お盆の中日・・・(そんな言い方あるのかな)

 

家で、なんとなくテレビを見ながらふと・・・

父と母の真ん中に娘がいる・・・そんな3人の姿が目に浮かんだ。

「あぁ、一緒にいるんだ」と思った。

 

そして同時に、父と母のことを考えた。

 

父は、私が24歳のとき癌であっという間に死んでしまった。

定年退職をして、これから第二の人生だという矢先に逝ってしまった。

運輸省の大きな船に乗っていた機関士だった父。

戦時中は海軍として出兵したと聞いている。

ちょうどこの時期は、戦争物の番組なども増えるが父から直接戦争の話を聴いたことはない。

でも一度だけ・・・

昭和天皇が崩御したときの、複雑そうな父の表情と言葉が忘れられない。

 

本家の長男の家に、娘しか生まれなかったので姉の子どもが男の子だったときは、傍から見ていて笑えるほど目を細めて孫を可愛がっていた。

私は嫁入り前に父がいなくなってしまったので、私の子どもを見てもらえることは叶わなかった。

でも、息子が生まれて4日目の朝方・・・男子が生まれたことをとても喜んでいる姿を夢で見せてくれた。

私は自分の泣き声で目が覚めた。

その日は、月命日で・・・その時間は亡くなった時刻だった。

 

 
母は、60歳で未亡人になり、その後ずっとひとり暮らしをしながら92歳で天寿をまっとうした。
昨年の8月19日のことだ。
 
昨年、母を送ったときは・・・
私はもうしっかり大人だし、大往生の母を娘として送れてホッとした気持ちもあった。
ただ悔いが残るのは、コロナ禍で思うように面会させてもらえず、ひとりで逝かせてしまったことだ。
「さみしかっただろうな」と思うと、かわいそうで申し訳なくて今でも涙が出る。
 
私は今、娘が好きなものを仏壇にたくさん並べて想いを馳せているが・・・
父や母は、何が好きだったんだろう?とふと思った。
好きな食べ物くらいはだいたいわかる。一緒に食事をしてきたので。
でも・・・
父や母は、何が好きで何が嫌いで・・・
どんなことに感動して、どんなことに傷ついて・・・
なにを望んで、なにを失って・・・
どんな人生を送ったんだろう?
 
子どもって意外に親のことを知らない
 
親もひとりの人間。
父や母である前に、ひとりの人間。
どんな人生を歩いてきたのか・・・もっと興味を持って話を聴けばよかった。
 
まだ親御さんがご健在であれば、ぜひお父さんやお母さんの人生の話を聴いてあげてください。
人生を共有することは、なによりも親孝行になるはず。