『MOTHER マザー～特攻の母 鳥濱トメ物語～』
脚本・演出 藤森一朗氏の、今年で７年目の大林素子さん主演の舞台。特攻隊のお世話をしていた、鹿児島県知覧町（ちらんちょう）冨屋食堂の母、トメさんと特攻隊の実話の物語です。
特別攻撃隊の略で、戦時中行われた航空機による体当たり攻撃、そのパイロット達、神風特攻隊。片道の燃料だけを積み、敵艦に体当たりで突撃・・・それは「死」を意味する。
いっぺんに20歳前後の大事な日本男子の尊い命がこんなにも失われました。
『MOTHER マザー～特攻の母 鳥濱トメ物語～』舞台の一部をご紹介します。
まだ未来があるはずだった若者たち。出撃までの残されたわずかな時間を、仲間とともに飲み、歌い、語り合った彼らは、どんな想いを胸に飛び立っていったのでしょう………
母ひとり子ひとりの柴田は最後の親孝行に母に遺族年金をあげたかった。来週になれば昇進して、今の身分より遺族年金をあげられる。それまで生かして欲しいと土下座する。荒木田少尉は黙認し、殴った金山は柴田を抱き締めた。警察署長は、見なかった事にしてくれた・・・
「頭が悪くても自分の息子の事はわかるよ。出撃したんですね・・・圭作が生けた花、枯れちゃったんだね・・・お花もらっていいですか・・・」
枯れた花を丁寧に包み胸に抱き食堂をあとにし、泣き崩れる母。
妹「おにいちゃん、あしたははなにしてあそぶ？」
兄「明日はお兄ちゃん、大事な用があるんだ」
妹「おにいちゃんはいつかえってくるの？」
兄「・・・・・」
兄「しーちゃん、明日の午後3時に野ばらを歌ってくれるかな」
妹「うん！」
～遺書より～
しーちゃん、女学校に上がったら、この通帳を使いなさい。おじさんに言って、お兄ちゃんの時計、軍刀もお金にかえなさい。プロペラがまわりました。お兄ちゃんはしゅつげきします。しーちゃん、強く生きてください・・・
敗戦し、鹿児島県知覧町「富屋食堂」には進駐軍（1945年8月の終戦後、日本を占領した米軍が主体の連合国軍）が出入りする様になる。進駐軍も母国に家族を残し、敵地に送られていた。近所から陰口を叩かれる「富屋食堂」戸惑う娘たち・・・
「お母さんは特攻隊の方々を忘れたの？」
トメ「忘れやしないよ。あんた達の事は絶対にあたしが忘れさせやしないからね」
大林素子さんの主演舞台も7年目。大林さんには鳥濱トメさんの心血が注がれている気がします。出演者皆のお母さんです。
まったく英語がわからないトメさんと進駐軍のやり取りがハラハラドキドキ。トメさんが進駐軍に身長の事を言われたり、トメさんがヘルメットを叩いたり、ほっこり笑える場面も。
大林さんは戦後100年まで鳥濱トメさんを演じてゆきたいとの事です。
吉本芸人ペナルティのワッキーさんは1幕では怖い憲兵、2幕では進駐軍に媚を売り、爆笑させてくれます。ワッキーさんは自分の出番でない場面でも客席や舞台の袖で見て泣いているとの事です・・・
今年初めて、阿藤快さんが出演。怖いけど憎めない警察署長。
韓国の金山役の神木優さん。危機迫る演技。韓国人の自分が特攻に行くのに、エンジンを故障させて戻ってくる日本人・柴田を攻め、殴る。母ひとり子ひとりの柴田の話を聞き抱き締める金山。少尉が金山の為に特別に”祖国礼拝”をしてくれる・・・泣
荒木田少尉役の横田健介さん。毎年、部下を労わる姿に感動しています。
柴田役の鶴田亮介さん。殴られて顔に沢山のあざを作り、母の為に遺族年金をと土下座する姿に涙涙
久保田少尉役の吉田宗洋さん。いい声でいいお顔立ちで、出撃の前日、隊員たちに笑顔で感謝を述べる姿が印象的。夫が特攻隊と知らずに訪ねてくる妻への手紙。「妻の為に喜んで征く」
大林さんの娘役の片山陽加さんは声が低くて魅力のある声で、進駐軍をもてなす母に抵抗する姿が心に迫りました。（元AKB48）
教師役の平塚千瑛さんは女性では大林さんに次ぐ背の高さで、綺麗なお顔立ちで目立っていました。声もハスキーでかっこいい先生。（元ミス・ユニバース・ジャパン セミファイナリスト）
河野うさぎさん。息子を訪ねて食堂にやってくる。「頭が悪くても自分の息子の事はわかるよ」に自分も母を想います、、、
最後には一青 窈（ひととよう）さんのハナミズキと共に、実際の海上での攻撃の映像が流れ、涙なしには見られません。
