そして、本番その日はやってきました。
10月18.19日(金、土)2回の公演です。
今回、照明光田卓郎さん、音響大貫誉さん小林由尚さんが初参加下さいました。音楽面では、紫竹芳之さん(尺八 笛 鳴り物)が初参加、語りでも飄々とした魅力を存分に発揮くださり好評でした。

語り:舞台俳優 新井純 高橋和久 石井ひとみ
演奏:常磐津文重太夫 紫竹芳之 森反ナナ子
作曲:(ピアノパート)岩間麻里
於 本郷求道会館

導入
石井ひとみ 山女の歌
語る紫竹さん
オシラ祭文 浄瑠璃語り「オシラサマ」
「狼は北へ走る」 ピアノ+笛+三味線
本番につきましては、作家松田悠八さんと、演劇評論家今村修さんの文章を引用させていただきます。

『朗読と和楽器・ピアノの演奏に乗せられた「遠野物語は」、文字で読んだとは違う素晴らしい深みへ誘ってくれました。求道会館という舞台にふさわしい幽玄の味わいもあって』松田氏

『昨夜は、森の音舎「語りと音楽で紡ぐ 遠野物語」(原作=柳田國男)@求道会館。音と言葉のコラボレーションで、宮沢賢治や小泉八雲の世界を織り上げてきた森の音舎の新たなターゲットは日本の民俗学のバイブル「遠野物語」。柳田が学んだ東京大学にほど近い本郷の和洋折衷の会堂に早池峰山の風を吹かせる挑戦だ。
高名な書き出しから始まって、河童、狐、オシラサマ、オクナイサマ、ザシキワラシ、山女、山男、天狗、狼…と獣や神、妖怪など人ならぬ者たちが生き生きと駆け回る。長い冬籠り、炉端の臭い、山の怪、森の妖が蘇り、津波で逝った愛おしい人が還ってくる。言霊が飛び交い、ピアノや尺八、鳴り物、三味線…が山の四季を彩る。大正時代に建てられた浄土真宗の教会堂ならではの反響が異界へと誘う。
文語的表現と遠野弁が入り交じるテキストは聞き取りにくいがその分聞く集中力が高まる。出演者の共同制作というナレーションが聞きづらさを補うが、現代の都会人の感傷が過剰になるのが気になった』
                  今村氏

両日ともたくさんのお客様にご来場いただきありがとうございました。19日は超満席となり、座席が足りないくらいでした。心より御礼申し上げます。
19日は、本編上演後 赤坂憲雄×三浦佑之氏による特別対談を設け、遠野にまつわる楽しく貴重なお話が伺えました。こちらは次回に。