マレーシアは車社会だ。歩道が全くない道路も多いし、あっても途中でぶっつり切れていたりする。歩行者用の横断歩道はほとんどないし、歩行者よりも車が優先される。自動車専用道路が立体的に張り巡らされていて、交差点はほとんどが立体交差かラウンドアバウトと呼ばれるロータリーになっている。地図上でルートを想定しても、その通りにはまったくたどれない。徒歩でも車でもナビがないとどうにもならない。

 

到着直後は車がないので、徒歩圏内に最低限の商業施設があって、電車の駅も近い所でコンドを借りた。車検のない国で中古車を買うのはリスクが高いので国産の新車を買うことにしたが、世界的な半導体不足の影響で納車まで4か月待ちと言われた。2月の下旬まで車のない生活を頑張ってみたが、納車まで先が長いのでレンタカーを借りることにした。いよいよマレーシアで運転だ。

 

イギリスが統治していた関係で、外国とは言え日本と同じ右ハンドル左側通行。ラウンドアバウト以外は交通ルールも変わらないし楽勝のはずなんだが、運転を始めるとすぐに特有の障害がわかった。命知らずなバイク集団だ。

 

 

マレーシアはコロナ禍で厳しいロックダウンを実行した。その時一気にUber Eatsみたいな出前事業が拡大した。Uberはタクシー配車事業をマレーシア発のGrabという会社に売ってとっくに撤退しているのでGrabFoodだ。そしてこのGrabFoodやFood Pandaなどの出前バイクが今もすごい数で街中を暴走している。右の写真なんて全部GrabFoodだ。

 

こういう出前に限らず、バイクは信号無視や一方通行の逆走なんて当たり前だ。バイクは信号無視していいことになっているのかと勘違いするほどだ。すれすれのところや車線変更中の車めがけて右から左から追い抜いてくる。当たってもいいやと思っているに違いない。

 

私は一応自動二輪の中型免許を取得しているので、昔から車線変更はいちいち目視する方だが、この国では目視が必須だ。いつ何時、死角から襲ってくるかわからない。

 

普段は夫が運転しているので、これまで何回かしか運転していないが、いつかあいつらと接触事故を起こしそうで運転するのが怖い。頼むからもう少し命を大切にしてくれ。そうしてくれればこっちも助かる。