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トニー賞4部門に輝いた“ミスター・ミュージカル”ソンドハイムの傑作、日本初演「パッション」Passion 

幕開けからすごいベッドシーン。背中が!肌が!キスもいっぱいでドギマギ!

1980年制作のイタリア映画『パッション・ダモーレ』をもとにミュージカル化され、94年にブロードウェイで初演、トニー賞4部門(最優秀ミュージカル作品賞、主演女優賞、脚本賞、楽曲賞)に輝いた傑作を、宮田慶子演出により、日本初演。

「ただ愛すること」が愛なのか?「ひたすらに愛されること」が愛なのか?19世紀のイタリアを舞台に男女の奇妙な三角関係を描く、主人公ジョルジオを演じる井上芳雄をはじめ、和音美桜、シルビア・グラブ、そして福井貴一と、 ミュージカル界きっての実力者たちを集め、ミラノを舞台にめくるめく男女の愛を描くソンドハイム・メロディ

<ストーリー>
19世紀のイタリア、ミラノ。騎兵隊の兵士ジョルジオ(井上芳雄)は、美しいクララ(和音美桜)との情熱的な逢瀬に夢中になっている。しかし、ほどなくして、ミラノから辺鄙な田舎への転勤を命じられ、その地で上官リッチ大佐の従妹フォスカ(シルビア・グラブ)に出会う。病に冒されているフォスカは、ジョルジオを一目見て恋に落ち、執拗なまでに彼を追いかけるようになる。クララへの愛に忠誠を誓い、フォスカの愛を受け入れないばかりか、冷たくあしらうジョルジだったが、やがて......。

ブロードウェイで、主演(ダブルヒロインのひとり)の女優の役柄が醜いという設定は話題になったそう。

<井上芳雄さん「おけぴ」インタビューより>

「オペラ座の怪人をやりたい。今回の役は、立ち位置としてはクリスティーヌ側ですけど(笑)」

「ソンドハイム作品は初めて。音楽の印象は、キャッチーではない。何回聞いても覚えられないような、そしてみなさん難しいとおっしゃる(笑)。実際、メロディラインも「こう進むだろうな」という予想を裏切るようなところがあり、“生きる、生きている”ということもそうだと思う。単純でないところが、人間の心の深さや機微を非常によく表している。ソンドハイムが玄人受けする理由はそこにあるのでは」

「トート(『エリザベート』)もセクシー系、今年はセクシーに特化していこうかなと(笑)。チラシだけでなく、オープニングナンバーから刺激的。日本ミュージカル界の歴史を塗り替えるような・・・オープニングから脱いでいるという。どこまでやるか!オープニングナンバーで思い切り脱いで、「やるなー」と思わせたい(笑)」



すごいー!井上芳雄&和音美桜のラブシーン、ベッドシーン、キスシーンが凄かった!!ご本人談の様に「そこまでやるか」という感じで。あんなにしててお互い好きにならないのかな・・・

シルビア・グラブさん、怖かった・・・

1幕は激しいラブシーンと怖いシーンの連続・・・

休憩時間、重い感じ・・・

2幕で「え?そうくるの?!」というグイングインする展開で、井上芳雄クンの魅力満載!!

フォスカの主治医でもある駐屯地の軍医・佐山陽規(さやまはるき)さんも良かった。

【シアタートークショーの模様一部】

新国立劇場では”アフタートークショー”を”シアタートーク”と言うそうです。アフタートークがある公演でないチケットを持っている方もアフタートークに参加できるという画期的な催し。しかも1時間のトーク!!!

