年も明け、成人式もすみ、私もそろそろ日常を取り戻さないといけないのかもしれない。

そうは言っても、娘の状態は何も変わらず…
先の見通しもわからない。
相変わらず一日おきに娘の様子を見に行っているけど、姿を見るたびに心臓の奥がギューっとなり…慣れることはない。

でもかといって、泣き喚いたりしてヨレヨレにもならない。
わぁわぁ泣けたなら、どんなにいいだろうと思うこともある。
でも泣かない。

12年間の日々が私をそうさせているんだと思う。いちいち泣いていたら、これまでやってこれなかっただろう。
いや、これまで生きてこれなかっただろうと言っても大袈裟じゃない。

最初の頃は、泣き暮らしたこともあった気がする。でもこう言われた「泣きたいのはこっちなんだよ」と…
そう言われたら泣くわけにはいかないし。

泣くのを我慢したら「こっちが苦しんでるのに平気な顔してんじゃねえよ」と言われ…

じゃあどうしろというんだ?と思ったことがある。
当時の主治医からは「とにかく淡々と目の前のことをこなしてください。一喜一憂しないでやるべきことを淡々とやるようにしてください」と言われたので、私はそれに従った。

朝起きたら、娘の部屋中が血の海だったことがある。床も布団も…
血でベトベト。
「なんで?」と心が折れそうだったけど、淡々と血を拭いて布団のシーツを洗った。
その頃から、私は自分の感情を捨てた。
悲しいとか苦しいとか…
思わないように、感じないようにしてきた。

その後、ほんとうにいろいろなことがあったけれど…私はもう涙を流さなかった。