全国神楽大会@豊後大野~1日目~ | いっちきち!やっちきち!豊後大野

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大分県のなないろベース(豊後大野市青年団)のブログです。活動のこと、豊後大野市のことを紹介します!

2015.3.21(Sat)12:00-@エイトピアおおの

こんばんは、事務局タカッチです!
本日・明日と、「全国神楽大会」@エイトピアおおので開催太鼓
(※出演団体など詳細は、↑をクリック:告知記事へ☆)
豊後大野市制10周年記念事業の一環で行われているそうです☆
また、3年に1度行われる豊後大野俚楽会 新春神楽大会も兼ねて行われているのでしょうか??
(前回が2012年2月開催→ちょうど3年にもなりますしね!)
ここ豊後大野市は、大野系岩戸神楽と呼ばれる、日本神話に基づいた演劇系神楽の発祥地ですからね
今回は豊後大野俚楽会に加え、県内は庄内・玖珠からも出演。
さらに(なおなお一封!(笑))、今回、遠くは北から岩手~岡山~島根~福岡と、県外の神楽座も出演!
まさに、全国・県内・市内の神楽を一挙に、あっ一挙に楽しめる、神楽好きにはたまらない2日間となっております☆

今回事務局タカッチは2日とも参加(予定)。身内も出演予定ですしね♪
そして、なないろベースメンバーも出演しております!
豊後大野市に関すること&郷土芸能(地域性あるもの)&なないろベースメンバーも出演・観覧ということで、弊ブログにてご紹介いたします!
なお、今回は1日目の模様をご紹介いたします☆

<演目表(1日目)>
(1)黒松神楽(豊後大野犬飼)「刀」
(2)朝地神楽(豊後大野朝地)「神逐」
(3)庄内原神楽(由布)「日割」
(4)細枝神楽(臼杵野津)「五穀舞」
(5)玖珠神楽神祇社(玖珠)「五穀舞」
(6)柴山俚楽(豊後大野千歳)「貴見城」
(7)豊前神楽黒土神楽講(福岡豊前)「神迎神楽」
(8)緒方神楽(豊後大野緒方)「八雲払」
(9)松尾神楽(豊後大野三重)「岩戸開」

(1)黒松神楽(豊後大野犬飼)
 犬飼町黒松阿蘇神社所属の浅草流神楽。
 150年前に、大野町から伝わったそうです。
☆「(つるぎ)」
 天の岩戸開きも終わり、無事再びこの世に光が戻りました☆
 そのことを寿ぐ演目。刀で喜びの舞いを奉納されます。
 軽快な浅草流。黒松神楽のみなさまも元気かつ軽快に舞われておりました☆
 
(2)朝地神楽(豊後大野朝地)
 朝地町深山八幡社発祥の深山流神楽継承。36番の演目数は、大野系神楽で最多。
 昭和41年に県無形民俗文化財指定。
☆「神逐(かみやらい)」
 高天原(たかまがはら:神々の住む世界)で悪さをしてばかりのスサノオノミコト。
 その悪行に怒った八百万の神々が、スサノオを高天原から追放する演目。
 スサノオVS八百万の神々の、場外を含めた(!?)攻防は、迫力もありユーモアもあり(!?)、人気のある演目です♪
 
 
(3)庄内原神楽(由布市庄内町)
 豊後大野市同様、神楽が盛んな由布市庄内町。
 現在、子供神楽座含め12の神楽座があり。
 庄内原神楽は、庄内系神楽(浅草流)を継承。
 昭和2年に小原神楽座→昭和51年に庄内原神楽保存会へ。
☆「日割(ひわり)」
 1年の暦を日で分ける、中国易経取題の演目。
 まず四季に分ける(東西南北の神々に各四季を与える)→各式から18日(計72日)を土用として、中央土の神に分け与えられました。
 土の神(荒神)が、「日を分けてくれー!」と、棒を叩きながら迫る仕草に迫力あり!
 また、庄内系神楽は元気があり、より一層迫力が増します!
  