特攻隊の皆さんは靖国神社の右から二本目の櫻で待ち合わせをしているそうです。
「MOTHERプロジェクト７０」
戦後７０年、当時、特攻で散って行った世代と同じ世代の方々に、たった７０年前にこの日本でこのような事があった事を知ってもらおうと、全国の中学、高校、大学などでの地方公演を考えています。
・この公演を自分の出身校、出身地、会社で見たい、見せたい方
・自分の出身校が演劇や芸術鑑賞をしている方
・活動に賛同して支援して頂ける方
お心当たりの方・・・
【MOTHER マザー～特攻の母 鳥濱トメ物語】
https://www.facebook.com/torihamatomemonogatari
是非、沢山の学校で上演して欲しいです。
http://www.airstudio.jp/index_15mother_tokyo.html
東京 天王洲銀河劇場
１０月１２日(月)まで。
＜山梨＞
2015年10月20日（火）
コラニー文化ホール（山梨県立県民文化ホール）
＜愛知＞
2015年10月24日（土）～25日（日）
愛知芸術劇場
＜岐阜＞
2015年10月27日（火）
岐阜市文化センター
＜大阪＞
2015年10月31日（土）～11月1日（日）
梅田芸術劇場シアタードラマシティ
【カンフェティチケットセンター】
http://www.confetti-web.com/search_result.php
＜出演＞
大林素子
佐々木絵梨花、片山陽加、清水みさと、神木優、鶴田亮介、林明寛、永田彬、藤井としもり、横田健介、吉田宗洋、猪狩賢二、大蔵基誠、五代了平、森田和正、日向野祥、平安伸伍、髙木聡一朗、新村享也、砂邊勇紀、大濱龍忠、工藤陸、前田正太郎、橋本浩太朗、荒澤守、大谷速人、洋斗、山之内和也、三明孝之、小曽根章央、竹鼻優太、堤裕樹、藤本直幸、中條孝紀、高橋健悟、重山邦輝、越川英策、矢内シュン、鈴木剛、平塚千瑛、間瀬りさ、松田百香、石神悠紀、田中亜弥、武井麻妃、永原あや、高橋凪沙、風歌、日向みお、安達来愛、鈴木彩乃、中谷双葉、青山智美、桐山桂奈、廣瀬優里、五戸みう、福本桂与、石川リサ、宮脇由佳
ブレイク、クロフォード、エリック、ファーマン、ニクラス、エリクソン、ボブ、ワーリー、ジョナサン、ニクラスソン
松本健司、日出郎、春木生、赤垣正樹（※10日11日のみ出演）、河野うさぎ、宮澤有、穐吉次代
ワッキー（ペナルティ）
阿藤快
※出演者にはA班、B班があります。
＜ご覧になった方の感想＞
「仕事より大事なものがある」
「今、自分には何ができているか」
「１年に１回、心のデトックス」
「１年に１回、涙を出してデトックス」
「涙にはリラックス効果が」
「涙はストレスホルモンを抑える」
タイトルの「マザー」は、お母さんは絶対に戦争を起こさない、起こしたくない人たちだからつけられたそうです。
生まれた時は皆、純粋無垢な可愛い赤ちゃんで生まれたのに、なぜ、人間同士が戦うのでしょう。戦争するのでしょう。１年に１度、自分を、人生を、地球を、人類を、親の事を、戦争を見つめ直す意味でもこの舞台を見続けたいですし、多くの方に見て頂きたいです。
『マザー MOTHER 特攻の母 鳥濱トメ物語』2016 を書いた記事
http://blogs.yahoo.co.jp/dreamjapan04/57198013.html
『マザー MOTHER 特攻の母 鳥濱トメ物語』2014 を書いた記事
http://blogs.yahoo.co.jp/dreamjapan04/56434074.html
『マザー MOTHER 特攻の母 鳥濱トメ物語』2013 を書いた記事
http://blogs.yahoo.co.jp/dreamjapan04/55928884.html
藤川奈々ホームページ
http://www.nanafujikawa.com
藤川奈々ナレーションサンプル
http://www.youtube.com/watch?v=Gbv6AFa3uvY&feature=youtu.be
食べログ（ニックネーム：福山麗子）
http://tabelog.com/rvwr/000355206/