知症の始まりはこんな感じだったような気もするし
これほどしっかりと認知症とは解らず
長く葛藤が続いたような気もする。
次の
「遠くから来た道」も、主人公が女性
自分が女性なのに
女の人って、こういうところあるよねと思わさせられてしまう。
ちなみに
本当に、著者は男なのだろうかとちょっとネット検索までしてしまった。
「空は今日もスカイ」では、小学三年生の女の子が主人公
男の子が主人公の方が書きやすいだろうに
と思う。同じ作者なのに、一冊の本を一気に読めないのは、いちいち頭を切り替えなければならないからだ。
この子は
英語をいとこから習っていると書いてあるが、
やたらと単語ばかり教えるところをみると
いとこも大して英語を教えるほどの英語力がある訳ではないようだ。
が、主人公は、新しい言葉を覚えて、見えているもので
英語で言えるものは、片っ端から言ってみる。
こういう時期に英語を始めると
照れがなくていいのかもしれない。
「時のない時計」
主人公が男性になると全く見えるものが違って来る。役者のような作者だ。
テーマとして家族を書いているのは、同じなのに
家族構成も全く異なり急に男くさくなる。
「成人式」
暗い話かと思ったら、最後笑える。
ふり幅広い。
随分前に図書館でリクエストをして、待ちの人数が多くて
やっと手元に届いた本だが、短編集なので、何が気になってリクエストしたのか
解らなくなっている。
どうやら第155回直木賞を受賞していたからだったのかもしれない。
芥川賞の「コンビニ人間」が面白かったからかも。
ちなみに夫は今「明日の記憶」を読んでいる。
たまたま同じ作者の本をそれぞれが借りているのは、なんか面白い。