終演後、シアタートークがあるのに帰る方が沢山。帰られた方の空席に他の日のチケットを持った方が座ります。

出演:宮田慶子(演出)、井上芳雄、和音美桜、シルビア・グラブ

司会・中井美穂

@新国立劇場では新シーズンのスタートは秋。そのスタートが「パッション」

@宮田慶子氏はソンドハイムの作品は二度目。ミュージカルやらないのと言われており、作品を探していた。パッションの台本、楽譜を取り寄せ、映画も観た。

@ソンドハイムは85歳。ミュージカル界のレジェンド。フォスカの歌は気が狂いそうになる。曲は安心して聞いていられない。感情に惹き付けらると音がズレる。気持ち良く歌えるのは3曲。

@ソンドハイム指定通りの楽器、指定通りの人数でフルオケに入ってもらった。

@歌っている俳優さんがどれだけうまいか。歌、演技力託せるメンバー。叶った夢のキャスト。

@新国立劇場でオーケストラピットは珍しい。フルオケの音を包み込んでくれる。

@「パッション」は100年以上前に書かれた小説。三角関係のドロドロの中、作者は執筆途中で亡くなり、途中からはご友人が書いている。

中井美穂「どこから書いたんでしょうね。ミュージカル、薔薇、パッションときて、そこでそれいく~~~?!なんでなんでなんで???えーーーーっ!みたいな展開で(笑)」

4人でシアタートークに、マイクが3本。

井上芳雄「信念はトークショーはひとりマイク1本(笑)トークショーで生きているんで(笑)歌を覚えるまではふざけんじゃねーよ!と思った(笑)ボク、芸大出てて(笑)国立で(笑)音がとれない」

和音美桜「合ってると思ったら違う」

井上芳雄「稽古場、お通夜みたい」

中井美穂「シルビアさんの叫びで1幕が終わりますが」

井上芳雄「拍手できない」
(笑)

シルビア「とにかくカウントとれない。3本の中で一番難しい。指揮者に今!今!って合図」

井上芳雄「指揮者見ないと歌えない」

シルビア「あとはあてずっぽ」
(笑)

井上芳雄「指揮者は見なくていいミュージカルが多いですが、これは見ないと歌えない」

シルビア「しかも、芝居しないといけない」

井上芳雄「ジョルジオの気持ちわかる。初日に母親が見て、あんたにぴったりの役って(笑)」

宮田慶子「板挟みで苦しむどうにもならなくなるのが似てる(笑)」

井上芳雄「最後に真実を見つけるのが似てると母親は思ったんじゃないでしょうか(笑)」

中井美穂「軍医さん、余計な事をしてくれる(笑)」

宮田慶子「人はほんのちょっとで運命を狂わされるという事ですね」

中井美穂「ゾッとするのはフォスカ」

シルビア「興味ある役でした。怖~~~~いって思いました。私生活であそこまでない。引き出しから長い時間をかけて怖さを引き出しました。舞台は2時間45分ですが、稽古では1日8時間だったので気が狂いそうでした」

井上芳雄「舞台稽古で出てくる度に顔が違ってて(笑)今は普通のシルビアだ。醜いって何なの?!って(笑)」

和音美桜「私の役は同じ女性に同情してもらえると・・・」

宮田慶子「不倫だよ」(笑)


井上芳雄「同情されないよ」(笑)

和音美桜「不倫が趣味じゃないんで(笑)」

井上芳雄「離婚は有り得ない世の中だったんですよね。そんな世の中なのに、離婚して下さいって言ってるボクの方がおかしい(笑)」

~お客様からの質問コーナー~

Q 日本のミュージカルは信用していないのですが・・・

井上芳雄「もう一回言ってもらっていいですか???」(笑)

Q ミュージカルなのにダンスがない?!

宮田慶子「これは1幕2幕のない通しの台本だったのですが、2幕の頭に”フォスカダンス”と呼んでいますが、兵士たちの行進のシーンがあります。綺麗に行進するのは筋肉使うんです」

Q 井上芳雄さんが胸にブローチを付けていますが?

井上芳雄「かっこいいから(笑)成果を上げたから」

宮田慶子
「ジョルジオは軍人の中でエリート。やさぐれてる軍人の中にエリートが何で来る?!上層部から経験積んどけという意味で移転に」

Q 宮田慶子さんの演出は、今回はミュージカル界のしがらみなどない感じでのびのびとされているように見受けますが?

