S side





茹だる様な暑さ

ギラギラと照りつける太陽

ミンミンと喧しく鳴く蝉の声




今年も夏がやってきた。





--俺の大嫌いな夏が。









「翔ー、時間ー!そろそろバイト君を駅まで迎えに行ってやってよ。」



ここのオーナー兼シェフを務める拓哉さんが厨房で食材の下拵えをしながら、フロントでぼんやりと外を眺めていた俺に大きな声で言った。



「わっ、もうそんな時間?拓哉さん、結局バイト何人来るんでしたっけ?」



慌てて厨房に顔を出し、拓哉さんに確認する。



2人だったけど、1人は中居んとこに行って貰う事になったから、1人だな。」


「了解~!」



目の前にはエメラルドの海、背後には緑豊かな山。

ロケーションに恵まれたここは、古民家をリノベーションしたこじんまりとしたペンションで、夏以外は本場仕込みのフレンチが売りの、隠れ家的なレストランとしても人気があった。


所謂、リゾート地と呼ばれるこの辺りは、ホテルやペンションが密集して建ち並び、繁忙期には地域の組会が纏めてバイトの求人をしていて

今日から夏休み限定で、このペンションにも住み込みのバイトがやってくる。



「待って、ショーン!」


「隆太さん、何?」



厨房を後にし、車のキーを手にして出掛けようとすると、今度は隆太さんに呼び止められる。



「いい?バイト候補が二人居るんだから、イケメンの方をこっちに連れてくるのよ?このペンションが人気があるのは、拓哉さんの料理とアタシのスイーツが美味しいからだけど、拓哉さんを筆頭に、アタシとショーンって言う半端ないイケメン揃いなのも理由の一つなんだから。」


「はぁ?んなのどうでもいいじゃん」


「良くないわよ、このバカっ!不細工がいたらお客様のテンションもアタシのテンションも下がるのよっ!いいわね?バイト候補がもし、どちらもイケメンだったら綺麗な方でお願いよ。アタシの目の保養にもなるんだから。」


「・・・へいへい。」



俺をバカ呼ばわりするこの人は、可愛くて美味しい、目に良し口に良しのスイーツを作ると評判の、パティシエとしてこのペンションで働く隆太さん。


見た目は男らしいイケメンなのに中身はオカマ。

(因みにオカマって呼ぶと、せめてトランスジェンダーと言えとグーパンで殴られる。)



『アタシは可愛い系より、端正な顔の男の子が大好物よ。あら、ショーンの顔も悪くないわね・・・



なんて怖い事を真顔で言ってくるけど、仲間内には手を出さないのが隆太さんの流儀で、観賞用として職場でも綺麗な男を侍らせたいだけらしい。

それに、世話好きな楽しい人で、常連さんの恋愛相談なんかにもよく乗ってあげていて、皆から姉のように慕われている。



「車間距離しっかり取ってね!車の運転に気をつけるのよ~!」


「ほい、行ってきまっす!」



期待いっぱいギラギラした目をした隆太さんに見送られ、俺はここから少し離れた駅へと車を走らせた。



俺が雑用係として拓哉さんのペンションを手伝うようになって、今年で何年目になるんだろう。

ずっと休学している大学も、そろそろ休学期間が過ぎてしまう頃かもしれない。 




「ん?あそこに立ってるの・・・中居さんか。」



駅前のロータリーに車を停め、見知った顔がいる方へ歩き出す。

タクシー乗り場の近くで、大学生くらいの男2人と立ち話をしているのが、民宿を営む中居さんで



「あの二人が今回来たバイトって事か・・・」



色白小柄で、一見女かと思うほど中性的なやつと、

もう1人のやつは、遠目から見てもハッキリした顔立ちが際立つ、綺麗な顔をしていた。




「隆太さんの好みは・・・あいつかな。」




この日の出会いが

ずっと前にも後ろにも進めず

毎年訪れる夏を只、やり過ごしていた俺にとって

かけがえのないものになって行く事になったんだ。






サア、ハジメマショウ!J.Y.Parkデス。(言いたい)



モタモタしてたら、もう涼しくなって来てますけども。

9月中に書き上げたかったお話、始めます。

急いで書いたら夏の終わりに間に合うかな?←


途中のお話を三本抱える事になるので、わっちゃわちゃーの

ぐっちゃぐちゃになってきましたが、書けたお話から上げて行きます。

だらしない女でごめんねー( ̄▽ ̄;)


なので、お話優先でコメント欄は少し閉じさせてもらいます。

皆さんから戴くコメントが、私の書く活力なので寂しいんですが、いやはや、これは間に合わない。

色々、私のスキルでは間に合いそうにないー。

ノロマな女でごめんねー( ̄▽ ̄;)

区切りが付いたら、また開くからねー♡



デハ、マタアイマショウ!

J.Y.Parkデシタ!(言いたい)