(4)細枝神楽(臼杵市野津町)
 日吉神社所属の浅草流神楽。
 旧大野郡俚楽会に所属(野津町も10年前まで大野郡)で、現在も豊後大野俚楽会に所属。
 若手も多く、青少年健全育成や後継者作りにも励まれているようです。
☆「五穀舞(ごこくまい)」
 先述:神逐で高天原を追放されたスサノオノミコト。
 そこで保食神(♀)を発見。保食神は、体の各穴から食べ物を出して、八百万の神々へ提供。
 その光景を目の当たりにしたスサノオ。
 スサノオ「汚らわしい!」と怒り、保食神を斬り殺してしまいます。
 すると、保食神の遺体から、五穀の種が生じます。それを田畑に蒔く演目。
 細枝神楽は、八雲払と同じスサノオ面&保食神を姫(女神)で演ずるという、神話を忠実に再現されている印象でした☆
 餅まきもおこなわれ、会場は盛り上がりました
  
(5)玖珠神楽神祇社(玖珠町)
 起源は300~600年前と言われます。
 宮崎県高千穂より伝承された日向系神楽のようです。
 昭和41年に県無形民俗文化財指定。33演目を継承されています。
☆「五穀舞(ごこくまい)」
 先ほどの細枝神楽は、大野系の五穀舞。
 玖珠神楽は日向系。同じ演目名でも、内容が異なります。
 こちらは、五柱の神々が登場。五穀を採物とし、口上を唱えます。
 大野系(演劇的)とは異なった、神事的で厳かな舞に魅了されました♪
(6)柴山俚楽(豊後大野千歳町)
 ひょうたんさまのお膝元、柴山八幡社所属の神楽。
 浅草流神楽継承で、テンポの速さや舞の激しさが魅力の一つ。
 なお、「数多ある神楽座の中で、最も男前の多い神楽座」との紹介もあり(!?)
☆「貴見城(きけんじょう)」
 海幸彦・山幸彦の兄弟神に関する日本神話。
 兄:海幸彦から借りた釣り竿で海釣りをしていた弟:山幸彦。
 なんと、釣り針を海に失くします…。
 怒った兄:海幸彦は、弟:山幸彦に、釣り針を返せと迫ります。
 弟:山幸彦が海で途方に暮れていると…海から、シオツリノカミ登場。
 山幸彦を海中の宮殿(=貴見城?)に連れていきます。
 そこで、トヨタマヒメと出会い、そして釣り針を発見します。
 今回は、豪華8人立て!しかも激しい柴山神楽の舞!
 舞い方も、お囃子も、会場のボルテージを高めました!
 
(7)豊前神楽黒土神楽講(福岡県豊前市)
 明治7年廃止の豊前国旧上毛郡の社家神楽が、明治9年に伝承されたもの。
 この社家神楽、17世紀初頭:修行僧による伝授(密教色強い神仏習合)→18世紀:吉田神道による脚色化(神道色強い神仏習合)→19世紀:国学思想(排仏思想)の影響を受けたそうです。
 長い歴史・多くの神仏の影響を受けている神楽なんですね。
 平成11年に福岡県無形民俗文化財指定。子供神楽もあり。
 1日目唯一の県外神楽座です☆
☆「神迎神楽(かんむかい/かむかいかぐら)」
 天孫降臨の一場面に関する演目のようです。
 勧請弊(榊のような立て弊)=ニニギノミコト、登場神はアマノウズメ(弊)と随神(刀・長刀)、そして面をつけたのは猿田彦など国津神(人々の住む世界を治める神)です。
 お囃子、衣装、舞のスタイルなど、大野系神楽とは明らかに異なります。
 神事的な神楽の印象を受けました。舞い方は若手のようで、豊前でも若者が頑張っていらっしゃいますね!
▽ニニギノミコト(右の立弊)とアマノウズメ(左)

▽随神を連れて御幸も、道中で数々の国津神と出会い、攻防戦!?
 
▽最後に現れた国津神とは、意気投合したようで(笑)
 天孫一行を先導することから、猿田彦なのでしょうか?
 
