転院先となる病院と面談だった。

24時間管理の人工呼吸器や胃ろうなど、これ以上ないレベルの看護を必要とする娘のような子を受け入れてくれる病院は愛知県周辺では二軒しかなく・・・あっちがいい、こっちがいいと希望を言える環境にはないとワーカーさんに言われた。
そのうちのひとつが受け入れてくれるということで面談に行った。
そこは、まだ新しく自然に囲まれた静かな場所に合った。
担当してくれた相談員さんも優しく感じが良かった。

料金のことを説明されたわけだが、とどめは・・・
・この病院に入院している間に急変をしても他の病院に搬送はしない(延命措置はとらない)
・面会はいっさい禁止。次にリアルな娘に会えるのは危篤になってからしか面会できない。

どちらも親としては目の前が真っ暗になるくらいショッキングなことだ。

「触れたらあたたかいのに・・・そのぬくもりだけが今となっては娘の生きている証なのに・・・。転院させたら次に触れられるのは危篤になってからなんてありえない。嫌だ、絶対嫌だ。」

「在宅でみてやれないでしょうか?」と聞いてみた。
「人工呼吸器は夜中でも30分おきくらいに痰の吸引の必要があります。お母さん寝られませんよ。家ではモニターをつけるわけでもないから昼間でも10分たりとも目を離せませんよ。介護要員が3人くらいいればできないこともないですが・・・。長時間ヘルパーを入れるとなると一日何万円もかかります。若いから介護保険が使えないので介護ベットや人工呼吸器や痰の吸引器などはすべて買い取りです。できますか?」
私は答えられなかった。

呆然としている私に助け船のように最後にこんな話も出た。
「もうひとつ方法があります。ナーシングホームという種の施設に入れるというやり方です。人工呼吸器の患者さんもうけいれてくれるところもあって、施設なので面会頻度はそれぞれです。少しでも会わせてもらえるようなところを探すのも一つの手ですね。その代わり月に20万前後かかるかもしれませんけど・・・」

どちらにしても、ハードルの高い道である。

どうしたらいいものか・・・

何か良い方法はないでしょうか?
一日でも多く娘に触っていたいんです。
まだあたたかい娘の手を握っていたいんです。