「・・・そうだ、手紙・・・読んだよ。」
2人きりのランチタイム。
ネクタイのお礼、退職の詳細。
このまま私たちの関係が終わる・・・
そう心の準備をしていたのに、タカシが話題を戻した。
「ビデオテープなんてすっかり忘れてたよ(笑)。それに、あのうちわはナナが持っててくれて良かったのに(笑)。」
タカシが笑っている。
なぜだかわからない。
どう反応すれば良いのかわらかずただ「えへへ」と微み返した。
「・・・それに・・・」
タカシが一呼吸置く。
いや、実際は置いてなかったのかもしれない。
ほんの一秒くらいの間だったかもしれない。
だけど私には長く感じた。
だからその間に心にギュッと力を入れた。
「それに」に続く言葉を聞くために。
「・・・また行けば良いしね・・・」
え・・・?
「また」・・・?
「行く」・・・?
どこに・・・?
「ご飯食べに行ったり、二人きりになったり・・・」
きょとんとする私にタカシは笑って言った。
「・・・え?・・・それって・・・」
「うん。会社を辞めるってことで一緒に働くことはできなくなるけど、でも別にそれっきりにしなくても良いんじゃないのかなって・・・」
え・・・?
ホントに・・・?
ホントにそう思ってくれるの・・・?
目の前で発せられている言葉なのに信じられないでいる。
だって1年前の夜桜デート以来デートなんてしてないんだよ・・・?
だって私から誘ったとき「また今度ね」って断ったんだよ・・・?
なのに・・・?
ホントに・・・?
とにかく予想外の、というか予想と正反対の展開に動揺した。
さっきギュッと力を入れた心も戸惑っている。
嬉しい・・・
一度諦めたこととはいえ、それでも嬉しかった。
またタカシと付き合えると思ったら嬉しくて仕方がなかった。
「・・・ホントにそう思ってくれるの?」
「うん。会社と大学院の二重生活にもすっかり慣れたしね(笑)。」
本当なんだ・・・
夢なんかじゃないんだ・・・
タカシとまた始まるんだ・・・
「・・・すっごく嬉しい。・・・もう終わりなんだってずっと思ってたから。・・・だからホントにホントに嬉しい・・・」
今さらながら自分の表現力のなさにもどかしくなる。
「嬉しい」という言葉じゃ言い表せられないくらいの嬉しさはどうやって表現すれば良いのだろう。
「そっか。・・・あのときは・・・ナナが誘ってくれたときは・・・嬉しかったけど二重生活のリズムを掴むのにまだ必死だったからさ・・・。そう、だからあのときはゴメンねって思って・・・」
私たち二人の最後の会話をタカシも覚えていてくれたんだ。
私の「抱いて」という誘いを断ったことに対し、少なからず気にかけてくれてたんだ。
それだけで救われた気がした。
「じゃあ、またくっつけたりもするの(笑)?」
「するよ(笑)。」
目の前で笑うタカシの姿が、8年前の、出会った頃のタカシに見えた。
これからまた始まる・・・
私の退職を機に二人の関係が再スタートする。
一方私はタカシとの愛を育んだ会社という環境からいなくなる。
皮肉な感じもしたが、こうしてタカシとの関係が再度スタートすることになった。
2人きりのランチタイム。
ネクタイのお礼、退職の詳細。
このまま私たちの関係が終わる・・・
そう心の準備をしていたのに、タカシが話題を戻した。
「ビデオテープなんてすっかり忘れてたよ(笑)。それに、あのうちわはナナが持っててくれて良かったのに(笑)。」
タカシが笑っている。
なぜだかわからない。
どう反応すれば良いのかわらかずただ「えへへ」と微み返した。
「・・・それに・・・」
タカシが一呼吸置く。
いや、実際は置いてなかったのかもしれない。
ほんの一秒くらいの間だったかもしれない。
だけど私には長く感じた。
だからその間に心にギュッと力を入れた。
「それに」に続く言葉を聞くために。
「・・・また行けば良いしね・・・」
え・・・?
「また」・・・?
「行く」・・・?
どこに・・・?
「ご飯食べに行ったり、二人きりになったり・・・」
きょとんとする私にタカシは笑って言った。
「・・・え?・・・それって・・・」
「うん。会社を辞めるってことで一緒に働くことはできなくなるけど、でも別にそれっきりにしなくても良いんじゃないのかなって・・・」
え・・・?
ホントに・・・?
ホントにそう思ってくれるの・・・?
目の前で発せられている言葉なのに信じられないでいる。
だって1年前の夜桜デート以来デートなんてしてないんだよ・・・?
だって私から誘ったとき「また今度ね」って断ったんだよ・・・?
なのに・・・?
ホントに・・・?
とにかく予想外の、というか予想と正反対の展開に動揺した。
さっきギュッと力を入れた心も戸惑っている。
嬉しい・・・
一度諦めたこととはいえ、それでも嬉しかった。
またタカシと付き合えると思ったら嬉しくて仕方がなかった。
「・・・ホントにそう思ってくれるの?」
「うん。会社と大学院の二重生活にもすっかり慣れたしね(笑)。」
本当なんだ・・・
夢なんかじゃないんだ・・・
タカシとまた始まるんだ・・・
「・・・すっごく嬉しい。・・・もう終わりなんだってずっと思ってたから。・・・だからホントにホントに嬉しい・・・」
今さらながら自分の表現力のなさにもどかしくなる。
「嬉しい」という言葉じゃ言い表せられないくらいの嬉しさはどうやって表現すれば良いのだろう。
「そっか。・・・あのときは・・・ナナが誘ってくれたときは・・・嬉しかったけど二重生活のリズムを掴むのにまだ必死だったからさ・・・。そう、だからあのときはゴメンねって思って・・・」
私たち二人の最後の会話をタカシも覚えていてくれたんだ。
私の「抱いて」という誘いを断ったことに対し、少なからず気にかけてくれてたんだ。
それだけで救われた気がした。
「じゃあ、またくっつけたりもするの(笑)?」
「するよ(笑)。」
目の前で笑うタカシの姿が、8年前の、出会った頃のタカシに見えた。
これからまた始まる・・・
私の退職を機に二人の関係が再スタートする。
一方私はタカシとの愛を育んだ会社という環境からいなくなる。
皮肉な感じもしたが、こうしてタカシとの関係が再度スタートすることになった。