ご訪問ありがとうございます
訪問介護をしていた頃
取り憑かれたように
1日2食、カレーヌードルを
食べ続けた男性利用者さんが
いました。
一緒に暮らしていた奥様と
奥様の妹を亡くし
独居生活を続ける中
耳が遠くなったタイミングで
訪問介護を利用するようになり
結果的に私は8年関わりました。
8年の内に歩けなくなり
尿道カテーテル＋リハパンで
最後の2年を過ごし
買い物や洗濯、掃除に
カテーテル交換や
どんどん進む骨粗鬆症の
通院介助・・・
週3回やることいっぱい
家の中では這って移動してるような
状態だった為、台所もトイレも使えず
冷蔵庫にも手が届かないということで
調理の仕事は無し。
ある時、近所の方から
カップ麺を差し入れで貰い
食べたいと言うお爺ちゃん。
頂いた何種類かを食べて
カレーヌードルに目覚め
来る日も来る日も
買い物で頼まれるのは
カレーヌードル
朝と夜の1日2回
カレーヌードルしか食べず
さすがに身体に悪いかなと
思ったものの
世の中にこんな便利で
おいしいものがあるんだ
毎回満面の笑みで
食べる姿を見て
複雑な気持ちに。
戦争に行った世代
当時既に91歳だったこの方は
よく昔むかしの写真を見ては
戦地での悲惨な思い出を語り
私の祖父もまた
戦闘機に乗っていた時の事を
死ぬまで話してた人だったから
あーだこーだ言う気にもなれず。
だってこの歳にして初めて
お湯を入れて食べるラーメンの
おいしさを知ったんだもの。
他のヘルパーは
健康面に配慮した食生活を
考えるべきでしょ
って言ったけれど
この感覚が普通だとは思います
私が心配したのは
お財布の問題だけ。
年金は結構な金額だったけど
家賃や光熱費に雑費
介護サービスにかかるものを
払えば
訪問介護＋デイ利用
毎日カップヌードルだって
キツイよね・・・と。
ケアマネが
年齢が年齢だから
本人がどうしてもと望むなら
経済的に許す範囲で
飽きるまでカップ麺でも
私は構わないと思う
そう言ってくれたので
それならばと
近所にあった西友にGO
西友のPB
みなさまのお墨付き
当時は100円以下だったから
試しに食べて貰いました。
これも十分おいしいよ。
お湯を入れただけで
食べられるから
ひとりでも出来るし
食べたくもないおかずが
入った弁当なんかより
俺はこっちがいいんだよ。
これが旨いんだ!!
他のヘルパーからの勧めで
高齢者用の配食弁当を
一週間のお試しで頼んだけど
継続を断り
結局、半年間ずーっと
カレーヌードルを食べ続け
そこでようやく飽きました。
そしてその次はファミマの豆パンに
ハマったのである・・・
徐々に認知症が進み
尿道カテーテルを自分で
引っこ抜き、部屋が血だらけに
なっているなんてことも続き
やがて感染症から入院
93歳で天に召されました。
入院前に
安いヌードルを買ってまで
食べさせてくれて感謝だよ
あの半年は最高だったなー
いい笑顔で言ってくれた事を
覚えています。
認知症だってこういう記憶は
ちゃんとあるんだよ。
子供がいない方でしたし
キーパーソンは顔も名前も
知らない姪っ子で
仙台からは遠く離れた土地に
いる上に、連絡がつかない
状態でした。
90過ぎて
部屋を這うような
独居生活を見ていたら
週に3回、決まった時間しか
訪問しないヘルパーが
身体にいいものを食べましょ
って言うのもどうなんだと
思ったり
この先、どれだけの時間が
あったとしても
楽しいも嬉しいも感じられない
生活より
目の前のカレーヌードルだ
その方にとって
「今はコレ!」が満足出来れば
人生の最後は幸せなのかも
知れません。
食べる楽しみって
歳を取っても
例え認知症があっても
最後まで大切なのだと
私は思うのでした。
資生堂パーラーは
カレーもスイーツも
喜んで頂けます♪
私も好きですww