(8)緒方神楽(豊後大野緒方町)
 緒方川越まつりのお膝元、緒方一ノ宮・二ノ宮・三ノ宮社所属の御嶽流神楽。
 御嶽流神楽の中でも、特に激しい舞・勇壮で重厚感ある太鼓の音が特徴的です。
 昭和41年に県無形民俗文化財指定、昭和52年の第1回大分県神楽大会で第1位の実績あり。
 緒方神楽全33演目をいち早く映像化し記録に努め、伝統を守る&先見性も高い神楽座と言われます。
☆「八雲払(やくもばらい)」
 高天原を追放されたスサノオノミコト。
 出雲の簸の川沿いを歩いていると、娘(櫛稲田姫)を抱え泣く老夫婦の姿あり。
   理由を尋ねるに、「毎年、八岐大蛇に娘を飲まれる→この娘もいよいよ大蛇のもとに…。」
 スサノオ「よし、娘をわしに嫁がせることを条件に、八岐大蛇を退治しよう!」 
 そして、スサノオは八岐大蛇を無事に退治し、櫛稲田姫と結ばれるという神話です。
 大蛇=綱で見立て、真剣でズバッと斬るのが大野系神楽の大きな特徴!
 緒方神楽は、さらに斬った大蛇頭を振り上げて激しく舞いあげるなど、かなり勇壮な舞をされました!
  
(9)松尾神楽(豊後大野市三重町)
 臼杵藩領であった三重の地にありながら、三輪流(臼杵)を継承せず、大野系(岡藩)浅草流を継承。
 昭和52年に大分県指定無形民俗文化財。
 現在は子ども神楽を継承し、青少年健全育成や後継者育成に励まれる元気ある神楽座です!
☆「岩戸(いわと)」
 スサノオの悪行を憂えた、姉:天照大御神(太陽神)は、岩戸に籠ります。
 すると、世の中は暗闇となります。
 そこで、八百万の神々は天安河原に集まり、天照を外に導くための方策を考えます。
 ここで、知恵の神:思兼神が案を練ります。
 例えば、妖艶なアマノウズメが、岩戸の前で艶やかかつユーモラスに踊ります。
 それを見た八百万の神々がヒュ~ヒュー盛り上げます!
 すると、天照「世は暗いはずなのに、なぜこんなにも外は賑やかなのじゃ??」
 不思議に思った天照が、岩戸の隙間から外をのぞいた瞬間
 …力の神:手力雄命が、岩戸を一気に開け、天照を外に導きだす=世に再び光が取り戻された物語です。
 松尾神楽は、若手~ベテラン一体となり、再び世に明かりを灯さんと頑張って奉納されておりました☆
▽八百万の神々と、アマノウズメ(中央)
 
▽手力雄命が岩戸を開けようと頑張ります!
 
▽そして、無事に岩戸が開き、世に明かりが灯りました☆
 なお、神楽通(?)は、岩戸が開いた後、楽員と一緒に、二拝二拍手一礼します。
 ぜひ参考までに覚えてくださいね♪(笑)
 
…と、1日目終了です!
本日は地元メイン(+周辺部)とのこと。
県外の豊前神楽や、市外の庄内原神楽・玖珠神楽。
やはり豊後大野の神楽とは大分違いますね(庄内原は大野系に近いですが)。
また、同じ市内・大野系でも、神楽座によって微妙に舞いなどスタイルが異なります。
この違いが、各神楽座や地域の持ち味・特色ですから、面白くてよいものなんですよね
今日・明日と、たくさんの神楽を堪能できる…神楽好きには堪らないですよね
神楽座の皆様、主催者の皆様、本日はありがとうございました&明日もよろしくお願いいたしますm(__)m


なお、明日も10時~@エイトピアおおので2日目開催☆
明日は、県外の神楽座メインです。
参考までに、演目表です↓
(1)浅草・犬山神楽(豊後大野大野)
☆「神逐(かみやらい)」
(2)大土地神楽(島根)
☆「荒神(こうじん)」
(3)大木神楽(豊後大野千歳)
☆「地割(じわり)」
(4)奥畑神楽(豊後大野三重)
☆「五穀舞(ごこくまい)」
(5)備中神楽美栄社(岡山)
☆「国譲りの舞」
(6)石見神楽久城社中(島根)
☆「大蛇退治(おろちたいじ)」
(7)早池峰大償神楽(岩手)
☆「天降り」
(8)御嶽神楽(豊後大野清川)
☆「高御座(たかみくら)」
(9)松尾神楽(豊後大野三重)
☆「八雲払(やくもばらい)」
(10)大迫神楽(豊後大野千歳)
☆「岩戸開(いわとびらき)」

以上、全国神楽大会@豊後大野1日目の模様でした☆
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