若いころは、美しいという言葉に妙な照れを感じて、カッコいいとかシブいとか、別の言葉に置き換えていた。

 

でも、この世には 美しい という言葉でしか形容できないことがある。

 

ルッキズムが叫ばれて久しい昨今。

それでも、外見の美は存在すると思う。

 

ただそれは、単に端正な顔立ちや均等が取れたスタイルだけを指すものではなくて、

 

そういう表層的なことではなくて、

 

ましてや、それを自分と比較して卑下した結果の感想でもなくて、

 

息を吞み、

そこにある光景に圧倒され、

見る側の私たちは、ただ驚くしかできない。

 

なんて美しいのだ

 

やがて私たちは安心する。

この世には、こんな美しいものがある。

見ているだけで心を震わされるような、呼吸すら忘れるような、圧倒的な美が存在する。

すぐそこで、目の前で。

 

 

年を取ってよかったと思うのは、この美が外観だけで形成されるものではない、ということを知れたこと。

 

生き様。

 

その佇まいは、その人の生き方があってこそ。

 

残酷なほど、本人にすらどうしようもできないほど、それは滲み出て、溢れて、私たちを震わせる。

 

恐れないことではなく、強くあることでもない。

 

恐ろしいと感じている自分を知った時、

その自分を、そうかそうかと愛でてやる。

 

美しいとは、そういうことだと思う。