夕方から腹痛で悶絶していた。
多分、排卵痛だろう。
家族に言うわけにもいかず、のたうち回っていた。
夫が涼しい顔で私をチラリと見てくる。
「腹が痛いなら病院に行け」
と言いたげだったが、何も言わない。
そして私も明日はママ友とランチに行くので、
病院に行っている時間などない。
のたうちながら、
「私が死んだらどうする?息子をどう育てる?」
と質問してみた。
夫は即答で
「退職して貯金を切り崩して細々と生きるしかない」
と言ってじっと私をみてくる。
「お稽古や療育の送迎がどうする?」
「車の運転に自信がないから、必要最低限はタクシーや自転車を利用する。
それ以外は諦めて貰う他ない」
「そうか、今死んだら大変だな」
というと、
「俺は今仕事が激務なんだからしょうもない雑談をするな!俺にストレスを与えるな!」
と怒ってきた。
怒ってきたので逃げた。
夜寝る前に夫の部屋に行くと、
私に合うような人間ドッグを見繕ってくれていた。
そして私はとても嬉しかった。
私が死んでも何とかやっていけるって言われなくて。
息子の子育ては過酷でとても疲れる。
夫は仕事仕事でワンオペだし、さらに私は高齢出産でボロボロだ。
逃げ出したい日は多々ある。
私が死んだら夫の人生もボロボロになるのだから、ワンオペさせないで欲しい。
それを少しだけでも想像させることができて、
薄暗い気持ちが満たされて、嬉しかった。