【解説】
カンヌ、ベネチア、ベルリンの世界三大映画祭での受賞経験を持つ名匠ジャファル・パナヒ監督によるユニークな人生賛歌。イラン政府への反体制的な行動によって、映画制作を禁じられたパナヒ監督自らタクシーの運転手にふんし、車内に設置したカメラで客たちの様子を撮影。監督と乗客の会話を通じ、情報が統制されているテヘランに暮らす人々の人生模様を映し出し、第65回ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞した。
【あらすじ】
ジャファル・パナヒ監督が運転するタクシーに、さまざまな境遇の客たちが乗り込んでくる。死刑制度について議論する教師と路上強盗、監督志望の大学生、金魚鉢を抱えた2人の老人など、個性豊かな乗客たち。彼らと監督との対話から、テヘランに生きる市井の人々の人生模様や、リアルなイラン社会が浮かび上がってくる。
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映画製作を禁じられた監督がタクシーの車内カメラを通して、イランの現実の世界を写し出そうとした意欲的な作品。
この映画を観る少し前に本年度アカデミー賞外国映画賞を取った「セールスマン」を観た。
とても美しい映画でイランに住む人々はこういう人たちだと思っていた。
 
ところが始まるなりなんか変な感じがした。
まず、タクシー運転手に扮する監督
髭がない。乗って来る乗客の男性にも必ずしもヒゲがある訳じゃない。
タクシーだからってタクシー乗り場がある訳でもない。
 
道路の車線が不思議だ。
両側は駐車スペースなのか?
人も車道に出ているようだし、
標識もよく解らないし、信号らしきものも赤いのがパチパチしている。
パナヒ監督は運転がうまいのだろうか、携帯にも出るし、前を見てない時もあるので、話そっちのけで、スリル満点だ(私個人の意見です)
日本のように、交差点らしきところも少ない。
こんなところを曲がるのと思われるところを曲がる。
車酔いしそうな映画である。
 
そして乗客がよくしゃべる。
好きなところで乗って来て、好きなところで降りるし、乗客が乗っているのに、新たな乗客が乗って来る。
日本だってタクシーに乗りあうことはあっても、
こんな風に途中から乗ったりしない。
乗客の中にはイラン国内では見られない外国映画の海賊版レンタルDVDでもうけようとする業者。メル・ギブソンとか、ウッディ・アレンが観られないなんて可哀想すぎる。
役者は違法なことに加担すると映画に出られないため、出ていないようだ。たとえばイランで上映可能な映画を撮影しようとする小学生の姪
彼女は映画を作りたくて常にカメラを回しているようだが、写ってしまうと困るようなことも多々ありなかなか大変そうだ。
これは映画なのか、ただの車載カメラの映像なのか、
撮影を禁止している政府から言い逃れをするための
工夫らしいが、乗客たちのマイペースさがせっぱつまった感じがしなくて良い。