1943年、太平洋戦争中、リーグ戦もなくなり、対戦する相手もないまま、練習にあけくれていた。いよいよ学徒出陣と言うことになり、学生たちに最後に早慶戦をさせてやりたいと慶應の学長が動き、出陣式の数日前に壮行試合として行われた。
それまでの約半年くらいの生徒やそれをささえる大人たちのドラマとして描いている。
『ひめゆりの塔』の神山征二郎が監督
出演には『男たちの大和/YAMATO』の渡辺大、
『美しい夏キリシマ』の柄本佑
柄本明、石坂浩二、山本圭、冨司純子
試写会に行くとタオルで出来たボールを下さり、資料も渡されてその配慮に
感謝しながら観たのだが、
最初のシーンが兄妹が一緒に道を歩くシーン。
妹が兄の腕を取って、兄が照れて怒るというシーンだ。
そのあとも戦争に行く長兄の写真を家族みんなで撮るというシーンで
撮り終わったあと、父親が娘に「背中を流してやりなさい」と言うのだが
キャピキャピした妹、威厳もない父親に一気に引いてしまったのだ。
そして主人公の渡辺大は、試写会に挨拶に来た彼は
日焼けして逞しく精悍な若者であったが、
映画の中の彼は丸顔で、アイドルの太川陽介のように見えた。
もうそうなったらなかなか映画の中に入っていかれず
練習風景で白球を追っている部員たちを観ると
健気な感じにはなるものの
違和感はぬぐいきれない。
あといよいよ試合直前に塾長のところに談判しに行った野球部監督が、
後ろ体重で対峙しているシーン。
首から上はお願いしている風なのだが、なんか偉そうというか捨て鉢な態度が
感じ悪く、
せっかくの応援合戦のシーンも彼が写ると感動が半分になってしまった。
そして試写が終わってのティーチ・イン
映画会社のプロデューサーと主演の渡辺大がやってきたのだが
大した拍手も起きず、話し始めるまで謙さんの息子だとは気がつかなかった。
やたら彼に低姿勢なPに椅子に背中をつけた状態で話し出す大くんに
圧倒されたのか自分から質問する人も感想を言う人もなく指名となった。
いよいよ最後の話となって、この映画の素晴らしさ、それを是非是非
大勢の人に伝えてもらいたいと言うことになると
今までとは一変、とても低姿勢で丁寧な話しぶりとなった。
退場の時は、謙さんと同じように両手を拝むようにそろえての深々としたおじぎ。
本当は好青年なのに、スタッフが持ち上げすぎるので感じ悪く見えたのだろうか?
昨日「徹子の部屋」 に出演していたが、感じ良かったし、
他の試写で観た映画好きな友達もいいと評価していた。
自分の目が腐っていたのだろうか。
気になって仕方がないけれど、また観る気もない。