宮田慶子「のびのびやってます」

井上芳雄「いつもはしがらみが?(笑)」

宮田慶子「ミュージカル大好きなんです。音楽の力が湧き上がってくるのが楽しみ。和音さんイイ。冒頭からのシーンは和音さんの背中に惚れ込んだ。オヤジ目線です(笑)井上君はかっこいいし、シルビアは血管切れるのではと心配していますが、自分でコントロールしてくれています。このカンパニーは本当にいいです。安心して仕事させてもらってます」

和音美桜「皆さんそれぞれ、感情移入する場が違うと思います。リンクポイントを見つけて頂ければ。正解はある訳ではないので。気に留めて頂き、自由に感じて頂けたら」

シルビア「毎日、冒険、挑戦です。2時間45分、凄い旅に出て、10歳年とっている感じ。終演後、誰も楽屋に入ってきてくれないので、私は大丈夫って言いたい(笑)街で見かけたら手を振って下さい。私も振り返すので(笑)」

井上芳雄「そういう意味ではボクの方が疲れています(笑)180度?360度?変わるのでグッタリ感は今までにないです。けっこう消耗して僕は疲れている事をお伝えしたい(笑)」

”パッション”は情熱の他にも、引き受ける、受難などの意味もあるとの事。

井上芳雄「キリストの役演るんでしょうと言われた」



井上芳雄君、トークショーで生きている(爆笑)

歌も見た目もさることながら、井上芳雄君はトークの達人!切り返しもうまいな~グー

私が井上芳雄君を知ったのは、何かの舞台とアフタートークショーで「この方のトークは面白い!」って。井上芳雄君の歌より先にトークに惚れ込んだのです(笑)

シアタートークの最後、シルビアさんの「誰も楽屋に入ってきてくれないので、私は大丈夫って言いたい(笑)」を受けての、井上君「けっこう消耗して僕は疲れている事をお伝えしたい(笑)」

瞬時の絶妙な切り返し。しかも、最後の挨拶で。

この公演は、S席9,720円ですが、Z席なら当日券で1620円で見られちゃうんです!

私が見た日は開演前でZ席2席、S席6席ありました。今後、クチコミが広がるからどうかな~シアタートークを聞いたら、もう一度確認しながら見ようと思った方も多いので。

かくいう私もそう。そんなに音をとるのが難しい歌ばかりなんだ、芝居しながらの難しい歌唱だったのだと思いました。

※Z席 1,620円(税込)公演当日朝10:00から、ボックスオフィスのみでの販売。1人1枚、電話予約不可。

■東京公演
2015年10月16日(金)~11月8日(日)
新国立劇場 中ホール

■兵庫公演
2015年11月13日(金)~11月15日(日)
兵庫県立芸術文化センター


<出演>
井上芳雄、和音美桜、シルビア・グラブ、福井貴一、佐山陽規、藤浦功一、KENTARO、原 慎一郎、中村美貴、内藤大希、伊藤達人、鈴木結加里、東山竜彦、吉長秀平、一倉千夏、谷本充弘、白石拓也、小南竜平、岩橋 大、荒田至法

井上芳雄
福岡出身。東京芸術大学音楽学部声楽科卒業。妹は元宝塚男役。東京芸術大学在学中の2000年に、ミュージカルエリザベートの皇太子ルドルフ役で鮮烈なデビューを飾り、今年はトートに。ミュージカル界のプリンス。

和音美桜(かずねみおう)
元宝塚歌劇団・宙組の娘役。妹も元宝塚娘役、劇団四季に。宝塚でも数々のヒロインを。歌姫として大活躍。いつトップ娘役になってもおかしくない大きな存在だった。『三銃士』コンスタンス、『レディ・ベス』アン・ブーリン、『レ・ミゼラブル』ファンテーヌも。

シルビア・グラブ
ボストン大学声楽科卒業。父親がスイス人(ドイツ系)で母親が日本人。夫は俳優の高嶋政宏。2008年『レベッカ』のダンヴァース夫人で、第34回菊田一夫演劇賞・演劇賞受賞。2012年『国民の映画』のツァラ・レアンダーで、読売演劇大賞・優秀女優賞受賞。レ・ミゼラブルではファンテーヌも。

新国立劇場演劇「パッション」公式サイト

http://www.nntt.jac.go.jp/play/passion/

藤川奈々ホームページ
http://www.nanafujikawa.com
藤川奈々ナレーションサンプル
http://www.youtube.com/watch?v=Gbv6AFa3uvY&feature=youtu.be

※敬称略